住まいの照明は、くつろぎや作業のしやすさにも関わる重要な要素です。
しかし、今回のアンケートでは、約6割の人が照明選びに「後悔」を感じていることが分かりました。
明るさやデザインだけでなく、使い勝手や配置など、
実際に暮らし始めてから見えてくる課題も少なくありません。
この記事では、家づくり経験者の声から、
後悔しないための照明計画のポイントを紐解いていきます。
| 調査時期 | 2025年12月5日~12月14日 |
|---|---|
| 調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
| 有効回答数 | 541件 |
| 調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 住まいの照明について、
あなたの価値観に近いものをお選びください。(複数回答)

はじめに、住まいの照明に対する価値観を調査しました。その結果、「照明はあまり意識していない」と回答した人はわずか5%にとどまり、実に95%の人が何かしらのこだわりや考えを持っていることが分かりました。多くの方にとって、照明は日常の中で無意識に選ばれているものではなく、暮らし方に深く関わる存在であるようです。
回答で最も多かったのは「部屋全体を明るく、均一に照らしたい」(52%)という、照明の基本性能を重視する声です。一方で、「リラックスできるように、明るさは控えめにしたい」(32%)、「必要な場所だけを照らす、機能的な明かりにしたい」(30%)といった回答も目立ちました。照明には「明るさ」だけでなく、過ごし方や目的に応じた役割が求められていることが分かります。
「空間の雰囲気を演出したい」「時間帯によって光の印象を変えたい」という声も見られ、照明を空間づくりの一部として捉える意識も広がっています。
こうした価値観は、実際の住まいづくりにおいてどのように反映されているのでしょうか。次に、現在の住まいにおける照明選び・設計で「こだわった点」について聞きました。
Q2. 現在の住まいにおける照明選び・設計で
こだわった点をお選びください。(複数回答)

照明選びや照明設計で重視したポイントとして、最も多かったのが「明るさ」(53%)でした。次いで「光の色」(38%)、「デザイン・インテリアとの調和」(31%)が続き、基本性能と空間印象の両立を意識している様子が見えてきます。
「その他」の意見として、「スイッチの位置」など、住んでから使い勝手の差を実感しやすいポイントを挙げる声も見られました。主なこだわりの声を項目ごとに詳しく紹介します。
明るさ・調光・調色
昼白色 (色温度:5000K)
温白色 (色温度:3500K)
電球色 (色温度:2700K(2200~3000K))
※K(ケルビン)は、光の色味(色温度)を表す単位。数値が高いほど白っぽく、低いほど暖かみのある色になります。
- 部屋全体を均一に照らすのではなく、必要な場所に必要な明るさが届くように設計
- 料理やインテリアが美しく映えるよう、演色性の高いLEDを採用
- 寝室は間接照明で入眠しやすく、リビングは電球色でくつろげるように、書斎はパソコン画面が見やすい照明にした
- シーリングライトと調光可能なダウンライトを組み合わせ、状況に応じて使い分け
- 2歳の子どもの視覚発達に配慮し、直接目に入る光源を避けて不快グレア(まぶしく感じて不快感を与える光)を低減。知育玩具や絵本の色彩を正確に認識できる高演色の光を採用した
- 年齢とともに見えにくさを感じるようになり、明るさを重視するようになった
省エネ・コスト
- シーリングライトはコスト重視、テーブルランプはインテリア性を重視
- リビングにシーリングライトを2カ所設置し、普段は1灯のみ点灯、必要なときだけ2灯使い、電気代を節約している
- 予算内で購入できることを最優先し、複数の販売店やオンラインショップを比較。同じ性能でより安価なものを選んだ
インテリア性
- ダイニングキッチンの天井に間接照明を採用。テレビの両サイドもあえて壁を出し、間接照明でお洒落に演出
- 好みのデザイナーの照明を購入。見るたびに癒やされている
- 部屋のシンボルとなるペンダントライトは、家具や壁紙・床の色と合わせて色や形を選んだ
- 照明のスイッチは部屋の雰囲気に合わせたものを選び、高さもこだわった
メンテナンス・配置
- 点灯パターンを変えられるよう、複数の照明器具を組み合わせて配置
- ペンダントライトは埃がたまったり、頭をぶつけたりする可能性があるため、寝室・子ども部屋・和室以外ではダウンライトを採用
- 光が届きにくい場所を把握し、必要な明るさを見極めて照明を設置した
Q3. どのような照明を部屋に設置していますか?
(複数回答)

室内で設置している照明の種類についても尋ねたところ、シーリングライトを中心に、ダウンライトやペンダントライト、間接照明など、さまざまな照明が選ばれていました。

最も多かったのは、部屋全体を照らせる主照明として多くの家庭で採用されている「シーリングライト」(87%)で、9割近くの回答が寄せられました。次いで、天井に埋め込むことで空間をすっきりと見せられる「ダウンライト」(44%)、空間のアクセントとして取り入れられることも多い「ペンダントライト」(38%)と続きました。
かつては天井の中央に主照明を設置する「1室1灯」が主流でしたが、近年は用途や空間に応じて照明を使い分けるスタイルが広がっているようです。
部屋全体を照らす明かりに加え、作業やくつろぎなど目的に応じて光を使い分ける、いわゆる「タスク・アンビエント」を意識した照明選びも増えています。
▼「タスク・アンビエント」とは?詳しく知りたい方はこの記事もチェック

シーリングライト

ダウンライト

ペンダントライト
Q4. 現在の住まいで、照明に「不便」や「使いにくさ」を
最も感じている場所を教えてください。

ここで、暮らしの中で感じやすい照明の課題に目を向けてみます。照明に「不便」や「使いにくさ」を感じる場所について尋ねたところ、「特にない」(39%)を除く約6割が、何らかの使いにくさを感じていました。
前述Q2の満足度を伺うアンケートでは、照明への満足度は高く評価されていましたが、潜在的な不満を抱えている方も多そうです。これは照明に対する全体的な満足感と、日常動作における細かなストレスが、必ずしも一致していないことを示しているでしょう。
最も不便さを感じる場所は、長い時間を過ごす「リビング」(14%)、次いで「キッチン」(10%)、「洗面室・浴室」(8%)と続きます。不便さを感じる理由を、場所別にまとめたのが以下の図表です。

いずれの場所も、「明るさ不足」「作業がしにくい」という声が多く、リビングやキッチンでは「部屋全体が均一に明るくならない」という指摘も目立ち、光の広がり方への不満が共通しているようです。特にキッチンでは「明るさが足りずに作業がしにくい」が71%と突出しており、調理中の手元に影ができやすいという声が見られました。
リビングは、くつろぎから作業まで幅広い用途で使われるため、明るさの調整が難しい面もありそうです。洗面室・浴室では天井照明に頼りがちで、「顔や手元が見えにくい」「雰囲気づくりがしにくい」という不満につながっているようです。
その他、以下のようなコメントも寄せられました。
- 廊下・洗面・階段が玄関と近く、人感センサーが不要なタイミングでつく
- トイレの照明スイッチの位置が分かりにくく、来客者が消し忘れやすい
- 洗面の照明を電球色にしたところ、黄みが強くメイクの色味が分かりにくい
- 吹き抜け天井の照明に手が届きにくく、交換やメンテナンスが大変
- コンセント位置を十分検討せず、照明器具の設置や変更がしにくい
住まいづくりに活きる連載コラム「照明計画を考える」
Q5. 現在の住まいの照明に関して、「こうしておけば
よかった」と思う点があれば教えてください。
照明への不満を踏まえ、実際に暮らし始めてから気づいた「こうしておけばよかった」ポイントを、項目ごとに整理してご紹介します。
明るさに対する後悔

- キッチンにはダウンライトと間接照明を設置したが、調理には明るさが足りず、ダウンライトをもう1灯追加すればよかった
- バルコニーに照明がなく、夜間の作業がしにくい
- 玄関はもう少し明るくてもよかった
調光・調色・切り替えができないことへの後悔
- ウォークインクローゼットの照明が電球色で、服の色や黄ばみが判別しにくい。昼白色にすればよかった
- すべての照明を調光・調色機能付きにすればよかった
- 部屋を均一に明るくすることばかり考え、就寝前に暗くする、間接照明を取り入れるといった工夫をしなかった
照明の配置・位置・数に関する後悔
- 寝室は頭上付近に照明器具があるが、眩しいと感じることがあるため頭上に配置されないよう配慮できたらよかった
- 外構の間接照明を想定し、屋外コンセントを十分に設けておけばよかった
- 模様替えも考慮して照明の位置を決めるべきだった
デザイン・雰囲気・空間演出に関する後悔
- ダイニングテーブルの位置が変えられなくなると思いダウンライトを選択。結局、テーブルを動かすことはなく、ペンダントライトでもよかった
- 部屋ごとにテーマを決め、それに相応する照明にしたかった
- 実際に点灯した状態を確認してから決めればよかった
- 壁や棚に飾ったものを照らす光の検討が不十分で、空間に奥行きや落ち着きが出にくい
- 予算オーバーで叶わなかったが、間接照明を採用したかった
メンテナンス
- 発光部と電源部が分離された、部品交換ができるLED照明を選べばより長い間使えたと思う
- 取り替え・掃除が簡単な照明を選べばよかった
その他
- スイッチをまとめてニッチ(壁のくぼみを活かした、小さな収納や飾りスペース)に設ければよかった
- トイレは自動点灯ではなく、手動にすればよかった
- 最初からすべてLED照明に統一すればよかった
- プロのアドバイスを受けて照明を選びたかった
Q6. 今後、新しく住まいを考えるとしたら、
照明計画によってどんな暮らしがしたいですか?
(複数回答)

最後に、照明計画によってどのような暮らしを実現したいか聞いてみました。 回答から「リラックスできる」(55%)という意識が最も強く表れていました。あわせて「朝や日中は自然光を生かし、気分をすっきり整えられる」(48%)、「省エネな照明を使用しコストを抑えられる」(44%)といった声が上位に並び、心地よさを軸にしながらも、省エネや安心感、使いやすさを求める現実的な暮らし像が見えてきました。
以下にフリーアンサーを紹介します。
リラックス・快適さを重視したい

- 夕方以降は、明るさを自分で調節してくつろぎたい
- 雪国で暗い時間帯が長いため、照明によってリラックスして過ごすことは重要。長時間使うため、省エネも重視
- 間接照明や調光機能を使い、まぶしすぎない穏やかな光で過ごしたい
- 昼間はなるべく自然光で過ごし、夜はシーンに合わせて調光することで作業しやすく、体内リズムに寄り添った暮らしをしたい
コストを抑えたい(省エネ・節電)
- 長時間使うものなので省エネに配慮したい
- コスト面はあまり考えていなかったが、節約しつつ快適に過ごしたい
- エネルギーコストを抑えて生活したい
防犯性・安全面に配慮したい
- 人感センサー付きの自動点灯の照明にして防犯面を高めたい
- 夜も安心して過ごせる照明計画にしたい
- 自然災害にも対応できるようにしたい
インテリア性・雰囲気づくりを楽しみたい

- 照明で部屋はいくらでもお洒落になると思う。照明についてもっと学びたい
- 部屋に合わせて間接照明をたくさん取り入れ、リビングにはプロジェクター一体型照明、トイレにはファン付き照明、廊下は下部にセンサーライトをつけたい。お気に入りの空間で暮らしたい
- 照明とインテリアを統一させたい
- タスクごとに最適な光環境にできる多層的な照明レイヤー(基本照明、タスク照明、アクセント照明)で多様なライフスタイルに対応したい
作業性・見えやすさ
- 部屋が西向きなので午後は明るいが午前中は暗い。時間帯で照明を変えたい
- 照明=リラックス重視だったが、勉強などの作業性も考えて計画したい
- 読書や手仕事の際に、自分の影が出にくく、手元が見えやすい照明にしたい
これらの声から、照明は単なる設備を超えて、時間帯・用途・気分に合わせて使い分ける「暮らしの調整装置」として捉える意識が見えてきました。照明計画は、暮らしの質を大きく左右する重要な検討項目になっていきそうです。
住まいづくりに活きる連載コラム「照明計画を考える」
まとめ
アンケートでは「こうしておけばよかった」という声が多く寄せられ、照明は器具選びだけでは完結しない、計画の難しさが改めて浮かび上がりました。明るさだけでなく、間取りや家具の配置、生活動線、将来のライフスタイルの変化まで見据えることが、後悔の少ない照明計画につながります。
ダイワハウスでは住まいづくりの初期段階から、照明計画を含めた提案を行っています。設計士やインテリアコーディネーターにお気軽にご相談ください。









