大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

ESG経営

2025.3.28

注目を集める、ESG投資を進化させた「社会的インパクト不動産」

  • #ESG
  • #不動産活用
  • #不動産経営
  • #環境対応

不動産は、住まいや仕事の拠点としてだけではなく、まちづくりや経済の活性化、さらには地球環境の問題にも関わる資源です。
国はこれまで、さまざまな不動産投資におけるESGやSDGsへの取り組みを推進してきました。もはや、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)は、企業経営にとどまらず、さまざまな社会活動においても重視すべきこととなっています。エネルギーの効率化を図った建物やベンチャー企業を支援するオフィス、高齢者や障がい者のための施設など、その範囲は多岐にわたります。
昨今、「インパクト投資」という言葉をよく耳にするようになりました。「インパクト投資」とは、「社会的インパクト投資」ともいわれ、貧困や差別、環境、教育、福祉などの社会的な課題の解決を図るとともに、経済的な利益を追求する投資行動を指します。
ESG投資とも近い意味合いですが、財務的なリターンだけではなく、社会にインパクトを与えることを重視するのが違いだといえます。そして、不動産投資においても、「インパクト投資」が注目を集めています。
国土交通省は不動産が中長期的に生み出す社会的インパクトとして、「気候変動への対応」「健康性・快適性の向上」「地域社会・経済への寄与」「災害への対応」「超少子高齢化への対応」の5つの分野を示しており、これからのCRE戦略を考える上でも、外すことのできない重要なテーマとなりそうです。

国土交通省が「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンスを公表

国土交通省は、「不動産は社会とともにある存在であり、企業等が中長期にわたる適切なマネジメントを通じて、ヒト、地域、地球の課題解決に取り組むことで、社会的インパクトを創出し、地球環境保全も含めた社会の価値創造に貢献するとともに、不動産の価値向上と企業の持続的成長を図ることが期待されている」とし、不動産は社会の価値創造と企業の持続的成長を創り出す存在だとしています。
また、「不動産が社会的価値向上に資するとの認識はまだまだ一般的とはいえず、企業等と投資家・金融機関との対話(資金対話)と、企業等と利活用者・地域社会等との対話(事業対話)の2つの対話が不可欠」として、これから不動産という貴重な資源に対して、社会的にインパクトがある活用を目指すために「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンスとしてまとめました。

以前は、「不動産におけるESG活動」といった表現をされることがありましたが、「社会的インパクト不動産」は、ESGの中の「S(社会)」に焦点を絞った考え方といってもよいでしょう。
不動産を収益面や利便性だけで考えるのではなく、社会課題の解決の一助となるために、不動産に関連する施策を行うということになります。
「社会的インパクト不動産」というと、難しく、高尚な印象もありますが、国土交通省の「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンスによれば、取り組みの段階を「安全・尊厳」「心身の健康」「豊かな経済」「魅力ある地域」の4つに分け、それぞれに具体的な課題と活動を紹介しています。

1段階目の「安全・尊厳」では自然災害への備え、防犯、少子高齢化への対応、多様性・包摂性の実現といった問題の解決を目指します。具体的には、既存建物や敷地内スペースの改修、テナントと連携したBCP作成と定期的な見直しや災害備品の更新、建物の定期的な点検などを挙げています。
2段階目の「心身の健康」では、健康で安全な暮らし、働き方の実現や快適で利便性が高い環境の整備を目指しており、3段階目の「豊かな経済」では地域経済の活性化や生産性の向上を目指すとしています。
そして4段階目の「魅力ある地域」では、地域の魅力・文化の形成・活性化、景観の形成、コミュニティの再生・形成、人材育成、移動しやすい環境(モビリティ)を目指し、具体的には、広場やコミュニティスペースを整備し、イベントの開催やまちづくり組織の組成などを挙げています。

出典:「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンス~評価と対話のツール~(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001596306.pdf

企業の持続的な成長も併せて

この「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンスがこれまでの不動産に関する施策と一線を画しているのは、環境保全や地域貢献に加えて、「不動産の価値向上」「企業の持続的成長」という経済的な効果も提唱しているところでしょう。
同ガイドラインでは、企業等が不動産を適切にマネジメントし、利活用者や周辺・地域社会、周辺の自然環境、地球環境の抱えるさまざまな社会課題や環境課題の解決への積極的な貢献を図ることば、周辺・地域社会や地球環境、社会に対する価値創造、不動産の価値向上、企業の持続的成長が図られ、好循環が確立することにつながるとしています。
あくまで、不動産は社会に対する価値を創造する資産としてまちづくりの存在であり、ヒト・地域・地球に対する最適活用を通じて、中長期にわたり不動産としての価値が高められることで、不動産の価値向上と企業成長は両立するものであることを提示しています。

出典:「社会的インパクト不動産」の実践ガイダンス~評価と対話のツール~(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001596306.pdf

また、そのためには、企業や投資家・金融機関等は、ヒト・地域・地球が抱える課題に対する「社会的インパクト」に対する「不動産の貢献(コントリビューション)」を明確にした上で、企業は投資家・金融機関等との「資金対話」、不動産の利活用者・地域・行政等との「事業対話」を重ねていくことが重要であると説いています。

他の記事を読む

このページの先頭へ
ビズ・リブネスが既存不動産を即戦力に変えていく 最適な解決法をご提案し、オーダーメードでスキームをつくりあげます。

企業不動産の売却(買取・仲介)、
購入、改修について
お気軽にご相談ください。

ご相談・お問い合わせ

大和ハウス工業のビジネスソリューション

大和ハウス工業オフィシャルサイトトップ

個人のお客さま

住まいを探す

大和ハウスグループの住まいを探す

(土地情報 / 新築・中古一戸建て / 新築・中古マンション)

法人のお客さま