皆さんは、外国のドラマや映画で天窓のある部屋を見たことはありませんか?
ベッドの上から星を眺められる屋根裏や、天窓から降り注ぐ陽の光で明るく華やぐリビング、
頭上に抜けるような青空が見えるらせん階段……。
天窓のある光景はどこかおしゃれで、開放的なイメージを感じさせてくれます。
また、おしゃれなだけでなく、採光・通風の手段としても効果的。
上手に使えば、建物に囲まれた都市部でも、明るく快適な住まいを手に入れることが可能です。
このようにメリットの多い天窓ですが、実際に取り付ける際には、
光の指す方角や強さに応じて計画的に設置しないと、期待する効果が得られないことも。
今回は天窓をつける際のポイントを、設置する部屋ごとにご紹介。
また、天窓に似ているけれどちょっと違う、「高窓」についても紹介します。
天窓ってどんなもの?
天窓は、屋根面や天井に設置する窓のことで、「トップライト」とも呼ばれています。採光性に優れており、真上から差し込んでくるため、通常の窓と比べて3倍の光を取り入れられます。また、天窓は晴れた日には室内から青空や星空が眺められるという景観づくりの面からも、住まいを心地よいものにしてくれます。
天窓には開閉式とFIX式(固定された窓)があります。開閉式は換気や室内の温度調整ができるのが魅力。熱い空気がこもりがちな夏も、天井付近にある天窓を開けて空気を逃がすことで快適に過ごすことができます。ただし、天窓は当然高い位置にあるので、手動での開け閉めは不便。電動の開閉装置をつけると便利ですが、少しコストがかかります。
天窓とちょっと違う、高窓って?
高窓は壁の高い位置につけられる比較的小さな窓で、「ハイサイドサッシ(ハイサイドライト)」と呼ばれます。天井に取り付けられた天窓から差す強い光と比べて、高窓は外からの光を天井や壁に当てて落とすので、間接照明のような柔らかな明るさを取り入れられるのが特徴。天窓と同じく開閉できるものを選べば空気の流れが生まれ、自然の原理を利用した換気を行えるのもメリットになります。
天窓&高窓を取り付ける時のポイント
天井につける天窓と、壁の高い位置につける高窓。
設置する際、各部屋ごとに気をつけておきたいポイントをご紹介します。
寝室
寝室の天井に天窓をつけて、ベッドに寝転びながら月や星空を眺める……なんてロマンチックですよね。ただし、月明かりは意外とまぶしいと感じる時もあります。寝付きにくい方は、必要に応じてブラインドやカーテンで遮光できるようにしておいたほうが得策です。
寝室の窓は東向きにつけておけば、早朝に日差しが差し込み、目覚めを助けてもくれます。直射日光が差さない高窓なら、柔らかな光で穏やかな朝を迎えられそうです。
浴室
浴室に天窓をつければ露天風呂気分が味わえる!?と思いきや、実はそう簡単ではありません。
現在、多くの浴室は、浴槽の寸法や構造が決まっているユニットバスとなっているため、天窓をつける場合は大掛かりな設計と予算が必要になるかもしれません。
その点、高窓であれば比較的容易に設置ができます。高い位置から自然の光を取り入れたり、空の見通しを確保しながらも、近隣の窓から中が見えにくくプライバシーも守れますよ。
リビング・ダイニング
他の部屋より比較的広い空間であるリビングおよびダイニング。吹き抜けにして大きめの天窓や高窓をつけると、自然光を取り入れた開放感ある空間ができあがります。
ただ、夏は日照量が多いため、光と熱を取り込みすぎて、室温が上がってしまうのが懸念点。障子やカーテン・ブラインドなどで必要に応じて日差しを遮ったり、上部に溜まった熱い空気を逃がすため開閉式にしておくなどさまざまな対策が考えられますが、これには空調効率や建物自体の気密性なども関係してきます。夏場はもちろん冬場も快適な温度を保てるか、総合的な視点に立って設置位置を決めましょう。
廊下・階段
天窓や高窓の効果を十二分に活かせるのが廊下や階段。
例えば、階段に天窓や高窓を設置した場合、毎日階段を上がり降りする際に視線を階段の上に向けると、窓から抜けるような空が切り取られて見え、爽快な気分が味わえます。
また、窓が作りにくく暗い空間になりがちな1階の廊下も、天窓や高窓を作ることで、影の中に光が降り注ぐというコントラストが楽しめますよ。
1階廊下の天窓は廊下の位置や間取りを工夫する必要があり少しハードルが高いですが、思い通りに設計できれば壁に美しい光のラインが生まれてオススメです。
洗面室
朝一番に身だしなみをチェックする場所で、洗濯などの家事をする場所でもある洗面室は、明るい空間のほうがいいですよね。
洗面室に天窓や高窓をつけるなら、朝の光が差し込む東側が向いています。ひとつの天窓や高窓を作るだけではなく、2つ3つと設置した連窓にすれば、華やかに光が回る空間にすることも可能です。
子ども部屋
天窓や高窓は光だけでなく「遊び」のための空間も作り出します。
子ども部屋であれば天井に天窓をつけ、そこから天体観測をしたり、ちょっと狭くなりがちなロフトにも天窓をつけて空間の広がりを作ったりという設置方法が最適。
注意点としては、ロフトや屋根面に窓をつける際は、リビング同様日照による室温上昇があります。上下に広い空間でも冷暖房がしっかりと効くよう設計を工夫しましょう。
まとめ
日本の家は照明で隅々まで明るくしようとする傾向がありますが、天窓・高窓から差し込む自然光は、光だけではなく暗いところも作り出し、陰影のメリハリがついた美しい風景を、住まいの中にもたらしてくれます。昔からの憧れを叶えたい!と思った方は、下記の事例を参考に、気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
天窓と高窓があるお住まい
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