
高齢者人口の増加に伴い、高齢者住宅事業に関心、もしくは実際に参入をお考えの方も多いことかと思います。
そこで、私たち大和ハウスがおすすめするのが「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」と「住宅型有料老人ホーム」です。
その理由としては、行政の整備計画に左右されずに開設が可能なことと、細かな規制がなく比較的自由に運営ができる、ということがあげられます。
また「訪問介護」や「訪問看護」、「デイサービス」や「ショートステイ」など、さまざまな介護サービスという、ソフトの付いた住まいとして総合的に運営することで、入居者の方々に幅広いサービスを提供することができるのも大きな魅力。しかし、どの介護サービスとの組み合わせがベストなのか、入居者像や市場性、さらには事業主の方の考え方など、さまざまな要素を踏まえ検討しなければなりません。
大和ハウス工業 シルバーエイジ研究所では、20年におよぶ実績とノウハウで、事業を成功へと導くためのお手伝いをさせていただきます。
確認1 どんな入居者?
まず初めに想定しなければならないのが、「どういう身体の状態の方が入られる高齢者住宅なのか?」です。自立の方なのか? 要介護者なのか? 医療提供の程度は? 障がいの有無は? 等、これらの条件によって動線が変わり、建物全体の設計にも影響がでてきます。
また、入居者が要介護者中心であれば手すりやトイレ、共用部の手洗い等の設置場所や方法に工夫が必要になってきます。
事業化を考える際、どのくらいの収入層の方に入居していただきたいのかをイメージすることも大切。
高い利用料や入居一時金を見込める場合、建物の仕様やグレードを良くする必要がありますし、居室面積も大きくとって入居者が満足できるしつらえにすることが大切です。
逆に、低い利用料を想定するならば、効率化を図ることで建物をコンパクトにする等、建築コストを抑えるなどの工夫が必要です。
民間介護事業者の場合、入居者からの介護収入と賃料収入に頼る割合が多くなります。そのため、高い利用料が見込める人気のある立地や環境、グレードの高い建物が必要となります。
しかし、事業者が医療法人の場合、この2つの収入の他に在宅医療の収入も併せて見込めるため、それほど人気の高い立地にこだわる必要は一般的にありません。
もちろん、エリア内に入居者となりえる方がどれだけ存在するのかも、検討しておく必要があります。
確認2 どんな建物・設備?
一般的には、自立の方の居室は面積が大きくなるので、利用額も高めに設定する必要があります。
しかし逆に、居室面積を小さくすることで、競合の介護施設と同等額の利用額に抑えることも考え方の一つです。
つまり、要介護度が高く介護サービスを希望される入居者が中心の高齢者住宅であれば、お部屋は小さく、談話室や機能訓練室などの共用部を広くとることが必要だといえるでしょう。
事業運営を考える上で、必要となる収入と設けることのできる居室数のバランスが採算性おいて非常に重要です。
予算や敷地面積も前提条件はもちろんですが、想定する入居者像に合わせた居室面積・設備・共用部などを考慮しながら、居室数を設定する必要があるでしょう。
どういった身体状態の方が入居されるかによって、提供する介護サービスの種類も異なります。
また運営事業者の方の考え方によっても、その提供方法は変わってくるでしょう。
いずれにしても、それが入居者の望む医療・介護サービスでなければ、魅力ある高齢者住宅とはなりません。
確認3 暮らしのサービスとは?
どんなメニューの食事を提供するかは、入居者の身体状態によるところが大きいといえます。
また、調理も自社の職員として栄養士や調理士を雇用するのか、自社の他施設からの提供にするのか、配食事業者に依頼するのか、方法はさまざまです。
さらに、建物内で調理するのか、調理済みの食品を暖めるだけなのかによって、厨房のスペースも変わってきます。
有料老人ホームの場合、ある程度の生活支援サービスは施設の職員が行うことを、行政から指導されます。
しかし、高齢者専用賃貸住宅の場合は、職員を配置しないと生活支援サービスを行うことができません。その際、サービスをオプション扱いとして別料金にするのか、管理費に含ませるのかも重要なポイントとして検討する必要があります。
建物内には、入居者が趣味を楽しむ部屋や、飲みものや軽食のサービスを行うスペース、カラオケやシアター等のお部屋など、魅力ある施設として入居者にアピールできる部分が、今後はますます必要になってきます。事業コンセプトに基づいて、検討しましょう。
確認4 考慮するポイントは?
入居者が要介護者なので、安い利用料にしなければならない、という理由はありません。
しかし、どういった方に入居いただくかということと、居室面積と共有面積、居室数によって採算性が異なってきますので、判断が必要です。居室面積を小さくして居室数を多くするのか、またはその逆か、他の収入も合わせることで採算を図るのか、料金の設定についてはトータルに判断し、さまざまな方法を考える必要があります。
自己所有地に自己投資をして建設する、新たに事業用地を購入して建築する、借地して建築する、自己投資せず借地・借家で運営するなど、運営方法はさまざまに考えられます。予算や所有不動産の有無など、条件に合った方法を選びましょう。
高齢者住宅事業を運営するためには、他の訪問介護等の介護事業やデイサービスといった不可欠な事業との組み合わせもあります。デイサービスと宿泊施設であるショートステイと高齢者住宅を組み合わせるのも、利用者の希望を考えると不自然ではありません。
また、建物内や近隣にクリニック用のスペースを設けて入居してもらうのも入居者を集めるための方法です。事業者が医療法人であれば、在宅医療の提供も可能でしょう。また立地次第では、建物内に他のテナントを入れることで、さらなる収入アップを期待できるかもしれません。













