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コラム vol.417
  • 不動産市況を読み解く

最新 人口動態から賃貸住宅需要を読み解く

公開日:2022/08/31

POINT!

・日本国内に住む日本人の人口は1億2322万3561人で、1968年の調査開 始以降最大のマイナスとなった(2022年1月1日現在)

・人口の自然増減は、沖縄以外がすべてマイナス
社会増減は、東京がトップから5位になり、首都圏周辺部への移動が見られた

・世帯数は5976万1065世帯で、調査開始以来毎年増加している

・1世帯当たりの平均構成人員は2.11人で、調査開始以降最低となった

総務省から2022年8月9日に、住民基本台帳に基づく2022年1月1日現在の人口動態調査が発表されました。これによれば、日本国内に住む日本人の人口は、前年比で61万9140人減り、1億2322万3561人となりました。これは、平成22年以降13年連続の減少となります(ちなみに外国人も含めれば、日本に住む人口総数は1億2592万7902人です)。減少率で見れば、マイナス0.5%で前年はマイナス0.34%でしたので、マイナス幅が拡大、1968年の調査開始以降最大のマイナスとなりました。
一方で、賃貸住宅需要に大きな影響のある世帯数は今年も増加し、世帯数総計は5976万1065世帯、プラス0.44%となりました。

人口の社会増減と自然増減

人口の増減は、社会増減と自然増減に大別されます。
自然増減は出生数と死亡者数から算出しますが、2021年の日本人の出生者数は前年比3万1285人減り(マイナス3.71%)81万2036人となり、1979年度の調査開始以降最少となりました。一方、死亡者数は6万7810人(4.93%)増の144万1739人で、死亡者数から出生者数を引いた「自然減」は62万9703人でした。少子化がさらに進んでいる結果となりました。
社会増減は、転入者数等と転出者数等の差ですが、総計では、プラス1万205人、前年が3万5,935人、前々年は19万5,915人でしたので、社会増加数は2年連続で縮小しました。

都道府県別の人口増減

都道府県別では、人口(ここでは日本に住む外国人も含めての数字です)が増加したのは沖縄県のみで、その他の46都道府県ではマイナスとなりました。前年は東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏(1都3県)がプラスでしたが、これらの県でもマイナスになり、ニュースでも大きく取り上げられました。また、人口の増えた沖縄県でも、プラスは186人に留まり、人口減少が顕著となってきています。

図1:都道府県別 人口増減率(2022年1月1日現在)

総務省統計局「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和4年1月1日現在)」より作成

2018年~2022年の対2017年人口増減率を見ると、すべての年でプラスになっているのは東京・神奈川・沖縄の3つだけとなっています(2022年は4県)。また、人口の集中は引き続き進んでおり、人口が多い上位8つの都道府県(東京・神奈川・大阪・愛知・埼玉・千葉・兵庫・北海道)で総人口の半分以上となっています。
ここからは、都道府県の人口増減を自然増減と社会増減に分けて見てみましょう。
自然増減(出生数と死亡者数の差)でプラスになっているのは、前述したように沖縄県だけで、あとの46都道府県はマイナスとなっています。なお、沖縄県は直近5年間すべて自然増減数がプラスで、あとの46都道府県は直近5年間すべてマイナスとなっています。

図2:都道府県別 社会増減率と自然増減率(2022年1月1日現在)

総務省統計局「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和4 年1月1日現在)」より作成

社会増減(流入者と転出者の差)では、11の都府県(神奈川・埼玉・千葉・福岡・東京・大阪・山梨・茨城・沖縄・滋賀・宮城)でプラスとなりました。注目されたのは、山梨県が直近5年間で初めてプラスになったこと、そして社会増加数が24年間トップだった東京都が5位となり、神奈川・埼玉・千葉は増加していることです。首都圏周辺部への移動が起きているようです。

世帯数の状況

全国の世帯数は5976万1065世帯で、前年より26万3709世帯増えました。現行の調査開始(1968年)以来毎年増加しています。
このうち、外国人住民の世帯数は153万4083世帯ですが、こちらは10万8386世帯の減少となり、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく出ているようです。

住宅需要を推し量る際には、人口動態も重要ですが、一般的に住宅には世帯単位で住むため、世帯数のほうが重要とされています。ここまで見てきたように、確かに我が国は人口減少期に入っていますが、世帯数はまだ増加傾向にあります。

世帯構成員の変化

全国の1世帯当たりの平均構成人員は、2.11人(前年は2.13人)となりました。この数字は、現行の調査開始(1968年)以来毎年減少しており史上最低となりました。1968年(昭和43年)の世帯構成員の平均は3.76人でしたので、半分までにはなっていませんが、それに近い数字となっています。
1世帯当たりの平均構成人員が最も少ないのは北海道で1.85人、続いて東京都1.88人、以下、高知県・鹿児島県・大阪府では2を切っています。人口減少が目立つエリアと都市部において、構成人員が少なくなる傾向です。
平均構成人員の減少は、以前は核家族化が主たる要因でしたが、近年の減少要因は単独世帯の増加が主な要因です。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、2040年には約4割の世帯が単独世帯になるとされていますので、1世帯当たりの平均構成人員の低下はさらに加速するでしょう。

人口動態調査でみる、賃貸住宅需要のゆくえ

このように、最新の人口動態をみると、賃貸住宅需要は以下のような傾向になる(あるいは傾向が続く)と思われます。 以下、参考にしてみてください。

  • ・人口集中が続く都市部では、人口流入(何度も本サイト内コラムで書きましたが、転入者は若年層が多く、その初めての住宅は賃貸住宅です)が増え、賃貸住宅需要は底堅い。
  • ・都市部周辺地域も人口流入増えていることから、需要が伸びる可能性が高い。
  • ・単身世帯用の住宅、賃貸住宅需要の成長は続くと思われる。

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