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コラム No.20-2

PREコラム

「官民連携による地域活性化への取組を探る」(2)地域の再生のために、がんばれ中小企業!

公開日:2017/01/26

POINT!

  • ・さまざまな事業分野で中小企業と大企業が連携が期待される
  • ・地域密着型の中小企業は、地域の雇用促進が見込める

今回は、民間企業の規模別による特性と時代的な変遷、地方都市における企業の分布などにフォーカスして、企業活動と地域活性化の相関から、地方の再生・創生に向けた支援のあり方などを考えてみましょう。

大企業の活躍が日本経済を元気にする

国内には、世界に名だたる大企業があります。特に製造業は、戦後の高度成長期に飛ぶ鳥を落とす勢いで世界を席巻してきました。これら大企業が、これからも日本経済を牽引して、日本を元気にしていくと思われることは、異論がないでしょう。大企業の優位性は、技術開発力に裏打ちされた、その高い生産性にあります。国内企業のうち、大企業は企業数でわずか0.3%程度、従業員数で30%程度であるにもかかわらず、製造業でいえば付加価値額は約5割を占めているのです。当然、大企業の生産性を維持・向上させることによって、効率の良い経済成長を目指すことは理にかなっています。日本政府は、税制面や雇用面での優遇施策、研究開発への支援を強化しているところです。しかし大企業といえども、新興国企業の勃興による競争力の激化や、国内における少子高齢化により、多様化するマーケットニーズに追いつけず、一部の大企業では事業部門の縮小や売却が加速していることが、しばしば報道されています。これに対して政府は、働き方改革を推進し、多様な人材の登用により組織体質を強化することを推奨し、多くの経営者もこれに呼応した動きが出ています。さらに、少子高齢化により従業員年齢構成が変化し、若者人材が不足してきています。また、ITの進歩などからマーケットが多様化する中で、大量生産型の組織構造が市場ニーズにマッチしない状況も生まれています。働き方改革によりフレキシブルな雇用形態を採用することで、女性や社会的マイノリティーといった多様な人材を労働力として取り込み、マーケットへの対応力を強化することは、大企業にとっても急務であるでしょう。これは、年金や保健制度といった日本独自の社会システムの維持にも資する動きといえます。

大企業の裾野を埋める中小企業の役割

一方、国内全企業数の99%以上を占める中小企業の役割とは何でしょう。中小企業とは、経産省の定義によれば、製造業でいえば資本金3億円以下、従業員数300人以下の企業で、国内就労人口の70%程度が中小企業の従業員です。そもそも、現在の大企業もその昔は中小企業でした。日本各地に地場産業の集積が生まれ、技術や資本が集約した結果、大企業に成長していったのです。だから各地に大企業の城下町も多くあります。茨城県日立市、神奈川県川崎市、静岡県浜松市、愛知県豊田市、広島県広島市、福岡県北九州市、宮崎県延岡市、長崎県長崎市など、戦後の高度成長期に発展した地域です。しかし企業間の競争がグローバル化する現在、地方都市では地域の新たな産業を育成する必要性に迫られており、その主な支援対象が中小企業です。一つには、大企業がすべての分野で自前主義を貫くことが難しい時代となったため、さまざまな事業分野で中小企業と大企業が連携した活躍が期待されていることがあります。もう一つは、中小企業は地域密着型の事業を展開することが多いため、地域の雇用促進が見込めることにあります。例えば、インターネットの創成期にみられたように、既存事業にしがらみを持たない有志によるベンチャー企業が活躍し、新しい社会の枠組みや事業を生み出したことは、記憶に新しいところです。そのため各自治体とも、産学官連携や大企業と中小企業のオープンイノベーションを推進して、新産業分野の創出を促す取り組みを行っています。

地方の再生には中規模・小規模企業が元気になること

地方における賑わい(活性化)を語るうえで、忘れてはいけないのが概ね従業員10名以下の小規模事業者の存在です。小規模事業者は、全企業の事業所数の86%強、従業員数の26%近くを占めています。また、2016年版小規模企業白書(中企庁編)によれば、人口30万人未満の地方都市においては、従業員数の約41%、給与総額の約28%、付加価値額の約31%を小規模事業者が生み出しています。ちなみに東京特別区や政令指定都市では、それぞれ10%程度の割合に過ぎません。また、小規模事業者は、60%近くが家族経営による小売業や製造業、建設業者ですが、女性経営者やパートタイマーの割合が高く、地域住民の大切な収入源となっており、地域社会の多様な生活を支える存在でもあります。まさに地方創生を推進し、少子高齢化に対応しながら一億総活躍社会を実現するには欠かせない存在なのです。しかし、小規模事業者は経営基盤がぜい弱なため、高齢化と後継者不足による廃業問題など、さまざまな課題に直面しています。賑わいの源である事業所や店舗の衰退が、活気が失われた街に将来への希望が宿ることもなければ、小規模事業者から中規模企業に成長し、やがて大企業へと躍進する経営者が排出されることもないでしょう。こうした背景を受け、国も小規模企業振興のための法律を平成26年に制定して育成に力を入れています。小規模事業者が事業を持続できる環境が、地域住民にとっても住みやすい場所といえるのではないでしょうか。

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