前号(vol.141)で紹介した、少額投資非課税制度「NISA」。
この制度は2014年にスタートし、2023年までの優遇措置だったため、
2024年以降がどうなるか注目されていました。
2019年の年末に発表された「令和2年度税制改正大綱」により、
どのように変わるのかご紹介しましょう。
2024年以降のNISA ※「新・NISA」か「つみたてNISA」のどちらかを選択
※1…より多くの国民に積立・分散投資を経験してもらうため、原則として、2階の非課税枠を利用するためには1階での積立投資を行う必要あり。ただし例外として、成長資金の供給拡大( 特に長期保有の株主育成)の観点から、NISA口座を開設していた者又は投資経験者が2階で上場株式のみに投資する場合は、1階での積立投資は不要。
参考:金融庁「令和2年度税制改正について」
期間延長になり、2024年以降も利用可能
少額投資非課税制度「NISA」は、投資から得た利益(分配金・配当金・譲渡益)が非課税となる制度。現在は「一般NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の3種類があります。税制改正により一部制度が変更となりますが、期間延長となり2024年以降も利用可能になりました。ただし、20歳未満が加入できた「ジュニアNISA」は2023年末で終了します。
一般NISAは新・NISAに
今回の改正では、家計の安定的な資産形成を支援するため、積立・分散投資をさらに促進。「一般NISA」は原則として1階で積立投資(従来のつみたてNISA)、2階で一般投資(上場株式、公募株式投資信託等)という2階建ての仕組みの「新・NISA(仮称)」に変わります。2階部分を利用するためには1階の積立投資を行う必要があります(従来のNISA口座を開設している人などは1階の積立投資は不要です)。2023年までの「一般NISA」を利用していた人は、5年間の非課税期間が終わると、「新・NISA」に移行(ロールオーバー)できます。2023年を待たずに、今から始めても安心です。
つみたてNISAは5年間延長
長期・積立・分散投資が可能な「つみたてNISA」は、積み立て可能な期間が2037年まででしたが、2042年までと5年延長となりました。今回の改正で期間延長されたため、今年始めても20年間積み立てが可能となります。 人生100年時代に向けて、税制の優遇を受けながら資産形成ができるNISAを活用してはいかがでしょうか。
ファイナンシャルプランナー 福一 由紀
※掲載の情報は2020年4月時点のものです。内容は変わる場合がございますので、ご了承ください。