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コラム vol.204
  • 不動産市況を読み解く

特集:空き家問題、実家問題を考える(1)

公開日:2017/05/31

「空き家」の増加が問題視されており、マスコミでも頻繁に取り上げられています。
人口減少が確実な日本においては深刻で大きな問題といえますが、その本質についてはあまり深く議論されていないように思われます。また、「実家問題」というのも一昨年頃からメディアで取り上げられるようになりました。「実家の片づけ」の一番大きなものは、いうまでもなく、住まなくなった家です。このように、「実家問題」は、「空き家問題」の1つといえます。
今回から始まる特集では4回にわたり、「空き家問題」を中心に「実家問題」も織り交ぜながら、解説していこうと思います。

空き家の数が増えています。

図1:総住宅数・空き家数及び空き家率の実績と予測

(実数値:総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」予測値:野村総合研究所公表データより作成)

最新のデータである2013年(平成25年)に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、全国の総住宅数は6063万戸で、このうち空き家は820万戸でした。その割合は13.5%となっており、前回(2008年)の調査では13.1%、757万戸でしたので、少し伸びた状況です(+0.4%、+63万戸)。
住宅・土地統計調査における、空き家には、「賃貸用又は売却用の住宅」、「二次的住宅」、「その他の住宅」の4つの種類が定義されています。

「賃貸用住宅」の空き家とは、賃貸物件における空室

「売却用住宅」の空き家とは、販売用物件の既存在庫(未発売含む)

「二次的住宅」の空き家とは、「別荘(週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、普段は人が住んでいない住宅)」及び「その他住宅(普段住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊りするなど、たまに寝泊りしている人がいる住宅)」を合計したもの(同調査の資料より引用)

「その他の住宅」の空き家とは、「賃貸用又は売却用の住宅」又は「二次的住宅」以外の、人が住んでいない住宅で、例えば転勤・入院などのために居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など」(同資料より引用)のことを指します。もちろん、死亡のため使わなくなった家や老人ホーム、介護施設に入所するために使わなくなった家もここに含まれます

このうち、「その他の住宅」に属する空き家の数は318万戸もあります。全国の総住宅数(6063万戸)に占める割合は5.2%ですが、その数は過去20年間で約2倍に増加しており、これが、「空き家問題」の最も大きな問題とされています。

図1のように、空き家率は1998年に初めて10%を超えました(11.5%)。その後、15年で2%増えました。その間に実数はそれほど大きく(騒がれているほど)増えたわけではありません。民間シンクタンクの予想では、次回調査(2018年)からは、割合・実数とも大きく増えるとの予想がされていますが、少なくとも近年(ここ15~20年)の増加については、空き家増加の大きな要因は、先に述べたような「その他の住宅」の空き家が増えたことです。

一部メディアでは、「節税や投資のため等で賃貸住宅が建てられすぎだから空き家が増えている。」や「どんどん新築住宅が建てられているから空き家が増えている」と報道されています。それを全否定するつもりはありませんが、データを見る限りではその要因は下位です

では、空き家が増えている要因は何か?

それでは、空き家が増えてきた1番の要因は何でしょうか? それは、使わなくなった住宅が、そのままにされていることが原因だと考えられます。日本では新築が人気で中古物件はあまり人気がないことや、税制度の問題、解体費用の問題、などがその理由でしょう。
確かに、新築住宅、新築の賃貸住宅は、2009年までは100万戸を超えており、それ以降は減りましたが、88万戸~98万戸のペースで建てられています。しかし、1970年台からずっと100万戸以上建てられていた頃からすれば、だいぶ減っています。

しかし、使わなくなった家を、「売却する」「貸す」「他の用途に使う」などして、処分しなければ、今後ますます「空き家」が増えると思われます。

次回以降では、最後の辺りで述べた事を深堀してみたいと思います。

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