土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.275
  • 不動産市況を読み解く

賃貸住宅投資のキャップレート低下が続く。その意味とは?

公開日:2019/04/26

土地活用を含めた各種不動産への投資を行う場合、どのくらいの利回りを期待するのか?その答えは、投資を行う方(土地活用においては、土地オーナー様)の考え方によると思います。しかし、「各種機関投資家、アセットマネージャー等が、どのくらいの利回りを期待しているのか」については、自身の期待利回りについての妥当性の基軸となると思いますので、知っておくとよいと思います。
期待する利回りのことを「キャップレート」(正しくは「Capitalization Rate」)といいます。
賃料やそのほかの要因が一定だとすると、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を意味します。住宅賃料は、当然市況に左右されますが、短期間ではそれほど大きな動きをしません。そのため、キャップレートの低下は、大半の場合、価格上昇を意味することになります。それはつまり、「価格上昇でも、不動産投資、土地活用投資を行いたいと思う方が増える傾向にある」ということになります。キャップレートはいくつかの機関から公表されていますが、今回はそのひとつを紹介し、分析してみたいと思います。

一般社団法人 不動産証券化協会が半年に1度調査・公表している「不動産投資短期観測調査」、その最新(第27回)の調査分析が、4月に公表されました(調査時点は2018年12月)。この調査は、「日本の不動産投資市場の現状と先行き」について分析することが主眼とされており、各種機関投資家、アセットマネージャー等に対してのアンケート調査をもとに分析を行っています。その大項目の一つが、「キャップレートについて」となっています。

この中にある、賃貸住宅(ワンルーム、ファミリー)のキャップレートについて見てみましょう。
賃貸住宅の調査エリアは、東京23区では、城南地区(目黒区・世田谷区)、城東地区(墨田区・江東区)、港区の「麻布・赤坂・青山」地区、札幌、仙台、さいたま、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡の各都市となっています。
キャップレートはリーマンショック後に全国的に一気に高くなり、東京都心一等地でも6~7%台となりました。その後リーマンショックの影響も収まり始めて、徐々に低下していきます。最新の公表数字では、都心の最も高いとされる3Aエリア(麻布・赤坂・青山)では、ワンルームタイプの賃貸住宅のキャップレートは4.0%となっています。
ちなみに、城南エリアは4.1%、城東エリアは4.3%、札幌5.3%、仙台5.4%、さいたま5.0%、千葉5.3%、横浜4.9%、名古屋5.0%、大阪4.9%、神戸5.2%、広島5.5%、福岡5.0%となっています。
キャップレートは立地条件、建築工法等により大きく異なりますので、同一地域になっても変わってきますが、一つの基準になると思います。

詳細な数字は一般社団法人 不動産証券化協会のHPを見ていただくとして、今回の公表データで注目すべき点をお伝えしておきます。
この調査は半年に1度行われます。前回の調査(調査時点2018年6月)では、この先半年のキャップレート(つまり今回の調査結果)は、もうほとんど下がらないと予想していた回答が多かったのですが、蓋を開けてみれば、この間も多くのエリアでキャップレートは低下しました。つまり、2018年の上期には「不動産価格はそろそろ天井か?」と、各種機関投資家、アセットマネージャー等(=専門家)は考えていたようですが、実際にはまだまだ不動産市況は良かったということになります。
そして、今回の調査における、「この先、どうなると思うか?」の分析結果では、「価格上昇はもう少し起こりそう」ということになっています。もちろん、金利の動向、世界経済の動向など、不透明な要因もありますが、こうした要因で大きなショックが起こらない限り、現在の好調な不動産市況はしばらく続くと思われます。

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