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生活を考える

設計士が語る 屋根のデザイン【後編】屋根の設計は
どのように決めていくもの?

家にはなぜ屋根が必要なのでしょうか?
雨風をしのいだり、日差しを遮ったりといった機能以外にも、
屋根の形が家の印象を決定づけたり、
屋根の形を内部空間に生かすことで間取りの可能性を広げることができたりと、
屋根は設計に深く関わってくる部分です。

屋根の役割を改めて考えてみるとともに、
設計のポイント、これからの屋根の在り方について
大和ハウス工業のトップデザイナー集団、ZIZAIの設計士の2人が語ります。

Profile

大和ハウス工業 一級建築士

目賀田 史夫

木漏れ日の中でそよ風に身を委ねているような、心地いい暮らしをデザインすることがモットー。機能的でありながら癒しを感じる住まいを創作することを心掛けている。

大和ハウス工業 一級建築士

福岡 義邦

時の経過とともに豊かさを増し、住む人の暮らしに物語を創っていくような住まいを提案する設計士。住む人とよく話し、熟考することを大切にしている。

屋根の設計にはさまざまなアプローチがある

目賀田:前編では屋根の機能的・情緒的な役割、外観にあたえる印象などについて触れましたが、後編では実際の屋根の設計プロセスについて話したいと思います。お客さまとの最初の打ち合わせで、「屋根の形にお好みはありますか?」とお尋ねすると、「どうやって屋根の形って決めていくものなんですか?」と逆に問われることがあります。間取りなどと比べて、屋根に明確なイメージを持っている方はあまりいらっしゃらないように感じます。

そのため、まず初めに「外観としてどんな屋根の形がお好みですか?」とヒアリングします。直線的でモダンな形がお好みならフラットルーフをおすすめしますが、勾配のある屋根がお好みなら「勾配天井を取り入れて屋根の形を生かすと、広がりが生まれてすてきな空間になりますよ」とご提案することもあります。

福岡:都市部では床面積が限られていることが多いので、小屋裏(屋根裏にできる空間のこと)をロフトや屋根裏収納スペースにしたいというご要望も多いですね。

目賀田:そうですね。一方で、収納ではなく立体的な広がりとして勾配天井にすると、その分空間の体積が増えるので実際の床面積以上の開放感が感じられるメリットもあります。勾配天井はリビング・ダイニングに採用することが多いですが、特にダイニングのように人が集まって立ち動く場所は、勾配天井にして高さを確保した方が活気が出て空間と行為がマッチするように思います。

福岡:私も人が集まる場所に勾配天井をおすすめることは多いです。ただ、リビングの天井を高くして開放的にくつろぎたいというお客さまも中にはいらっしゃるので、そこはお客さまのお好みに合わせてますね。

目賀田:一昔前までは、勾配天井は断熱性が下がると言われていた時代があり、水平天井の上に屋根裏空間を作るのが一般的でした。今は屋根の断熱材の進歩で勾配天井でも断熱性の高い家ができます。設計士としても「勾配屋根による勾配天井」をおすすめしやすくなりましたね。

福岡:そうですね。都市部の住宅密集地になるとさまざまな制約があり、軒の出幅が支障となって大きな勾配屋根を希望されても難しい場合があります。法令上の制限や立地条件も加味しながら、ご要望に合わせたベストな屋根をご提案していきたいですね。

屋根の形状にならって内部空間を考えると
間取りの可能性が広がる

図1

目賀田:勾配天井を生かした間取りをご紹介しましょう。図1は、片流れ屋根とフラット屋根を組み合わせて、発電効率の良い南面の片流れ屋根にソーラーパネルを設置しています。2階の中央を吹き抜けにして勾配天井を生かし、北側に設けたハイサイドライト(高窓)から光を取り入れています。リビングのソファに座ると北の空が綺麗に見えるようになっています。

図2

目賀田:図2も同じ建物で、小屋裏部分におこもり感のあるロフトを作った例です。勾配屋根を余すところなく空間デザインに利用しつくそうという(笑)。屋根の傾きを利用する発想で設計をすると、こうしたユニークなスペースを作ることができます。

福岡:図1の設計で、もしダイニング部分を勾配天井にせず、通常の水平天井にしていたら、真ん中の部屋は光的にも広がり的にも変化の少ない空間になっていたでしょうね。

目賀田:そうですね。勾配天井は作らずに、水平天井にしたいというご要望なら、フラットルーフを選ぶのが物理的には合理的かもしれません。勾配屋根なら勾配天井を、と自然におすすめしたくなります。一方で、トップライト(天窓)やハイサイドライト(高窓)から光を取り入れたいというケースでは、それに適した形の屋根を考えていく設計アプローチもありますね。特に、床面積が広い家に大きな勾配屋根をかけると部屋の中央が暗くなりがちなので、屋根を切り分けてトップライトやハイサイドライトを取り入れるのが効果的です。

「内」と「外」の中間領域である軒下を活用する

目賀田:屋外でありながら屋内のような「中間領域」としての軒下空間は、屋根の設計を考える上で外せない要素ですね。日本でも古来より縁側やぬれ縁といった軒下空間が根付いていて、屋根のかかった縁側に腰をかけてスイカを食べたり、庭を眺めながら夕涼みをしたりと、光や風、四季のうつろいが感じられる半屋外空間は暮らしに彩りをもたらしてきました。

福岡:海外でもハワイには「ラナイ」という半屋外空間がありますし、アメリカ映画などでも玄関先に屋根がかりのあるポーチの風景がよく描かれています。日差しに守られながら、外の開放感も感じられるような軒下空間は、屋根の設計を考える上でぜひ検討をおすすめしたいですね。

目賀田:軒下を生活空間によりよく取り込むための設計的なポイントは、建物の「内」と「外」の境界をできるだけ曖昧にすることではないかと思っています。そのために、内と外を仕切る窓を天井高いっぱいまでの「グランフルサッシ」とし、窓の上下に余計な壁を作らない手法は有効だと考えています。

福岡:前編でも触れたように、天井や床の素材を内外に連続させて緩やかにつなぐこともシームレスな空間作りには欠かせませんね。

目賀田:そうですね。将来的にはもっとスリムな窓枠が登場したり、窓ガラス1枚1枚のサイズが大きく軽くなったりとサッシが進化すれば、もっと内と外の空間の連続性が生まれることが期待できますね。

街並みとのバッファゾーンとなる軒下空間

目賀田:軒下空間は視線のコントロールという面でも重要ですよね。軒下空間がなく、道路に近い場所に大きな開口部があったら、外からの視線が気になってカーテンを閉めて生活しがちになりますし、道行く人ものぞいてはいけない気になって視線をそらしてしまいます。しかし、上の画像のように軒下空間があればそこがバッファゾーンとなります。

福岡:住む人によっては軒下空間のある豊かな暮らしが楽しめ、道行く人にとっても植栽越しにこうした軒下空間が広がっていると、街並みにも潤いが感じられますよね。ただ、深い軒下を作ると、その分日差しが室内に入りにくくなります。これも設計の力で解決できますね。

目賀田:その通りです。例えば下の図のように、深い軒下空間を作ると1階からの日差しは遮られますが、吹き抜けにすることで2階から光を取り込むことができます。光が影を強調し、影が光を強調するような情緒的な空間が内部に生まれます。日差しをコントロールしながら、キッチンに立っても空が見えて気持ちがいいですよ。

図3

北上するほど屋根面が減っていく。屋根と気候風土の関わり

福岡:屋根の設計を考えるときに、気候風土やその土地の景観を考慮しなくてはならないエリアもありますね。景観法で細かなルールが決められている地域として京都や軽井沢は知られていますが、こうしたルールのあるエリアは全国に点在しています。屋根の形や色、勾配の角度、軒の出の深さの細かい規則やフラットルーフがNGという地域もあります。

目賀田:京都と言えば和瓦の屋根、沖縄の竹富島と言えば赤瓦の屋根のように、人々の心に残る街並みと屋根は深く関わっていると感じますね。気候風土と屋根の関係も面白いなと思います。雪国では屋根のデザインよりもいかに雪かきの手間を減らすかが重視されるため、4方向に雪が落ちる寄棟屋根は適さず、2方向に落ちる切妻屋根が選ばれます。私の印象では岩手県くらいまでは寄棟屋根がありますが、それより北の青森県や北海道では切妻屋根や無落雪屋根といって雪を落とさず屋根の上にためる形式が増えるように思います。気候・風土に合った屋根のデザインをどうデザインするかも、私たち設計士に課せられた使命だと思っています。

屋上空間の活用、未来の屋根はどうなる?

目賀田:最後にこれからの屋根の在り方を考えてみたいと思います。機能としての屋根、デザインとしての屋根についてこれまで語ってきましたが、「屋根そのものを使う」という視点もご提案したいですね。ルーフバルコニーやインナーバルコニーは、暮らしを豊かにしてくれると思います。

福岡:花火大会の夜に屋上に上がってビール片手に楽しんだり、テーブルとチェアを置いて食事を楽しんだりと、楽しみが広がりそうですね。また、使う屋根の一例としては、太陽光発電にも触れておきたいですね。発電効率を考慮すると、太陽光を効率良く受けられる勾配屋根が推奨されますね。フラットルーフに載せる場合でも、ソーラーパネルに勾配を付けることで発電効率は高められます。

目賀田:そうですね。デザインの視点では、ソーラーパネルの存在感を極力消して、機能性と建物の美しさを両立させたいところです。右の写真のように瓦にソーラーモジュールを埋め込み、目立ちにくいようにすることもできます。

将来的には屋根葺材自体がソーラーモジュールでできていたり、綺麗に空を映し出すような仕上げのソーラーモジュールが登場したりすると面白いなと感じています。今後の技術の進化に期待したいですね。

福岡:屋根の形状によってイニシャルコストやメンテナンスコスト、耐久年数も多少変わってくるので、総合的に検討していく必要がありますね。

目賀田:私たち設計士は、お客さまのライフスタイル、内部空間のご要望、外観のお好みなどを丁寧にヒアリングしながら、お客さまの生活空間が豊かになる最適な屋根のデザインをご提案していきたいと思います。

なんとなく屋根を決めてしまうのではなく、「だからこの屋根になります」と理由を持って結論づけることが大事だと考えています。これから家を建てる方は、私たち設計士にご要望をぜひお聞かせください。

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