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コラム No.122-5

CREコラム

注目集めるWELL認証(5)グリーンビルディングとWELL認証

公開日:2022/02/10

WELL認証は職場の快適さと働く人の健康を重視してオフィス空間性能を評価しますが、LEEDは地球環境や生活の質向上に寄与する建築活動であるグリーンビルディングを評価します。
持続可能性と地球環境の保護・改善などSDGsやESGが重視される現代、WELL認証とグリー ンビルディングの関係について考えてみます。

グリーンビルディングの認証制度「LEED」

グリーンビルディング(Green Building)は直訳すれば「緑の建築」になります。建造物や周囲の敷地などが将来にわたって持続可能な環境と生活の質的向上に寄与するのかを立地選定などの段階から設計、建設、保守・改修・解体まで一連のサイクルを通して取り組む建築活動を意味します。
グリーンビルディングに関する認証制度が「LEED」(Leadership in Energy and Environmental Design)」です。これも直訳すると「エネルギーと環境デザインの統率力」になりますが、省エネと環境に配慮した建物・敷地利用についての環境性能評価システムを指します。
認証制度を運営しているのはNPOの「USGBC」( 米国グリーンビルディング協会=U.S. GreenBuilding Council)で、1998年に活動を開始したといわれています。
グリーンビルディングの認証制度は世界各国にあり、LEEDが最大規模(Green Building Japan ウェブサイトによる)。国内における「LEED認証」は、2013年に設立された一般 社団法人の「グリーンビルディングジャパン」(GBJ=Green Building Japan)が運営しています。
また日本では2001年に国土交通省の主導のもと、(一財)建築環境・省エネルギー機構内に設置された「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム=Comprehensive Assessment System for Built Environment Effi ciency)があります。

LEEDはプロジェクト別に認証システムがあり、「BD+C」(Building Design and Construction=建築設計および建設)、「ID+C」(Interior Design and Construction=インテリア設計および建設)など、「LEED for Cities and Communities」を含めて、6つのプロジェクトに分かれています。

BD+C Building Design and Construction 建築設計および建設
ID+C Interior Design and Construction インテリア設計および建設
O+M Building Operations and Maintenance 既存ビルの運用とメンテナンス
ND Neighborhood Development 近隣開発
HOMES Homes ホーム
Cities and Communities シティー&コミュニティ

評価項目はプロジェクト別に設定されていて、「BD+C」は新築または大規模改修を行う建物全体について評価し、「水の利用」「エネルギーと大気」「室内環境」などが評価対象になります。
そして認証取得にはビルのオーナーから設計者や施工者、LEEDのコンサルタントなど多くの分 野の専門家が参加することになります。LEED 認証を受けたい企業はオンラインでの 登録後に始まる審査を受け、USGBCとの数回のやり取りを経て認証交付となります。獲得した 評点に応じてサーティファイド(標準認証)からシルバー、ゴールド、プラチナと4 段階の評価のいずれかを取得します。
国内でLEED認証を取得した建築物は年々増加しており、GBJの調査によれば2020 年の累 計件数は149件となっています。東京・大阪の大都市から流山市(千葉県)、三郷市(埼玉 県)、札幌市、福岡市など全国各地に広がっており、テナントビルから企業の本社ビル、総合 スーパー、物流拠点、再開発地域など多様な建造物でLEED 認証が取得されています。

図1:国内のLEED認証件数の推移(2020年7月現在)

「Green Building Japan」ウェブサイト「LEEDとは」

親和性が高い2つの認証

グリーンビルディング(あるいはLEED)は、建築プロセスや完成した建築物が省エネルギーやCO2排出削減といった気候変動対策や資源の効率的な利用、生態系の保護などにどう対応したのかを重視し、評点を与えます。一方、WELL認証は完成した建築物の室内環境がそこで働く人にどう適合しているのかを審査して評価します。
建造物の内部を重視するWELL認証に対して、LEEDは建造物の外部環境に重きを置いている 点で異なるといえるでしょう。

いずれの評価システムも、持続可能な社会の構築を目指すSDGsと、環境・社会・ガバナンスの3要素を重視するESGの世界的なうねりを受けての動きであることは間違いありません。
LEEDはインテリア設計と建設の環境性能を評価することから始まっており、その後、新たなカ テゴリーを加えていった歴史があります。2015年に国連でSDGsが採択され、温暖化対策の新た な枠組み「パリ協定」が翌年に発効して以降は、地球環境の保護が声高に叫ばれています。こうした流れを受けて、建造物の設計・建築過程や完成した建造物に対する環境保護の総合的 な性能評価が求められているのです。

いまやSDGsやESGの観点を抜きにした経済活動は経営戦略的にデメリットが多くなりました。 社会に与える影響が大きい企業ほど消費者が注ぐ視線は厳しくなっています。また環境の保護や改善が世界の政治経済で最重要課題の一つになっている今、国や自治体は環境対策における 手抜かりは許されません。

グリーンビルディングおよびLEEDは、建造物や都市の再開発における環境性能を証明できる ことで、建造物のオーナーや設計・施工者は入居希望者や投資家などに対してアピールできるメリットがあります。これはWELL認証も同じです。
また、より高い評価の認証を目指して取得機会を増やすことにより、継続的な改善を展開することができる点でも意義があります。
近年は都市再開発事業にLEEDを取得するケースもあります。客観的な評価を取得することで都市に対する注目度を高め、企業の誘致や訪問客の増加、人口の流入を実現して都市の発 展に繋げていく狙いです。人に優しいWELL 認証と、建造物とその外部環境に優しいグリーンビルディング(LEED認証)は親和性が高いといえるのではないでしょうか。

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