大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

CEOメッセージ

CEOメッセージ

創業者精神のもと歩んできた70年

大和ハウスグループは、2025年4月5日に創業70周年を迎えました。ここまでの歩みは、協力会社や取引先・サプライヤーの皆さま、諸先輩方をはじめとした当社グループの従業員のおかげです。人に恵まれなければ、ここまでの成長は実現できなかったことでしょう。私たちを信頼し、ご支援、ご協力をいただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。
ここまでの歩みは、創業者をはじめとする歴代経営者の時代に応じたスピード感のある大きな決断の繰り返しでしたが、当社グループが今なお成長し続けているのは、「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という創業者精神のもと事業を推進しているからだと思います。私たちは常にこの原点に立ち返り、社会のニーズに応えるために挑戦し、新しい商品・サービスを提供してきました。そこには、時代の先の先を読み、経営を推進してきた先人たちの想いが息づいています。それらを積み重ねてきたことで、今では600社を超えるグループ会社を有し、グループ内で一気通貫のまちづくりができるようになりました。それを可能にしているのは、さまざまなステークホルダーの方々との強固な信頼関係があってこそです。全国各地で“まち”を創りながら、地域に根差した事業展開により、その地域の賑わいや文化の発展に貢献し続けてきたことは、間違いなく当社グループの魅力につながっているのではないかと思います。
個人のお客さまや各企業さまとの関係を築いてきたその中心には、私たちが大切にしてきた「住宅の心」があります。当社グループが展開するすべての事業において、建物・商品をお渡ししたら終わりではなく、その後もお客さまやご入居者さま、利用者さまに寄り添い、お困りごとがあればお応えする姿勢を貫いてきました。
また、創業者はマンネリ化を許しませんでした。「停滞は後退だ」というその言葉は、私たちの心に深く刻まれており、売上高5兆円を突破した今でも、ベンチャー精神が息づいていることも成長を続ける理由の1つであると思っております。
一方、2022年12月に、創業者が育ててきたリゾートホテル事業の譲渡を決断しました。ホテルで働く方々や地域社会のため、我々がベストオーナーであるか、という観点から苦渋の決断に至りましたが、事業ポートフォリオの最適化に対して本気で取り組んでいることを、投資家や株主の皆さまにはお示しすることができたのではないかと考えています。

当社グループの強みである幅広い事業領域を活かし、地域密着型で事業を展開

今回、社長交代のタイミングで、私が海外事業を管掌することとなりました。海外事業の売上高は、2010年度は10億円程度でしたが、現在は1兆円を見通せるまでに成長しています。海外事業をさらに成長させるためにできることは、まだまだあります。創業理念である建築の工業化を軸に、これまで国内で培ってきた技術やノウハウを活かして、海外での事業領域を広げていきます。
米国事業においては、2017年にグループ入りしたStanley Martin社をはじめ、Trumark社、CastleRock社という戸建住宅を提供している3社が、安定的な市場成長が見込める東部・南部・西部を結ぶスマイルゾーンを中心に事業拡大を進めています。米国戸建住宅事業の売上高は、2018年度の847億円から、2024年度は6,000億円を超えるほどに成長しました。3社がお互い切磋琢磨しながら順調に事業拡大していることから、私たちの方向性は間違っていなかったと確信しています。
米国3社の経営陣には日本の自社工場や分譲地を見学してもらい、そのなかで良いと思ったアイデアを現地で採用してもらっています。加えて、3社のトップとは半年に1回程度、今後の経営に向けた議論を行っています。2024年11月には、米国の大手マルチファミリー(賃貸住宅)デベロッパーであるAlliance Residential社をグループに迎えました。今後は、複合開発での協業や戸建住宅事業3社のマルチファミリー事業への進出も見据えています。
欧州は人口増加の継続に伴い慢性的に住宅が不足しているエリアが多いため、今後事業拡大を見込んでいますが、戦略の進捗は想定より遅れているため強化する必要があると考えています。Daiwa House Modular Europe社は現在オランダ、ドイツを中心にモジュラー建築で事業を推進していますが、いずれは国や地域によって異なる法律や習慣に合わせた体制を整えつつ、欧州全域さらには近隣諸国での事業拡大も加速させていきたいと考えています。
そのほか中国マンション事業においては、日本で培った品質とサービスを提供し、好評をいただいています。ASEANについては、インドネシア、マレーシア、ベトナムを中心に冷凍冷蔵設備を備えた物流施設等を開発し、食の安全性に資するとともに、安定的な物流網の構築に向けて強化を図っています。次の注力エリアとして、アフリカも視野に入れていますが、いずれの地域においても、当社グループの強みである幅広い事業領域を活かし、地域密着型での事業展開を考えています。
なお、海外事業の課題である人財確保に関しては、社内人財の育成と外部人財の登用の両面で考えています。今後経営の中心を担う、あるいは海外に携わる従業員には、積極的に英語を学んでほしいと思っています。

売上高10兆円の実現に向けて次代を担う人財を育成

代表取締役社長/CEO 芳井 敬一

創業100周年に売上高10兆円を実現するためには、役員には最低でも3年先を見据えて経営に参画するよう指導しています。企業が存続し続けるために、将来的に新たな柱となる事業は何か、その時に中心となる従業員は誰かを考え続ける必要があるからです。目標を実現するメンバーは徐々に育ってきています。多様な職種を経験させ、横のつながりも深くなっており、今後の活躍が期待されます。
私は以前から従業員に対して我が子のように接し、従業員の成長を見続けてきました。近年では、全国の支店長が集まる会議などにおいて、私と同様に従業員の成長を喜びながら話をする支店長が増えてきたことを大変嬉しく感じています。全員の顔と名前を覚えるのはさすがに難しいですが、従業員からの質問には真摯に向き合い答えていくことで、育成の機会を作っていくことが大切だと考えています。
社是に「事業を通じて人を育てること」「企業の前進は先ず従業員の生活環境の確立に直結すること」とあるように、何よりも人財育成を重んじてきたことが当社の最大の強みです。まずやらせてみる、やらせてできなかったらヒントを与えてみる、最後は一緒にやってみる。一人ひとりの可能性を見極めることが大切です。学歴や前職などの過去にとらわれず、一人一人の特性を活かし、未来の大和ハウスグループを担う人財を育てていきたいと思っています。

今年の一文字「心」に込めた想い

年初に掲げる一文字を、今年は「心」としました。従業員に「心」と「笑顔」を持っていてほしいという想いを込めています。社内外の方々と会話する時、想いをきちんと伝えるためには、言葉に「真心」が込められているか、相手に伝わっているかを考えてほしいと思います。上に「士」を作ると「心」は「志」になる。「愛」という字には真ん中に「心」がありますが、社内では上司や後輩と愛のある接し方をしたいと思いますし、何よりも、お客さまに満面の笑みを届けたい。自らが率先して、「大和ハウスグループは、いつも心を込めておそばにいます」と伝えていきたいと思います。

株主・投資家の皆さまへ

株価について申し上げると、今年の5月に上場来高値を更新しました。日頃からのご支援に感謝申し上げます。しかしながら、私は現在の株価水準について決して満足していません。私は創業100周年に売上高10兆円の企業グループを見据えていますので、株主・投資家の皆さまにおかれましては、目の前の数字だけでなく、これからの成長投資についてもご理解いただきたいと思っています。目標達成に向かって歩み続ける大和ハウスグループを信じて見守っていただきますよう、引き続きよろしくお願い申し上げます。

CEO × COO 対談
創業100周年とその先の未来に向けて経営体制を新たに経営判断のスピードアップを図る

CEO × COO 対談

経営体制の変更にあたって

芳井:
売上高5兆円を超える企業となっても、私たちは創業70年のベンチャー企業だと思っています。そうした会社において社長の在任が長く続くことは、必ずしも良いとは限らないだろうと考えていました。
また、私自身、各種業界団体の代表を務めるなど、社外における責務の比重も大きくなってきているなかで、経営判断のスピードアップを図るために、社長としての役割を大友さんに担ってもらい、私と大友さんで海外事業と国内事業をそれぞれ担当することにしました。自らの領域に注力すると同時に、トップ2人が考える方向性を同じくして意見を交わしながら二人三脚で進めていきます。
なお、このタイミングでの社長交代になった理由は、第7次中期経営計画を前倒しで終わらせる見込みになったためです。次期中計の検討については新社長の体制のもとで進めることがベストと考えていました。

新社長への期待、そして挑戦

芳井:
大友社長は長年、住宅事業本部のトップを務め、数々の課題にも対応してきました。その姿をずっと見てきて、非常に実直な人物だと感じています。従業員を育てる気持ちがなければ事業を育むことは難しいということをよく理解し、周りにもそう接しています。私たちが立ち返る創業の精神とは、事業を通じて人を育て、事業で得た利益を従業員に返すことです。従業員を育てることなく事業をしてはいけないという思いは、私も同じです。大友社長には、これまでの経験を活かして、国内事業においても自分のやりたいことを貫いてほしいと思います。

大友:
私のミッションは、国内事業を更に成長させることだと捉えています。既存事業に加えて、経営戦略本部長を務めていた時に種を蒔いたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドやFuture100を通じた新規事業への挑戦、Future with Woodなど建築の木質化にも積極的に取り組んでいきます。そのためには、現場をもう一度回って従業員に光を当てたいと考えています。それは、現場の従業員との会話によって浮かび上がる課題について自分も一緒に考え、当社グループの全国展開の強化に向けた知恵を生み出していきたいと思っているからです。知恵とは、悩み苦しんで初めて生まれてくるもの。本を読んで知識を得るだけでなく、そのうえで考えを尽くしてようやく獲得できるものだと考えています。従業員やお客さま、サプライヤー、さまざまなステークホルダーとの関係性においてどこに課題があるかを追求し、その課題に対峙するなかで事業をどう成長させていくか。目標と言えば数字で表してしまいがちですが、数字だけではなく地域や社会への貢献をもう一度初めから考えていきたい。自分の強みである現場に立ち返りたいと思っています。

第7次中期経営計画から第8次中期経営計画に向けて、全社で取り組む

芳井:
第7次中期経営計画は、概ね順調に進んでいます。最終年度の目標である売上高5兆5,000億円、営業利益5,000億円が届く範囲に入ってきました。従業員が頑張ってくれたことの成果にほかなりません。すべての従業員に大きな拍手を送りたいです。特に海外事業は、コロナ禍などさまざまな困難があったなかで、よく業績を伸ばしてくれたと思います。米国事業においては戸建住宅の土地の仕入れと拡大戦略が機能しており、7次中計最終年度の業績目標の達成を見込んでいます。国内においても新たな取り組みや、新たなアセットへの挑戦などが順調に進み、賃貸住宅、商業施設、事業施設を中心に、堅実に成長している状況です。

大友:
7次中計については、経営戦略本部長として、当初より計画の進捗状況をモニタリングして、海外やグループ会社を含めて成長の度合いを見てきました。2024年頃から、前倒し達成が見えてきたため、8次中計の概略は既に頭のなかで組み立てていました。今は、社長という立場で再度現状の検証をして、7次中計の振り返りをしたうえで、10年後の2035年を見据えて8次中計を検討していきたいと考えています。8次中計は当社グループにとって非常に重要な位置付けとなるでしょう。今年一年をかけてしっかりと練り上げていきます。

芳井:
8次中計については、議論を進めている段階ですが、データセンター事業は、4月の組織再編で新たに設けたデータセンター事業本部準備室を中心に成長させていきたいと考えています。海外事業では、米国で戸建住宅事業を展開する3社がそれぞれ大和ハウス工業のように積極的に事業領域を広げる動きをしていくことを期待していますし、欧州の事業拡大も期待していただきたいです。
またグループ会社の更なる成長に向けては、給与体系の見直しも課題の1つと考えています。売上高の半分以上はグループの従業員の頑張りによる数字ですから、グループ全体の従業員もきちんと評価すべきと考えています。グループの結束を高めるためにも全体を俯瞰して評価をし、彼らの生活を変えていかなければなりません。

大友:
大和ハウス工業の従業員は約16,000人、グループ全体で約50,000人。つまりグループ全体では単体の倍以上の従業員がいるということです。だからこそ、真剣に考えていく必要がありますね。

7事業本部から2大本部への再編により、「稼ぐ力」を強化する

芳井:
「稼ぐ力」を強化し、国内外で成長戦略を描いていくために、4月1日から7事業本部制から2大本部制に移行しました。戸建住宅や賃貸住宅などの部門を統合したハウジング・ソリューション本部と、商業施設や物流施設などを統括するビジネス・ソリューション本部を新設して、傘下に事業本部を置きました。これは、各事業本部の機能集約・合理化を図りながら、横軸の連携強化を実現するものです。2つの事業本部にまとめて横軸をつくることで、顧客情報を共有し、事業本部を超えてお客さまとの接点を設けることで、たとえトップが変わっても機能する状態にしたい。組織再編により、今後はよりダイナミックに動ける体制へと進化していくと考えています。

大友:
成長を実現している他社はどのように改革したのかについても勉強し、当社グループに合わせて組織を再編しました。 今回の最大のポイントは、二大本部長に一定の権限を移譲したことで意思決定や実行のスピードを上げられる点です。 また、従業員が現場と向き合う時間をいかに増やすかが課題と捉えています。少子高齢化が進み、将来的に従業員がこれまでのように事業機会を獲得できなくなるリスクを鑑み、業績が好調な今、現場に人財を多く配置できるようにし、またリスキリングを進めることで社員の能力を向上させるなど、時代の変化に合わせた体制を今後も整備していきます。

創業100周年、そしてその先の未来に向けて臆せず挑戦する

代表取締役社長/CEO 芳井 敬一 / 代表取締役社長/COO 大友 浩嗣

大友:
創業者が掲げた2055年の100周年に売上高10兆円という目標は、夢物語のようでしたが、5兆円を超えて現実味を帯びてきました。しかし現状のままでは、実現は難しいと思っています。社会の変化は非常に速く、我々の予測を超えています。“先の先”を読み、そこに生まれるビジネスチャンスを的確にとらえていくことで、その先に未来が見えてきます。また、目標実現に向けて海外事業の成長は欠かせません。国内で新規事業の種を育て、それを海外に移植していくことも考えています。
大和ハウスグループはそれぞれの時代や事業環境にあわせて組織体系を変化させながら成長してきました。それぞれの事業が影響し合い、シナジーを生むことで変化を起こす土壌を残しつつ、そこから生まれたものが新たな種になり、柱になっていくという企業体に育つことを期待しています。多様な事業によるシナジーは、チャンスを掴むためにも必要です。今回の組織再編で、グループ会社も含めたバリューチェーンの拡大を実現できると思います。大きく変革していくためには、今後2~3年が勝負でしょう。世界に目を向ければ、開拓する場所はまだまだあります。

芳井:
今後、売上高10兆円を達成していくにあたっては、「技術力」もカギになります。今や、当社グループは数百億円規模のデータセンター、半導体関連工場を建設できる技術力があります。今後の成長に向けては技術力においてもトップを取ることが重要と考えています。デベロッパーに建設会社の機能が加われば、営業力に加えて難易度の高いニーズに応える技術力が備わります。そうすれば、扱うものも自ずと変わり、ビジネスチャンスも変わってくるはずです。大友さんの構想を裏打ちするものは技術力になります。技術的な裏打ちがあれば営業も案件を取りに行くことができます。さらにはそれに挑戦する従業員も増え、それが成功すれば国内にとどまらず海外に挑戦する従業員も出てくるかもしれません。未来の大和ハウスグループを担う人財には、臆せず挑戦することを期待したいですね。

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