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コラム No.82-8

CREコラム

不動産テック入門(8)「管理業務支援」

公開日:2020/03/31

同じものが一つとしてないのが不動産。不動産業者だけでなく、支社・支店、工場、社員寮など多くの自社不動産を抱える企業においても、不動産の適切な運営・管理は複雑でコスト負担が大きい業務です。業務革新を目指す不動産テックで、いま最もスポットが当たっている領域ともいわれています。

不動産テックでは最も活発な事業領域

不動産テック協会が定期的に更新している「カオスマップ」で最もサービス提供企業の紹介が多いのが管理業務支援のカテゴリーです。建設と不動産は我が国の業種の中でも企業数が多く、全国各地に中小企業がひしめいています。システム化が遅れており、経営者の高齢化も目立ってきています。事業継続のためには業務の効率化が喫緊の課題で、不動産テックの中でこのサービス領域がサービスを拡大しているのも、こうした業界の現状があるからと思われます。

この分野では主に賃貸物件を扱う中小の不動産仲介業者をターゲットにしたビジネスが多数見受けられます。内容は、自社のWebサイト制作および賃貸サイトへの物件情報の一括掲載、顧客管理の一元化など、広範にサービスを提供しており、IT構築経験の浅い個人経営の不動産仲介業者を主要な顧客に想定していると見られます。Webサイト構築だけを提供している不動産テック業者もありますし、総合的なテックビジネスとして事業展開している業者もあります。

不動産仲介業にとって、物件の「見せ方」「伝え方」は成約のための重要な要素です。インターネットが既に生活に定着している現代では、従来のように街中にある事務所で正面に物件情報を紙で貼り付けているだけでは、顧客はなかなか来てくれません。集客活動の一環としてのホームページは今や必須アイテム。サイト構築から日々の管理・更新のコストはかかりますが、自力で作ることを考えれば決して高いとはいえないでしょう。

ホームページを新たに作れば、業務の効率化も当然視野に入ってきます。仲介業者向けの賃貸管理ソフトを提供している業者では、物件および部屋情報、契約者情報、オーナー情報、口座情報などバラバラになりやすい賃貸管理データを専用ソフトで一元管理することを提案しています。 現在の中小企業では、クラウドコンピューティングやICT化の進展は、大企業に比べるとまだまだ少ないといえ(参照:経済産業省の「中小企業における ITの利活用」)、物件管理を表計算ソフトなどで処理をしてしまっているケースが少なくありません。しかし、取り扱う件数が増えると、操作ミスが生じて事務負担が増すことがあります。専用のソフトで管理すれば作業の負荷が低減するメリットが生まれるでしょう。中小企業にとって、こうした業務負荷による人件費のウエートは低くありませんので、1日も早い取り組みが望まれます。

インターネットでの集客に特化したサービスもあります。国内で最大級ともいわれる不動産情報のポータルサイトに物件情報を掲載し、そこで問い合わせをしたユーザー情報を蓄積して分析し、最適な集客プランを提供するものです。膨大なアクセス数を誇るポータルの系列サイトですから、まとまった量のデータが集まりやすいと思われます。今後はこうしたビッグデータからの分析によって訴求の方法を変えていくことも必要となりそうです。

業務管理支援は成長性高いテック領域

土地活用の支援ツールも広がる可能性を持っています。不動産を保有している地主に対して、不動産の有効活用を提案するのは不動産業者だけではありません。建設業や金融機関もライバルのひとつです。競争を勝ち抜くため、敷地にどのような建築物を建てることができるかが契約の成否を握ることもあります。容積率などを弾き出して3D画像を自動生成し、建築費の概算見積もりを算出し、そのうえで収支計画を行い、事業計画書を作成するといったツールも登場しています。

マンション管理会社に特化したテックサービスもあります。マンション管理会社は、居住者で構成する管理組合から委託を受けて業務を執行していますが、管理組合から預かった預金通帳の持ち出し履歴などを管理するシステムを提供しています。管理棟数が多く、多くの管理組合からの通帳管理に頭を悩ませている管理会社が導入しています。

賃貸管理ソフトは、支社や工場、社員寮など多くの不動産を抱える企業の物件管理にも適しています。全国で営業展開してきた企業は、業績が向上するに従い、工場を新規に建設したり、福利厚生のために社員寮や野球グランドなどを所有してきました。自社保有もあれば、借り上げマンションなど賃貸物件も抱えています。しかし不動産管理をしているのは総務部や経理部などが多く、本業のかたわら従事しているので、修繕や賃貸物件の更新などで管理ミスも生じかねません。そうした企業にとって、賃貸物件用の顧客管理ソフトはカスタマイズすれば十分威力を発揮すると思われます。

不動産業は、利用者(居住者)との成約からその後の物件管理まで、多岐にわたって業務が派生します。それだけに業務の効率化は欠かせません。不動産テックはITと不動産業務の融合・革新を目指すものだけに、管理業務支援は今後の不動産テックビジネスで成長性の高い領域といえるでしょう。

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