ダイワハウスコンペティション告知ページ
今、この時を「過渡期」であると考えてみます。
過渡期とは、古いものから新しいものへと移り変わる途中の段階をいい、変化を模索する状況と言えます。社会が大きく移り変わる中で、今ある常識を疑って、もっと多様に新しいものが生まれる可能性をもつ言葉です。
では「過渡期」において、家はどのように変わるのでしょうか。
あなたが今、切実に感じる問題や出来事から何の過渡期であるかを設定して、家に本当に必要なものは何か、さらには過去の歴史や生きることの根源にまで遡って、この先に希望を見いだす家を考えて下さい。
敷地は架空でもリアルでも自由です。戸建てでも戸建ての集合でも形式は問いませんが、ひとつの住宅として必要な空間を提案してください。
住宅という概念の根本に問いかけるような、まだ見ぬ住まいのあり方を期待します。
「過渡期の家」を考える
建築家 青木淳建築計画事務所
東京藝術大学客員教授
自分がこの課題を考えるとしたら「片隅」について考えます。昔から「片隅」に惹かれていて、それがなぜかと考えると、「片隅」は家がなかった時代からあるもので、根源的なものだと思えるからです。自分が知らない時代の人は「片隅」をどう感じていたかまで遡ることで自分の中にさまざまなイメージが湧いてきて、そこから住宅の考え方が変わってくるかもしれません。ある意味歴史以前まで戻って突き詰めて考えると、何が生まれるのか。それが私が「過渡期」から考えることに求めることです。
建築家 堀部安嗣建築設計事務所
京都造形芸術大学大学院教授
「過渡期」とは何かという思考を深めてもらったうえで、空間的な解決をしてほしいと思います。建築としての質が高い提案を期待しています。
建築家 平田晃久建築設計事務所
京都大学准教授
生物進化の中でもほとんどの種は変わっておらず、部分的に変わっています。変わる時に要らないものは捨て、要るものは肥大化させていく。変わっていく少数のものたちが、結果として「歴史」をつくっている。そういう賭けのようなアイデアが集まって欲しいと思います。
大和ハウス工業執行役員
「過渡期」という言葉はさまざまな想像を喚起してくれる魅力的な言葉だと思います。身の丈に合った楽しくなる提案を期待しています。