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特集 植彌加藤造園(うえやかとうぞうえん)

苔むす刻 紡ぐ景色

多くの名勝や特別名勝の庭園がある京都において、嘉永(かえい)元年(1848年)に
南禅寺の御用庭師として創業した植彌加藤造園(うえやかとうぞうえん)。
170余年の歴史の中で、名庭と共に培ってきた「景色を育む」という哲学、
そして庭師に欠かせない美意識について伺いました。

数百年、数千年と美景を求めて紡ぐ

人はなぜ、窓の外に広がる緑や歴史ある庭園に心を引かれるのでしょうか。それは、時間や季節、天候によって千変万化する景色の奥に、自然の力強さや静かな美を感じ取っているからかもしれません。

庭に宿る自然の息づかいを深く理解し、価値を磨き続けてきたのが庭師たちです。彼らの仕事の根底には、「作庭四分、育成管理六分」という考えがあります。西洋庭園の多くが竣工時の状態を維持することに重きを置くのに対し、日本庭園は竣工後に「育てる」ことで理想の景色に近づけていきます。庭師にとって「竣工」は完成ではなく、庭という命が誕生した瞬間を意味するのです。

平安時代に造られた庭が今もなお豊かな緑を湛えるように、庭園は数百年、時には千年という、人間の寿命をはるかに超える時間を生き続けます。庭師は長い営みを支える「命のリレー」の担い手として、先代から受け継いだバトンを次代へとつなぎます。木々の成長や環境の変化を見極めて手を加え、作庭者が思い描いた景色を育み続ける。こうした働きかけの積み重ねが、庭園の価値をより豊かなものにしていくのです。

この日本庭園独特の思想を、「わが子のように愛情を注いで育てる」という意味の「foster」に重ね、「フォスタリング(fostering)」と名付けたのが、植彌加藤造園八代目代表取締役社長の加藤友規さんです。日本庭園への関心が海外でも高まる中、景色を育む育成管理の重要性や伝統的な技術について発信されています。

植彌加藤造園が手掛けたコーヒーショップGESHARY COFFEE 洛(京都・祇園)
建築設計・監修/魚谷繁礼建築研究所
植彌加藤造園/専務 加藤嘉基、現場主任 山口満、現場主担当 中瀬雄也、設計 渡辺伸也、細井まゆみ

庭の「再生」に見る不易流行(ふえきりゅうこう)の極意

植彌加藤造園は南禅寺の御用庭師として創業して以来、同寺の育成管理に携わる老舗の造園会社です。他にも、東本願寺の飛地境内地・渉成園(しょうせいえん)や、七代目小川治兵衛(植治)が作庭した山縣有朋(やまがたありとも)の別邸・無鄰菴(むりんあん)など、数々の名庭のフォスタリングを行ってきました。「不易流行」を掲げ、伝統的な美意識や土地の文脈を守りながら、新たな価値を生む景観づくりを続けています。

建物のオーナーが変わり、庭のあり方を見直したいという依頼にも柔軟に応じます。庭が持つ本質的な価値を尊重しつつ、新しい姿へ育て直すことも、フォスタリングの一環とされています。

京都祇園のスモールラグジュアリーホテル「SOWAKA(そわか)」は、大正期に造営された料亭を改修した宿。植彌加藤造園は本館のアプローチや主庭などの再生を担いました。かつては茶室へ向かう露地庭として設計された空間を、ホテル利用に適した鑑賞庭へと再構成。既存の手水鉢(ちょうずばち)や樹木を生かし、長年放置され藪のようになっていた庭を、上質で落ち着いた空間へとよみがえらせました。数寄屋建築のたたずまいに調和する、京都らしい美が宿る庭園です。

ラウンジのピクチャーウィンドウから望むアプローチ

GESHARY COFFEE 洛 奥離れの庭(通常は非公開)

同じく祇園にあるコーヒーショップ「GESHARY COFFEE洛」は、日本画家の住居兼アトリエであった場所で、敷地内には、京都東山を流れていた轟川(とどろきがわ)の谷地形を生かした、水の無い流れをもった庭園がありました。植彌加藤造園は、水流を復活させ、清らかな水音が響く空間へと再整備。門前の端正な石敷きから、柔らかな印象の延段(のべだん)を通り、丸みのある飛び石をつたって庭園へ至る動線は、「真・行・草」を題材として設計されています。さらに、赤く小ぶりなつぼみをつけるツバキをコーヒーチェリーに見立てたり、一部に中南米風の植物を配したりと、コーヒーの世界観の表現にもチャレンジしています。土地の歴史と新たに創り出された個性が共存する、不易流行の実践例といえます。

※書道の楷書(真書)・行書・草書に由来する、空間や様式を表す概念。真は格式高く厳格、行は少し崩れ、草はさらに自由で省略化された状態。

視線の先に広がる景色

GESHARY COFFEE 洛を訪ねて

コーヒー豆が生まれる地

庭園には2カ所、中南米を思わせる植物が植えられたゾーンが。コスタリカやパナマなど、GESHARY COFFEEで扱う豆の産地の雰囲気が演出されています

洞窟に息づく緑

地下には坪庭があり、天窓からわずかに差し込む光に向かって枝葉が力強く伸びていくよう設計されました。洞窟のような趣が感じられる空間です

水の音を聞く

流れの中には趣の異なる2つの滝が設けられました。石に跳ね返る水の音に、つい時間を忘れて聞き入ってしまいます

一幅の絵画

奥離れへと続く渡り廊下から庭を眺めると、景色が雑味なく切り取られ、まるで一幅の日本画を鑑賞しているよう

石材を味わう

京の銘石と呼ばれる「加茂七石」の七種の石で組まれた蹲踞(つくばい)。中心にある「鞍馬石」の手水鉢は、この庭にもともとあったもの

石材を味わう

京の銘石と呼ばれる「加茂七石」の七種の石で組まれた蹲踞(つくばい)。中心にある「鞍馬石」の手水鉢は、この庭にもともとあったもの

庭師の手仕事

どこかの庭で法被を着た庭師を見かけたら、庭師の姿も風景の一つとして、庭が育まれている様子をご鑑賞ください

土地との調和

祇園のシンボルである八坂の塔(法観寺)を借景にした眺め。京都らしい雅やかさを感じさせます

美を見いだす庭師の感性

庭師に必要な感性とは?と加藤さんに尋ねると、茶人・千利休にまつわる逸話を教えてくださいました。

若き日の利休は露地庭の掃除を命じられたが、すでにちり一つない状態だった。思案の末、利休が一本の木を揺らすと葉がひらりと落ち、景色に風情が生まれた。感心した茶の名人・武野紹鴎(たけのじょうおう)は、茶の湯の全てを利休に授けたという――。

「庭の美は一つではありません。徹底して掃き清める美もあれば、自然の余情を生かす美もある。その庭をどう読み、どう整えるか。不易流行の心で見極めることが庭師の務めです」と加藤さん。

この逸話は、作庭時の姿勢にも通じます。造園の設計図はあくまで目安であり、実際の現場では、手に入った木々や石を前に思いを巡らせ、最後は自らの感性を信じて調整を重ねていくそう。庭づくりとは、即興性と判断の積み重ねでもあるのです。

静謐(せいひつ)な空気に満ちた主庭。石灯籠(右手前)の上の宝珠が鳥の形をしており、かわいらしいアクセントになっています

SOWAKA(そわか)
建築設計・監修/魚谷繁礼建築研究所
植彌加藤造園/専務 加藤嘉基、現場主任 井上靖智、設計 渡辺伸也

庭づくりのスタートは用途を考えるところから

個人邸の庭づくりでも、庭師の感性を取り入れることができます。季節の偏りなく花や実を鑑賞できるよう植栽を工夫することで、一年を通して庭の表情が変わり、飽きのこない景色となります。「遮蔽」と「抜け」のバランスも大切で、視線を遮る要素と奥行きを生む余白を適切に配置することで、庭全体の美しさが際立ちます。そして何より重要なのは、庭という空間で何をしたいかを考えること。家族がくつろぐ場なのか、静かに鑑賞を楽しむ場なのか、過ごし方が定まれば、迷いなく構成を整えていくことができます。

主庭の手水鉢からは水が湧き、微かに響く水音が訪れる人の心を洗います

延段の目地に土を入れ苔の育成を促すなど、経年変化を美しさへと導く育成管理が行われる前庭

庭はいつまでも完成を迎えず、日々の営みと季節の移ろいの中で育っていきます。植彌加藤造園は、長年の経験で培った心と技を携え、これからも時とともに深まる庭の美しさを紡ぎ続けることでしょう。

植彌加藤造園

代表取締役社長 加藤 友規さん(中央)
計画設計部設計長 渡辺 伸也さん(右)
現場主担当 中瀬 雄也さん(左)

取材撮影協力

SOWAKA(そわか)

〒605-0821 京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル清井町480
TEL/075-541-5323

GESHARY COFFEE 洛

〒605-0828 京都市東山区金園町390-2
TEL/075-551-4151
営業時間/8:00~19:00 定休日/水曜日

※今後変更の可能性があります。詳細は店舗までお問い合わせください。

2025年12月現在の情報です。

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