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コラム vol.560
  • 土地活用税務コラム

企業経営者のための不動産経営 将来の承継・相続まで考え検討する

公開日:2025/07/31

経営者の方にとって、事業経営が順調のときは問題ありませんが、時には事業の損益や資金繰りなどの対応に追われることも少なくありません。そのような状況を想定して、メインの事業と並行して不動産投資を行い、事業の多角化を検討している方も多いのではないでしょうか。
企業の経営者だから可能な不動産投資は、経営者ならではのメリットがあります。何よりも長年経営者として経験を積まれてきた方々には、事業経営のノウハウがあります。経営ノウハウを不動産経営に活かすことができれば、本業以外の事業としても成功する可能性があります。

経営者が不動産投資をするメリット

事業のリスクヘッジとして

会社経営が今は順調であっても、現在のような変化の激しい時代においては、何があるかわかりません。さまざまな要因が重なり、事業が安定しなくなる可能性があります。そのようになった場合、別の収益を生む事業が存在すれば、会社の継続や立て直しの猶予が生まれたり、キャッシュフローに貢献できたりする場合もあるでしょう。改めて本業に取り組むことにもつながります。
不動産投資の良さのひとつに、時期によるばらつきが少ないという点があります。賃料が毎年上下に動くことはほとんどありませんし、ケースによってさまざまですが、基本的にご入居者が頻繁に入れ替わることも少ないでしょう。

通常の事業では、環境の変化や顧客の状況によって収益の変動が大きい場合も多く、不動産経営の収益や資産の増加は、会社経営におけるリスクヘッジとして位置付けることも可能です。

融資を受けてレバレッジ効果が生み出せる

不動産投資では、多くの場合、金融機関のローンを受けて経営を開始しますので、企業の業績や不動産経営の事業計画(シミュレーション)が金融機関から評価を受けることができれば、少ない頭金で事業を行うことができるという、いわゆるレバレッジ効果を生むことが可能です。結果的に、投資を行うといっても、会社のキャッシュフローにあまり影響なく、むしろキャッシュを生み出す事業になることも可能です。

また、法人で所有し、不動産の損益通算(同じ年に発生した利益と損失を相殺すること)を活用すれば、税金の負担を軽くできる可能性があります。たとえば、不動産経営において、減価償却費が発生し、トータルの不動産所得が赤字となった場合は、本業をはじめとするほかの所得と通算することで所得税が抑えられることがあります。

長期的視野を忘れない

こうしたさまざまなメリットにつながる可能性のある企業経営者の不動産経営ですが、経営者の仕事は一生続くと言っても過言ではありませんので、長期的な視野を持つことを忘れてはいけません。

経営者引退後の会社を考える

不動産賃貸事業が長期にわたって成功することができれば、後継者にとってもありがたい収益源となります。事業を引き継いだ直後は困難なことに遭遇することも多いはずです。そんなときに、一定の収益を生み出す不動産経営事業は、後継者も安心して本業に取り組むこともできるでしょう。

事業承継時の税制メリット

長年、会社の経営を行ってきた経営者にとっては、いかに事業承継をスムーズに行うかということは、大きな課題でしょう。 非上場会社が事業承継を行う際、株式の相続税評価額が高額すぎて後継者に株式を移転しづらいケースがあります。賃貸用不動産を購入することで、相続税評価額(純資産価額)が下がる場合もあります。

自身の相続対策

不動産投資は自分自身の相続対策にも有効です。相続財産の価値を算出する際には相続税評価額を用いますが、不動産の評価額は時価よりも下回ることに加えて、賃貸住宅の場合、借地権や借家権の割合分、さらに下がります。賃貸住宅を保有していることで、相続税の軽減になります。

自身の老後の資金に

不動産経営を継続することができれば、経営を退いた後の収入源にすることも可能です。大きな会社であれば、その後も役員や顧問として残り、収入を得ることも可能かもしれませんが、多くの中小企業の場合は、難しいのではないでしょうか。不動産経営は老後の生活資金としても有効です。

冒頭で述べたように、不動産経営は事業ですから、必ずしも成功するものではありません。特に人口減少や高齢化の進む現在においては、さまざまなリスクも存在します。賃貸住宅の老朽化に伴い、さまざまな修繕やメンテナンスが必要になり、収益を圧迫するような状況になる可能性もあります。
また、不動産事業が順調だからといって、資産が不動産ばかりになってしまっては、相続の際、分割しにくいため、財産を公平に分けられず、相続でトラブルの原因となる可能性があります。
経営者として、資産運用を考えるとき、購入から相続発生までの長期的な目線を持つことを忘れないようにすることが何よりも重要なことだといえます。

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