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連載:5分でわかる!サステナブルニュース 第2のクールビズになるか?2024年の注目ワード「デコ活」って?

連載:5分でわかる!サステナブルニュース

第2のクールビズになるか?2024年の注目ワード「デコ活」って?

昨今、カーボンニュートラル、脱プラスチックなど、サステナブルに関するワードを耳にする機会が増えました。ニュースなどで目にして「なんとなく知ったような気持ち」になっているけれど、実はあまりよく知らない…ということ、意外と多いのではないでしょうか。

そこで、本連載では実は知られていないサステナブルに関するニュースやテーマについて、わかりやすく解説していきます。

家庭のCO2を"66%"も減らさないといけない

第一弾となる今回のテーマは「デコ活」です。「デコ活」と聞いて、「?」が浮かんだ方のほうが多いかもしれません。それもそのはず、デコ活は2023年7月に環境省によって発表された、比較的新しい言葉なのです。

環境省によれば、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称。デコ活の"デコ"とは「二酸化炭素(CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)」からなる造語です。

つまり「日々の暮らしにおけるさまざまな取り組みで、二酸化炭素を減らそう」ということです。

ご存知の通り、現在、世界的にCO2の削減が積極的に進められています。日本は世界で約3.2%排出している第5位の「CO2排出大国」。政府は2030年までに46%のCO2削減(2013年比)を打ち出し、2050年には温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指しています。

その中で、私たちの生活に関わりのある"家庭部門"では、2013年比で2030年までに66%もの排出量削減が必要とされています。

2030年度46%削減目標の実現に向けた、各部門の内訳

ただ、「日常生活でカーボンニュートラルを目指そう!」と、家庭での削減を提案したところで、自発的なCO2削減はなかなか難しいのが現実。そこで政府は「デコ活」普及のため、高断熱な省エネ住宅やEV促進の助成・補助金などに2940億円もの予算(令和5年度補正予算及び令和6年度当初予算案)を確保しました。

大きな予算を割いて政府が打ち出そうとしているデコ活。ここからは、本当に浸透するのか、目的はどんなところにあるのか? など、ニッセイ基礎研究所の小原一隆さんに聞いていきます。

小原一隆さん

デコ活浸透のカギは「無理なく」と「お得感」

まずは「デコ活」の特徴を教えてください。

小原 私たちの生活の中で脱炭素に向けた行動の後押しをしたいという観点から、具体的にとりうる選択肢に加えて"数値"を掲載している点でしょうか。環境省のデコ活のウェブサイトには「毎日のテレワークでガソリン代が年間約6万1300円お得。通勤時間を年間約275時間削減し、団らんや趣味の時間に」、「住宅の断熱化で光熱費が年間約9万4000円お得。寒暖差が少なく快適で健康にも貢献」など、「新しいライフスタイルのお得感と健康増進等の利点」を明示しています。

脱炭素につながる豊かな暮らし

実はこれまでもデコ活に似た取り組みとして、直近では2015年にスタートした「COOL CHOICE(以下、クールチョイス)」という取り組みがありました。「クールチョイス」では一部領域での金銭的メリットの提示はありましたが、全体的に「賢い選択をしてゼロカーボンアクションに取り組みましょう」というメッセージの提示にとどまっていました。

デコ活では、非常に多岐にわたる場面での金銭的なメリット等を提示しています。日常的にできる範囲(銅)から、住宅の建て替えや車の買い替えなど、機会があれば利用を推奨する(金・銀)など、導入の頻度は異なりますが、ここまではっきりとメリットを打ち出せば「ちょっとやってみよう」という気になる人はいるかもしれません。

政府主導の運動で一般的になったものといえば、「クールビズ」を思い出します。デコ活はクールビズのように根づくのでしょうか?

小原 浸透のカギは"無理なく、当たり前に続けられるかどうか"でしょう。「クールビズ」は、極端に言うとネクタイを取り、ジャケットを脱ぐだけで実現できます。ほぼ負担なく気軽に取り組めました。

ですが「プレミアムフライデー」は根づきませんでした。月末の金曜日、15時に一斉に退社するのはなかなか難しいですし、同じ社内でも部署や職種によって、仕事が終わる時間も異なりますから、不公平感も出たでしょう。デコ活も無理なく続けられることが根づく秘訣かもしれません。

先進国こそ、CO2削減に取り組む理由

日本はCO2排出国世界第5位の「CO2排出大国」です。でも数値で見ると全体の約3.2%。日本だけ頑張ってもあまり意味がないのでは…。

小原 確かにおっしゃる通り、中国とアメリカだけで世界の約45%のCO2を排出しています。ですが、忘れてはいけないのは、産業革命以降、CO2の排出とともに経済発展してきたのが今の先進国であるということです。環境に負荷をかけることで成長してきた先進国は、より重い責任を負っているのではないでしょうか。

国別のCO2排出量割合

国連によれば、2023年6月時点で世界で149カ国がネットゼロの目標を設定しています。日本よりも排出量がはるかに小さな国々も、ネットゼロを表明していますので、日本が頑張ることは非常に重要です。

また、カーボンニュートラルを目指すことで日本の新たな成長につながることも考えられますから、前向きに取り組むべきでしょう。

具体的にどのような成長戦略があるのでしょうか?

小原 かつては、企業が社会的責任を果たすことと利潤追求は同時に成立しないものと考えられてきましたが、必ずしもそうではありません。政府は、2050年カーボンニュートラルに向けた基本的考え方として、地球温暖化対策は経済成長の制約ではなく、経済社会を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出すカギである、としています。

身近なところでは、エコ家電や省エネ住宅、エコカーというマーケットが創出されて久しいです。デコ活で紹介されている補助金制度の活用を通じ、該当する製品の人気が高まり、消費が増えれば経済にはプラスとなりますし、国際的な競争力もついていくことも期待されます。

日本ではまだ欧米等と比べて経済規模は小さいですが、世界的にESG投資(環境:Environment・社会:Social・ガバナンス:Governanceの頭文字。非財務情報であるESGの要素を考慮する投資を指す)に注目が集まっています。環境に配慮することと利潤追求は背反するものではなく、共存するという考え方が主流になってきているのです。

政府はGX(グリーントランスフォーメーション/化石エネルギーを中心とした現在の産業構造・社会構造を、クリーンエネルギー中心へ転換する取り組みのこと)の投資額を、官民合わせて今後10年間で150兆円超と打ち出しています。

デコ活の影響度は正直未知数ですが、あの手この手で、カーボンニュートラルの実現を目指すはずです。今後も間違いなくカーボンニュートラルは注目の領域になりそうです。

大和ハウス工業は「デコ活応援団」の参画企業のうちの一社です。当社は豊かな暮らしを支える製品・サービスで「デコ活」を後押しすべく、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を進めています。

ZEHとは建物の断熱性能を高めることと、省エネ設備などの導入によって消費するエネルギーを少なくすることで「省エネ」を実現するとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創り出す「創エネ」によって、エネルギー収支が正味ゼロまたはマイナスとなることを目指した住宅です。

ZEH住宅の作り方

断熱性が高いので、温熱快適性(冬は暖かく夏は涼しい)が高く快適な生活が創出できるとともに、光熱費の節約にもつながります。心身や暮らし、家計にも優しい大和ハウス工業のZEHの取り組みについて、ぜひご一読ください。

大和ハウス工業のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)についてはこちら

デコ活 くらしの中のエコろがけ

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デコ活では断熱住宅の取り組みの一つとして断熱リフォームも推奨しています。「デコ活応援団」の参画企業である大和ハウスは、大和ハウスリフォームと連携し断熱リフォームに取り組んでいます。

例えば、建物全体の断熱リフォームによって室内の温度を均一に保つことができ、ヒートショックの低減につながります。また、開口部である窓の断熱リフォームでは従来の窓の室内側に新たな高性能な窓を設置する(内窓)の方式が注目されています。窓部分のリフォームだけでも空間内の温熱快適性の向上、冷暖房費やCO2排出量の削減につながります。また、短期間で実施できることや、国の補助金も活用できるメリットもあります。

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