主催:大和ハウス工業株式会社 後援:株式会社新建築社
- ■テーマ:居職(いじょく)の家
- 社会とどのように接続して人は生きていくのか。東日本大震災以降、それまでのネットワーク環境に依存した、場所さえあればよいという考え方から、人が居場所に求める具体的なイメージは変化しつつあります。これからの住まいは、住宅であると同時に、周辺の街との結びつきをさまざまなかたちで創出することが望まれ、特に震災からの復興に立ち上がろうとする街では、住まいでありながら、働ける場所をつくり出せるかどうかが、街を再生する大きなキーワードになるはずです。
これは日本の未来、少子高齢化する日本社会にとっても、重要な視点といえるでしょう。それぞれの地域がつくり上げてきた固有の環境を再評価し、ひとつの家の提案が地域社会の居住環境につながっていく、居職はそうした側面を持っていました。現代の居職を考えることで、それが新たな街の創出へつながり、これからの日本社会の未来像になるのではないかと思います。またその街がずっと生き続けていくために、できた時間が終着点なのではなく、できた時点から20 年後、50年後をその住宅がどのように担っていくのか、その姿も描いてほしいと思います。
住まいと、そこで生きていく、働くことがどうリアリティをもって建築というひとつのかたちになるのか、提案してください。
応募者はそれぞれに具体的な場所を設定し、どのような特徴のある場所かを明記すること。
- ■テーマ座談会
- 職住が共 にある家
← テーマ座談会テキスト<PDF:693KB>
※左図からテーマ座談会コメントがダウンロードできます。
・前回のコンペから─「居職(いじょく)」という言葉
・時間を包含する家
・家を媒介として人が集まる
・提案に期待すること
- ■審査委員長:山本理顕
- 人の集まり方や時間の変化なども含めて「居職の家」を提案してもらいたい。
山本理顕/やまもと・りけん
1945年北京生まれ
1968年日本大学理工学部建築学科卒業
1971年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了後、東京大学生産技術研究所(原研究室)
1973年山本理顕設計工場設立
2002年~2007年工学院大学教授
2007年~2011年横浜国立大学大学院教授
2011年~日本大学特任教授、横浜国立大学客員教授
- ■審査委員:藤森照信
- 居職をするとしたら何を仕事にしたいか具体的に考え、工夫してほしい。
藤森照信/ふじもり・てるのぶ
1946年長野県生まれ
1971年東北大学工学部建築学科卒業
1978年東京大学大学院修了
1985年東京大学助教授
1998年~2010年東京大学教授
2010年~工学院大学教授
- ■審査委員:千葉学
- 「居職の家」をつくることによって、そこに潜在化する問題を浮き彫りにするような場所を提案してほしい。
千葉学/ちば・まなぶ
1960年東京都生まれ
1985年東京大学工学部建築学科卒業
1987年同大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
1987年~1993年日本設計
2001年千葉学建築計画事務所設立
現在、東京大学大学院教授
- ■審査委員:松山巖
- 問題点を洗い出し、そこでどのような「居職の家があり得るかを提案してもらう。
松山巖/まつやま・いわお
1945年東京都生まれ
1970年東京藝術大学美術学部建築科卒業
1984年『乱歩と東京』で日本推理作家協会賞受賞
1993年『うわさの遠近法』でサントリー学芸賞受賞
1996年『闇の中の石』で伊藤整文学賞受賞
1997年『群集』で読売文学賞受賞
- ■審査委員:西村達志
- 「居職の家」を前提に社会への広がりを考えてほしい。
西村達志/にしむら・たつし
1949年宮崎県生まれ
1972年京都大学工学部建築学科卒業
1972年大和ハウス工業入社
現在、大和ハウス工業代表取締役専務執行役員