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生活を考える

キッチンでお酒をたしなむ贅沢な時間「キッチン飲み」が
楽しくなる理想の空間とは?

家族との会話を楽しみながらリラックスしてお酒が楽しめる「家飲み」。
そんな家飲み派の中でも、キッチンで料理をつくりながらお酒をたしなむ
「キッチン飲み」を楽しんでいる方もいらっしゃいます。

アンティーク家具や雑貨に囲まれた素敵な暮らしをInstagramで発信している@su_a_sa_さんは、
夕食の支度をしながらキッチンで晩酌をするのが休日前夜の過ごし方だそう。
キッチン飲みを楽しむポイントや、キッチンのこだわりについてお話を伺いました。

お気に入りのランプをともしてキッチン飲みタイムスタート

こだわりのキッチンで、夕食づくりと晩酌を兼ねた「キッチン飲み」を楽しんでいるという@su_a_sa_さん。翌日に仕事がある日は早めにベッドに入るのでお酒は飲まないそうですが、休日前夜は在宅での仕事を終えた17~18時頃になると、照明をリラックスモードに切り替えて夕食づくりをしながらお酒を楽しみます。

@su_a_sa_さん:「夕方になると疲れてしまうことが多いですが、缶ビールをプシュッと開けると料理をする活力が湧いてくるんです。飲むときのメニューはつまみになるような居酒屋系メニューが中心。お気に入りの器を並べて、“今日は何をつくろうかな?”とイメージを膨らませる時間が好きです。洋食ならフランスのアンティーク調の食器、和食なら作家物の陶器など、食器との相性を考えながらメニューを考えます」

料理をしながら、味見をしながら立ち飲みをしていると、ついついお酒が進んでしまうことも。料理が完成したら、背面の食器棚側へと移動します。座り飲みに切り替えて、スライドトレーをテーブルがわりに、アンティークの椅子に座ってゆったりと料理とお酒を味わうのが至福のひとときだそうです。

@su_a_sa_さん:「料理が出来上がった頃に夫が帰宅することが多いですが、夫はお酒をほとんど飲まないのでキッチンカウンターで向かい合って夕食を食べ、私はキッチンの中で引き続きお酒を楽しみながら、カウンター越しにおしゃべりをするのが夫婦のいつもの過ごし方です」

料理担当は妻、食器洗い担当は夫と、キッチン周りの家事を上手にシェアしている@su_a_sa_さんご夫妻。片付けを担当してくれるパートナーがいるので、安心してお酒が進みます。

リビング飲みとは違う、キッチン飲みの良さとは?

家の中でも、とりわけキッチンという空間で飲むお酒にはどんな魅力があるのでしょうか。キッチン飲みのメリットを挙げていただきました。

夕食づくりの活力になる

@su_a_sa_さん:「夕食をつくる余力がないほど疲れた日でも、お酒の楽しみがあると“料理をがんばろう”とやる気が出ます。キッチン飲みを楽しむようになったのは、広いキッチンのある今の家に越してから。以前の住まいはキッチンも手狭で、キッチンでの作業は半ば義務でしたが、今では楽しみな時間に変わりました」

時短になる

@su_a_sa_さん:「夕食づくりにかける時間は約1時間。つくりながら、調理器具を片付けながら、飲みながらを同時に進められるので時短になります。年齢を経て外食の機会が減り、さらに夫の弁当をつくるようになったので、キッチンに立つ時間が増えました。ながら飲みをするようになったのは自然な流れだったかもしれません」

配膳の手間が省けて片付けがラクに

@su_a_sa_さん:「夕食は品数が多く小鉢などもあるので、ダイニングテーブルで食べると食器の上げ下げで何往復もすることになりますが、キッチンで飲めば配膳の手間が省けます。また、料理に凝った調味料を追加したいときなども、キッチンならすぐに取り出せるので味にも広がりが出るのがいいですね。食器をそれほど多く使わない朝食と昼食は、ダイニングテーブルやテレビの前のローテーブルでとることが多いです」

愛犬に邪魔されない

@su_a_sa_さん:「リビングのローテーブルで晩酌をしていた時期もありましたが、クルン(愛犬)がテーブルに手を伸ばしたり、じっと見つめてきたりすることも。落ち着いてお酒が飲める場所を求めて、キッチン飲みに移行してきた部分もあります」

キッチン飲みが楽しくなるインテリアのこだわり

6帖ほどあるキッチンは2カ所の高窓から光が差し込んで明るく、大人が余裕を持ってすれ違えるゆったりサイズです。入居時はキッチン飲みを想定していませんでしたが、居心地のいいキッチンを見て「ここで飲んだら気持ちよさそうだな」とキッチン飲みを思いついたそう。そんな居心地のいいキッチンのこだわりポイントを教えていただきました。

アンティークショップで
オーダーした食器棚

キッチンの主役は、ウォルナット調の壁や床に合わせてオーダーしたロータイプの食器棚。天板の高さを身長に合わせてセミオーダーされたもので、手前に引き出せるスライドトレーがキッチン飲みのテーブルとして活躍しています。

@su_a_sa_さん:「生活感の出やすい家電は黒で統一したり、プラスチックの部品を木製のものに変えたりと、シンプルで温かみのあるインテリアを心がけています。郊外に引っ越ししてから素敵なカフェに気軽に行けなくなったので、『それなら自宅にカフェのような空間をつくろう』と考え、お気に入りの器やコーヒーミルなどを見せる収納にして、カフェのような雰囲気を目指しています」

料理がはかどるこだわりの食器たち

料理の内容やコンセプトに合わせて、器をスタイリングするのが好きだという@su_a_sa_さん。キッチンにお気に入りの皿を並べて、それを眺めるのが癒やしのひとときだと言います。

@su_a_sa_さん:「夜寝る前に翌日の朝食の器をコーディネートして、そのまま満足して寝ることも(笑)。結婚当初は間に合わせで購入した食器を使っていましたが、この家に越してから初めて作家物の器を手にして、こんなにも見える景色が変わるのかと感動しました。以来、お気に入りの器を少しずつ集めています。器が素敵だとシンプルな料理でも映えるので、“もう1品つくろうかな”と料理のモチベーションもアップします」

調理道具は吊るす収納で見せる

機能性の高い工業製品と趣のあるヴィンテージの調理器具をバランスよく織り交ぜて、見せる収納にしています。

@su_a_sa_さん:「吊るしている古い木材は、韓国の雑貨屋さんのオンラインショップで見つけたもの。私たちは夫婦でインテリアの好みが似ているので、『カフェで見たあのテーブルよかったよね、買ってみる?』とか『居心地のいい空間にするにはどこをどうすればいいかな? 』などと、食事をしながら話すことが多いです。旅先で訪れた素敵なカフェやアパレルショップのディスプレーなどを参考にしています」

二人分の食器を並べられるカウンター

カウンターは長さ約160cm、奥行き約50cmで、二人分の食器を並べるのに十分な広さです。お酒を飲む人と飲まない人が一緒にゆっくり食事する上で、カウンター越しにちょうどいい距離感が保たれています。

@su_a_sa_さん:「キッチンのワークトップ(作業台)より10cmほどカウンターが高いので、リビングから見たときにキッチンの手元が程よく目隠しに。カウンター越しに手を伸ばせばシンクに手が届くので、カウンター側からも食器を片付けることができるのが便利です」

キッチンからの眺めにもこだわる

キッチンからカウンター越しに見えるリビングの景色も大切にしているそうです。

@su_a_sa_さん:「お酒を飲んでいると視界に入ってくる場所なので、気持ちよく飲めるように片付けて、キッチンからの眺めを考慮して家具を配置しています。キッチンから映画やドラマを見ることも多いので、テレビが見える位置に置くのも大切なポイント。韓国ドラマを観ながらお酒を飲んでいると、〆がインスタントラーメンになることも(笑)。窓際でくつろぐクルン(愛犬)の様子もキッチンから見えて、癒やされています」

キッチン飲みがもっと楽しくなる理想の環境とは?

一方で、キッチン飲みをするにあたって「もっとココをこうすればよかった」と気づいた点もあったそうです。

キッチン飲みに合わせた照明計画

@su_a_sa_さん:「キッチンの照明はダウンライトが2つと、キッチンカウンターを照らす2つのペンダントライトのみ。食器棚側で飲食することを想定していなかったので、ここにもダウンライトを配置すればよかったかもしれません」 お酒を飲むときには食器棚の上に卓上の間接照明を出すそうです。いくつか集めて、気分によって使い分ける楽しみも知ったそうです。

ワークトップ側にも電源コンセントが欲しかった

@su_a_sa_さん:「キッチンの電源が冷蔵庫付近に集中しているので、ワークトップの周辺にも電源があればよかったです。タブレットで映画やドラマを見ながら料理をすることも多いので、充電が切れそうなときに不便を感じます」

パントリーをつくればよかった

@su_a_sa_さん:「想定していたよりも食器が増えたので、食材を保管しているスペースが逼迫(ひっぱく)するようになりました。パントリーがあれば収納にもっと余裕があったかも…と思います」

「キッチンで飲む以外にも、在宅ワークの合間にキッチンで下ごしらえを進めたり、ランチを手軽にカウンターで済ませたりと「1日に5時間くらいはキッチンで過ごしています」とのこと。@su_a_sa_さんご夫妻にとってキッチンは暮らしの中心になっています。

@su_a_sa_さん:「私にとってキッチンは家族の健康を支える場であり、ゆっくりお酒を楽しめるくつろぎの場であり、家族団らんの場でもあります。家およびキッチンは自分だけのものではなくみんなのもの。会話しながら、楽しみながらつくり上げると、誰にとっても居心地がいいキッチンになるのではと思います」

まとめ

「キッチンでお酒を楽しむ」という新たな過ごし方について語ってくれた@su_a_sa_さん。居心地のいい住まいをつくるために、ご夫妻で密にコミュニケーションをとっている様子が伝わってきました。
キッチンを設計するときには、家事をラクにするだけでなく、「家族がくつろぎ、楽しむ」という視点も加えてみてはいかがでしょうか。

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