大和ハウスグループの中古住宅総合窓口 「 リブネス 」

大和ハウスグループの 中古住宅総合窓口 「 リブネス 」

コラム<リノベーション> 【3世代で楽しめるレシピ付き】
いつまでも料理をし続けたい!
快適・安全をかなえるキッチンづくり

孫と料理を楽しみたい! そんな願いをかなえる安全で快適なキッチンについて、シニア世代向けのバリアフリー建築を多く扱う一級建築士の吉田紗栄子さんと、多世代で食卓を囲む機会も多いという料理家の柴田真希さんにお話を伺いました。今日からできる工夫やキッチンづくりのアイデアが満載です。

POINT 01 古いキッチンは設備機器の経年劣化に加え、加齢に伴う使いづらさも

──キッチンを長く使い続けていると、どのような困りごとが出てきますか?

柴田さん:実家のキッチンは30年の間にだんだん物が増えて収納が足りていない状態です。収納自体もスライド収納ではなく開き戸タイプなので奥の物が取り出しにくく、腰をかがめないといけません。

吉田さん:キッチンは経年劣化もありますが、加齢に伴って使いづらくなることもありますよね。

柴田さん:当時は最新の対面キッチンも、足腰が不安定な90代の祖母には高い位置での料理の受け渡しが難しく、持ち運ぶにしてもぐるっと回らないと食卓に行けないので大変です。

吉田さん:ガスコンロなどの設備機器も、高齢になると掃除が行き届かなくなり、吹きこぼれなどを放置した結果、劣化が早まり耐用年数を満たずに壊れてしまうことも少なくありません。

POINT 02 3世代が使いやすいキッチンづくりのポイント

キッチンはメリハリのある色使いに。直感的な収納で誰でも使いやすく

──安全で快適なキッチンをつくる工夫を教えてください。

吉田さん:前提として、家づくりにおいて大切なのは、「安心」「安全」「快適」そして「自分らしく暮らせること」です。これを踏まえた上で自分にとって使いやすいキッチンを考えていくといいと思います。おすすめの設備をいくつかご紹介します。

①建築化照明 ②コンセント ③キッチン台と床色の対比 ④ダイニングテーブル一体型の調理台 ⑤床暖房

写真提供:一般社団法人ケアリングデザイン

■①建築化照明

照明の光源がシニア世代の目にはまぶしいことがあるので、壁や天井を照らして間接的に明るくする「建築化照明」がおすすめ。細かい作業をするときは手元を照らす照明を併用する。

■②コンセント

足元のたこ足配線は引っ掛かりやすいので、コンセントは作業台の上に、多めにつくっておくと良い。

■③キッチン台と床色の対比

シニア世代の転倒やつまずきは、目が見えにくいことも原因。床が濃い色ならキッチンは淡い色にするなど、色の対比を強くして見やすくする。

■④ダイニングテーブル一体型の調理台

料理を作ってすぐに配膳できる。作業台の下を空けておいて、座りながら料理できるようにするのもおすすめ。

■⑤床暖房

床に敷いたマットもつまづく原因に。キッチンまで床暖房を入れるのもおすすめ。

吉田さん:ほかにも、「自分らしく暮らすこと」を重視すると、例えば「冷蔵庫から食材を取り出し、後ろの調理台に置く」など、長年にわたるキッチンでの動きは体に染みついているので、それをリフォームなどでガラッと変えてしまうとかえって使いにくいものに。今までの動きを大事にしつつ、なるべくシンプルな動きで使える動線や配置にするといいですね。それから、高齢になるとIHコンロなど新しい設備機器の使い方を覚えるのに時間がかかるので、早めに取り入れて慣らしていくといいと思います。

柴田さん:確かにIHコンロの方が安全ですが、母も祖母も慣れているガスコンロの方が好き。だから実家では鍋を置いていないときは火が消える、安全性に配慮したものを使っています。

吉田さん:それも、「自分らしく暮らす」手段のひとつだと思います。

柴田さん:収納についてですが、キッチンは「聖域」といわれることもあるように、メインで使う人によって独自のルールがありますよね。2世代、3世代で共有するときには、なるべくみんなが分かりやすく、安全に使えることを心がけています。どこに何があるか分からないキッチンでは、料理がおっくうになってしまいます。誰がキッチンに入っても直感的に調理器具の場所が分かるように、シンクの下は加熱調理前に使うもの、コンロの下は加熱に使うもの、コンロの横は菜箸やおたまなど、ルールを設けるのがおすすめです。

吉田さん:ついつい物を増やしてしまう方も多いですよね。

柴田さん:定期的に必要なものと不要なものに仕分け、必要なものは決まった場所に収納する習慣をつけることも大切です。収納ボックスや保存容器には中身を記したラベルを貼ると、物の在りかが一目で分かり、自分以外の人にも使いやすくなります。

一緒に料理がしやすいのはアイランドキッチン!

──孫と料理を楽しむにはどんなキッチンがおすすめですか?

吉田さん:小さなお子さんと一緒に料理をするなど、複数の人が出入りして同時に作業するなら、回遊性があり自由に動けるアイランドキッチンがおすすめです。キッチンが独立していないので、作業をしながら家族と会話できるのもポイントです。収納が少ないので、対面に収納棚をつけるといいですね。
それから、先ほど挙げたキッチン一体型のダイニングデーブルなら、広々とした調理台で孫と料理をしたり、孫はお絵描き、自分は料理をしながらおしゃべりを楽しんだりして、一緒の時間を過ごすことができます。

柴田さん:キッチン一体型のダイニングテーブルで、ダイニングの横がシンクやコンロになっているものもありますよね。私もぜひ取り入れたかったのですが、あいにくスペースの都合で断念しました(笑)。
わが家もアイランドキッチンなのですが、子どもたちがもう少し大きくなってそれぞれの時間に朝食をとることになったら、椅子を置いてカウンターテーブルのように使って、より配膳を楽にしようと考えています。

POINT 03 みんなでわいわい作れるパーティー料理で、孫も自分も笑顔に

──最後に、孫と一緒に料理を楽しむアイデアを教えてください。

柴田さん:孫と一緒に料理をするなら、見た目が華やかでパーティー感のある料理や、みんなでわいわい作れるホットプレート料理などがおすすめです。トッピングなど子どもが楽しく関われて、普段とは違う少し凝った料理だと達成感も得られ、良い思い出になると思います。
火や刃物など、キッチンは子どもにとって危険が多い場所ではありますが、だからこそ、大人の目がたくさんあるときに料理に触れる機会をつくってあげたいですよね。

吉田さん:子どもには踏み台を用意するなど、料理がしやすい環境を整えることも大切です。一緒に料理をしたり、食卓を囲んだりすることはコミュニケーションだけでなく、自分の味を次の世代に伝えていくという価値もあります。
シニア世代が元気に長生きするため、社会的なつながりを持つという意味でも、そして食をおろそかにしないためにも、いつまでもキッチンに立ち、自分の好きな料理を楽しんでいきたいですね。

柴田さん:そうですね、食は健康の基本です。使いやすいキッチンで孫と料理を楽しめると張り合いが出て、元気の源になります。子どもにとっても、親以外の料理を食べることは新たな味に出会うきっかけになるんですよね。私も安全で快適なキッチンを維持し、ずっと人が集まる家にしていきたいです。

POINT 04 小さなお子さんと一緒に料理を楽しむ!レシピ3選

料理家・柴田真希さんが提案する、3世代で料理を楽しめるレシピをご紹介します。

フライパンで簡単!わんぱくチキンパエリア

チキンやウインナーソーセージ入りで子どもが喜ぶパエリアは、フライパンごと食卓に並べればごちそう感がアップ。シーフードや旬の野菜を加えてアレンジするのもおすすめです。お子さんたちと具材選びから一緒に楽しみたいですね(柴田さん)。

【材料】(4人分・直径26cmのフライパンを使用)

  • ・米…2合
  • ・鶏もも肉…1枚(250g)
  • ・ウインナーソーセージ…4本
  • ・玉ねぎ…1/2個(100g)
  • ・マッシュルーム…4個(40g)
  • ・赤パプリカ…1/4個(40g)
  • ・にんにく…1かけ
  • ・オリーブオイル…大さじ1
  • ・塩・こしょう…少々

【作り方】

①米はとぎ、30分以上浸水させてから水気を切っておく。鶏もも肉はひと口大に切り、ウインナーソーセージは乱切りにする。玉ねぎ、にんにくはみじん切りにし、マッシュルームは薄切り、赤パプリカは8mm角に切る。

②フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかけ、にんにくの香りがたったら鶏もも肉と玉ねぎを入れて中火で3~5分炒める。ウインナーソーセージ、マッシュルームを加えて1~2分炒め、塩・こしょうをしていったん皿に取り出す。

③②のフライパンを中火~強火にかけ、水気を切った米を入れ、Aのカレー粉・塩、洋風顆粒だし、水の順に加えて混ぜ合わせる。沸騰したら皿に取り出した具材と赤パプリカを米の上にのせてふたをし、弱火にして10~15分加熱する。

④火を止めて10分ほど蒸らし、お好みで刻んだパセリとくし形切りにしたレモンをのせる。

小さなお子さんも遊び感覚で作れるコーンとチーズのちぎりパン

ホットケーキミックスと豆腐を使った、ふわふわの手づくりパン。生地を混ぜる・丸めるなど、子どもが楽しめる工程がいっぱいです。ハムやツナ、ベーコンを混ぜてもおいしく仕上がるので、ぜひお試しください(柴田さん)。

【材料】(4人分・直径26cmのフライパンを使用)

  • ・ホットケーキミックス…200g
  • ・絹ごし豆腐…150g
  • ・バター(有塩・無塩どちらでもOK)…20g
  • ・コーン(ホール缶詰め)…40g
  • ・スライスチーズ…2枚

【作り方】

①バターは耐熱容器に入れ、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱して溶かしておく。

②ボウルに絹ごし豆腐を入れ、泡立て器で滑らかになるまでよく混ぜる。ホットケーキミックスを2回に分けて加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。①のバターを加え、生地になじむように混ぜ合わせる。

③コーンを加えて混ぜ、4等分にする。

④スライスチーズ1枚を大体4等分にちぎってくるくると丸める。③の生地の中に入れて包み、形を整える。生地は手をぬらして丸めると扱いやすい。

⑤フライパンに生地を等間隔に並べて弱火にかけ、ふたをして8分ほど焼く。

⑥裏返して生地同士を中央に寄せてくっつける。ふたをして弱火でさらに5〜8分ほど焼く。

2種類の味を楽しめるたっぷり野菜とお肉の蒸ししゃぶ&鶏のトマト煮

ホットプレートで2つの主菜を一度に調理するアイデアレシピ。お好みの主菜を選べるのはもちろん、両方を食べ比べたり、チーズを絡めて味変したりと、子どもから大人まで自分の好みに合わせて楽しめます(柴田さん)。

【材料】(4人分)

<鶏のトマト煮>

  • ・鶏もも肉…1枚(250g)
  • ・玉ねぎ…1個(200g)
  • ・かぼちゃ…150g
  • ・しめじ…1袋(100g)
  • ・にんにく…1かけ
  • ・オリーブオイル…大さじ1

A

  • ・トマト缶…1缶(400g)
  • ・バジル…3〜4枚(あれば・手で4~5等分にちぎる)
  • ・洋風顆粒だし…小さじ2
  • ・砂糖…小さじ1
  • ・塩…小さじ1/2

<たっぷり野菜とお肉の蒸ししゃぶ>

  • ・豚バラ肉(しゃぶしゃぶ用)…200g
  • ・もやし…1袋
  • ・キャベツ…1/4個(250g)
  • ・にんじん…1/2本(75g)

B

  • ・白すりごま・マヨネーズ…各大さじ2
  • ・めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ1
  • ・ポン酢しょうゆ…適量(お好みで)
  • ・ピザ用シュレッドチーズ…200g

【作り方】

①鶏もも肉はひと口大に切る。玉ねぎは1cm幅に、かぼちゃは8mm幅に切る。しめじは手でほぐし、にんにくはみじん切りにする。キャベツはざく切りにし、にんじんはせん切りにする。

②ホットプレートを中温に温め、オリーブオイル、にんにくを入れて炒める。にんにくの香りがたったら鶏もも肉、玉ねぎ、かぼちゃを加えて4〜5分炒め、しめじを加えてさらに1分炒め、Aを加えて全体を混ぜ合わせる。

③②を片側に寄せ、空いたスペースにもやし、キャベツ、にんじんを入れ、その上に豚バラ肉をのせる。トマト煮と蒸ししゃぶの間をあけ、そこにピザ用シュレッドチーズを入れてふたをし、3〜5分加熱する。

④それぞれの料理を取り分けていただく。蒸ししゃぶにはBを混ぜ合わせたごまだれや、ポン酢しょうゆをかける。また、チーズを絡めるとより濃厚な味わいになり、味の変化が楽しめる。

リブネスでできること。
「不動産売買」「リフォーム」「賃貸管理」「空き家管理」「相続」「資産運用」まで、大和ハウスグループのネットワークを生かし、お客さまのお住まいに関するお悩みの解決をお手伝いいたします。

Livnessへお問い合わせ

プロフィール

吉田紗栄子(よしださえこ)さん

有限会社ケアリングデザインアーキテクツ 一級建築士事務所代表。一級建築士、バリアフリーコンサルタント。身体障がい者や高齢者と建築との関わりをテーマに、住宅や福祉施設などの設計に携わる。共著に『バリアフリー住まいをつくる物語』(三輪書店)など。

柴田真希(しばたまき)さん

株式会社エミッシュ代表。管理栄養士。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理や栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などを経て独立。現在はメディア出演や執筆、企業のメニュー開発・プロデュース、セミナー講師など幅広く活躍。著書も多数。

※掲載の情報は2025年9月現在のものです。内容は変わる場合がございますので、ご了承ください。

くらし情報コラムに関するアンケート

不動産に関する読んでみたいコラムのテーマなどございましたら、こちらのフォームからご送信ください。今後のコラム作成の参考とさせていただきます。
本アンケートへ頂いた内容へのご返信は行っておりません。
不動産に関するご相談、お問い合わせなどはこちらよりご連絡お願いいたします。

写真:Getty Images

コラム一覧へ戻る