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平成18年5月11日

 

報道関係各位


戸建住宅、集合住宅(低層賃貸住宅)の新築現場について

ゼロエミッションを達成しました

 大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:村上健治)は、2006年3月に、当初計画どおり全国の住宅新築現場※1にて発生する廃棄物のゼロエミッション※2を達成しました。これは2003年1月の全国13工場におけるゼロエミッション達成に次ぐものであり、これにより、住宅部材の生産から新築工事、引渡しに至る一連の事業活動においてゼロエミッションを実現することができました。

 

1.大和ハウス工業の「住宅新築現場ゼロエミッション」の特徴

 当社のゼロエミッションの特徴は、各地の新築現場で発生した廃棄物を自社工場に集約し、選別や圧縮などの処理を行い、自社工場のリサイクルルートに乗せる「工場デポ」という独自のリサイクルシステムを構築したことにあります。
 従来、住宅の新築現場で発生する廃棄物は多品種少量であるため、リサイクルが進んでおりませんでしたが、このリサイクルシステムの構築により、全国の新築現場のゼロエミッションを安定的かつ確実に実現できる体制が整いました。

 

2.工場デポの概要

 このリサイクルシステムは、新築現場で発生した廃棄物を10~21種類に分別し、これを更に自社工場で選別、圧縮などの処理を行った後、自社工場のリサイクルルートに乗せることで、全ての廃棄物を効率的にリサイクルするというものです。
 新築現場から自社工場への廃棄物の収集運搬は、部材納入の帰り便を有効に活用し、物流段階における二酸化炭素排出量を削減しています。なお、自社工場への収集運搬は、大和ハウスグループの物流会社である大和物流株式会社(本社:大阪市、社長:舘野克好)が、全国104行政の産業廃棄物収集運搬業許可を取得の上、行っています。

工場デポの処理フロー

 

3. 主なリサイクル処理の内容

廃棄物の種類 リサイクル処理の内容
石膏ボード 石膏ボード原料
ダンボール 古紙原料
屋根材(瓦) スレート材原料、路盤材、塗り壁原料、培養土
木くず パーチクルボード原料
廃プラスチック 樹脂ペレット原料、RPF原料、セメント原料
紙くず RDF原料、ボイラー熱源
金属くず 再生金属原料

 

4.工場デポ実施に伴う効果 

 工場デポの実施に伴い、自社工場において、各新築現場で発生した廃棄物の種類や量、発生要因など詳細な分析が可能になり、廃棄物削減活動の推進を図ることができました。
 当社の住宅一棟あたりの廃棄物発生量は約1~1.5トンですが、このうち石膏ボード端材、ダンボール、屋根材(瓦)端材の3品目で全体の約70%を占めています(参考資料 グラフ1参照)。
 当社では、これらの廃棄物の発生量を削減するため、瓦や石膏ボードのプレカット化や梱包レス化を推進しています。特に瓦については、プレカット実施により、モデル現場において一棟あたり613kg発生していた端材発生量を1.5kgに削減(削減率99.8%)した実績があります。

瓦プレカット

 

5.今後の展開について

 今後は、引き続き新築現場のゼロエミッションを維持しながら、廃棄物削減に向けて、施工方法や部材仕様の見直し、プレカット化及び梱包レス化を、より一層推進していきます。
 また、新築現場における分別レベル及び自社工場における廃棄物処理能力の更なる向上を図るとともに、リサイクルルートの見直しを行うことにより、「工場デポ」をより効率的で質の高いリサイクルシステムに改善していきます。

 

※1 対象は全国91支店(沖縄支店を除く)の戸建住宅および集合住宅(低層賃貸住宅)の新築現場
※2 当社の新築現場のゼロエミッションの定義は、「新築現場で発生する全ての廃棄物について、埋立処分や単純焼却(熱回収無し)を行わないこと」

 

以上


 

◆参考資料

【グラフ1】一棟あたりの廃棄物発生量内訳
一棟あたりの廃棄物発生量内訳

【写真1】新築現場の廃棄物分別状況
新築現場の廃棄物分別状況 新築現場の廃棄物分別状況 ・新築現場で発生した廃棄物は10~21種類に分別し、重量計量をした後、敷地内に設置した専用の保管ステーションで保管します。

【写真2】収集運搬車両
収集運搬車両 ・新築現場から自社工場への収集運搬は、全国104の自治体の産業廃棄物収集運搬業許可を有する大和物流株式会社が実施しています。
・部材出荷の帰り便を利用して廃棄物を回収することで、二酸化炭素排出量削減にも寄与しています。
・環境対応車輌として、164台(うちアイドリングストップ車132台、ハイブリッド車2台)を保有し、運用しています。

【写真3】自社工場の選別ヤード
自社工場の選別ヤード ・自社工場では、現場から回収された廃棄物を再度選別し、品目毎にリサイクル業者に処理を委託しています。木くずや廃石膏ボードなどは、パーチクルボードや石膏ボードなどにリサイクルされ、再度新築現場や自社工場に納入されています。

【写真4】自社工場での処理
自社工場での処理 自社工場での処理 ・廃プラスチックなどは、自社工場内で圧縮等の処理を行い、プラスチック原料(有価物)として売却しています。

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