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コラム vol.239-2
  • 賃貸住宅経営のポイント

特集:旧耐震賃貸住宅物件のこれから第2回 旧耐震賃貸住宅、迫られる選択と建て替えメリット

公開日:2018/05/31

POINT!

・旧耐震賃貸住宅の対応は、主に3つある
(建て替える、耐震補強工事を行う、取り壊す)

・建て替え費用、入居者の一時退去費用も十分に考慮する

民間の賃貸住宅が増え始めて50年以上経過しました。
日本は1960年代に農村から都市への人口流入が進み、都市部での住宅需要が大きく増えました。国や各都道府県、市区町村では住宅供給を行う公社を設立し、分譲住宅の供給だけでなく、賃貸住宅の提供を進めました。同時に、民間による賃貸住宅の建設も進みました。一戸建て住宅の部屋を貸す「間借り」、あるいは長屋のような建物のイメージの「貸家」はそれまでもありました。1970年代に入り、プレハブ住宅の進化とともに遊休地に賃貸住宅を建てて貸す「民営賃貸住宅」が増えました。このころの賃貸住宅が、今建て替え期を迎えています。

1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災等の大規模災害が起こり、住宅の耐震化についての議論が盛んに行われるようになりました。居住用の一戸建て、特に木造住宅において、そのリスクの高さが指摘され、行政が補助金を出すなどして、耐震化を促しています。そして、その流れは少し前から共同住宅タイプの賃貸住宅にまで及んでいます。

迫られる選択

旧耐震基準下で建てられた賃貸住宅を所有されているオーナー、特に築40年を超える物件を所有する方は、近年、「旧耐震賃貸住宅をどうするか?」の選択を求められています。
今すぐというわけではありませんが、近いうちに起こるといわれている首都直下型地震、あるいは南海トラフ巨大地震が「いつ来てもおかしくない」という報道があるほどですから、できるだけ早めの対応をしたほうがいいのかもしれません。

旧耐震賃貸住宅の対応は、主に以下の3つが考えられます。

  1. 1)建て替える
  2. 2)耐震補強工事を行う
  3. 3)取り壊す

今回はこのうち、1)の建て替えるについて深堀りしてみましょう。

旧耐震賃貸住宅を建て替えるメリット

賃貸住宅の残債もなく(あるいは少なく)、またこれからも賃貸住宅需要が旺盛だと思われるエリアの旧耐震賃貸住宅は、一般的には建て替えるのが最もよいといわれています(オーナー様の置かれている環境にもよるため、一概にはいえませんので注意してください)。
建て替えには相応の費用の投資が必要ですが、金融機関からの融資がスムーズに受けられ、また今後も賃貸住宅経営からの収益が上がり、さらには税制でのメリット等が享受できます。

建て替えの費用

賃貸住宅経営では、借り入れにリスクがつきものですが、それを超えるようなメリットがあると判断できれば、建て替えるのがいいと思います。
しかし、いうまでもありませんが、賃貸住宅経営を始めた40~50年くらい前に比べて、建設費はかなり高くなっています。建て替えて、賃貸住宅が新築になると、一般的に賃料は高くなりますが、収益シミュレーションをきちんと立てて、最終的な判断を行ってください。

入居者の一時退去

建て替えの際に注意しなければならないことは、現在のご入居者の一時退去の問題です。建て替えの際には、現在のご入居者には退去してもらわないといけませんが、借地借家法の関係で、これは一方的には行えません。建て替えを決断し、その後順次更新の際に定期借家契約に切り替えて、すべての方の退去が終わって初めて取り壊し、新たに建設という流れになります。専門家である弁護士等と相談をしたうえでの、適切な対応が求められます。
一般的に定期借家契約は、普通借家契約に比べて、家賃は低くなりますので、収益シミュレーションが少し悪化することも忘れないでください。

次回は、

  1. 2)耐震補強工事を行う
  2. 3)取り壊す

について解説したいと思います。

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