急激に変化している今の時代の中で、
様々な家族がそれぞれのカタチで
誕生し、生活し、生きている。
そのひとつひとつの家族が、
日常の中で、少しだけ“あたらしくなる”瞬間を描いていく。
#1
とある大学で…教授が講義をしている。
熱心に聞いている生徒たち。
講義をしている教授の横に、なぜか小学生の男の子が椅子に座っている…
その大学教授の妻は子どもを産んだ後、ほどなくして他界してしまった。
教授は生まれた男の子を1人で育てている。
教授は息子を1人の人間として尊重している。
それゆえ、物心がついてからは、息子のことを呼ぶときには必ず、
「たくみさん」と、”さん付け”で呼んでいる。
息子も父親のことを「ともみさん」と呼んでいる。
#2
舞台稽古をしている役者たち。
舞台役者同士の若い夫婦は、日々の公演の稽古や準備、
そして生活を続けるためのバイトをしながら暮らしている。
苦しいからこそ、互いに助け合うため、
そしてなにより離れたくないから一緒になったふたり。
でもすべてが思い通りとはいかず、逆に心の距離を感じてしまう。
お互いを思い合うがゆえに、葛藤するふたり・・・
そんなふたりが考える「かぞく」になる意味とは!?
#3
再婚した夫婦にはそれぞれに息子がいる。
ある春の日、
4人で暮らすためにリフォームした妻の家に、夫とその息子がやってくる。
親の事情で「兄と弟」となった2人の子どもたち。
家が賑やかになることに少し浮かれる弟と、
簡単にはかぞくとの距離をつめられず葛藤する兄。
日々の暮らしの中で、同じ時間を共にする兄と弟。
ふたりの距離が少しずつ近づいていく・・・
それをあせらず静かに見守る妻と夫。
そのかけがえのない時間から生まれていく新しいカタチの「兄弟」、
そして新しい「かぞく」とは?
#4
音楽大学で出会い、一緒に暮らし始め、
お互い社会人となったふたり。
ある朝、物憂げな表情を浮かべる音と、いつもの朝を慌ただしく迎える青。
青のかける言葉に「ちょっと息苦しい」と呟く音。
同じ未来を見ていたはずのふたりは、一緒の場所にいることで、
お互いを気遣いすぎるふたりになっていた。
「このトンネルを抜けるとすごろくのように振り出しに戻ればいいのに…」
と、全速力で走りだす青と音。
土砂降りのなか、ふたりが想う未来とは…?
#5
机に向かい、悩みながらペンをとり、母との物語を書き始める外国人の男。
古いアルバムを取り出し、落ちる数枚の写真。
男が懐かしく見つめる写真には幼い自分と、10歳から会うことのなくなった母。
ふと顔をあげると、そこは森の中であった。
5年前に仕事で日本を訪れた男は、名前と場所だけをたよりに、街や人をめぐり、母をさがす。
そのなかで、男が感じた母の存在とは?
#6
出かけようとする長男に声をかけるが、言葉に詰まってしまう父。
その様子を見て、なんともやりきれない表情の妹。
父、ヤンさんは2人の子を持つ日本人女性と結婚した。
妹とは、友達のように気軽に話せるのだが、兄との距離はどうしても縮まらない。
なんとかその距離を埋めようと明るくおどける妹。
兄と、不器用な父の関係はどうなるのか?
2人の間にあるものとは?そして、それを飛び越えるための“コトバ”とは…?
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