家族団らんの時間を過ごすリビングは、住まいの中心となるスペース。
大和ハウスの調査では、「理想のリビングをつくる上で、懸念となることはありましたか?(複数回答)」
という問いに対して、最も多い37%の人が、「スペース的に可能かどうか」と回答するなど、
家づくりの際に必要なリビングの広さを確保できるかが気になったという人は少なくありません。
Part1延床面積や家族の人数から見る リビングの広さの目安

間取りを検討するにあたり、リビングの広さがどれくらい必要か、イメージが湧かないという人もいるかもしれません。そんなときは、延床面積や家族の人数などの条件から、リビングの広さの目安を得る方法があります。近年はリビング・ダイニング・キッチンがつながった間取りが主流のため、単独の部屋としてではなく「LDK」全体の広さを基準に目安をご紹介します。
延床面積から見る目安
マンションに比べ一戸建ては土地形状や法的規制などの制約もあるため一概にはいえませんが、一戸建ての場合、延床面積(すべての階の床面積の合計)の約3割がLDKの広さの目安になるといわれています。限られた面積を効果的に活用し、浴室やトイレといった水回り、寝室、収納などのスペースとのバランスが取れた間取りを考える際の、一つの考え方として意識すると良いかもしれません。
例えば、延床面積が100m2(約30坪)というケースでは、LDKの広さは約18帖になります。実際には住まいの大きさや、家族構成、リビングでの過ごし方の違いなどによっても最適なバランスは変化するため、すべてのケースにあてはまるわけではありませんが、参考にしてみてください。
家族の人数から見る目安
リビングで過ごす人数が増えれば、ソファなどの家具も大きなサイズを配置することになり、移動のためのスペースもより多く必要になるのが一般的です。家のタイプやライフスタイルによって変わりますが人数別のLDKの帖数は、最低限「2人=10~12帖」「3人=12~16帖」「4人=16~20帖」くらいは必要とされることが多いようです。
人数が増えると広くなる傾向がありますが、子どもや高齢者、在宅でテレワークをする人がいるかどうかなど、リビングをどのように使うかを考慮して、余裕を持って快適に過ごせる広さを決めるようにしましょう。
Part2リビングの広さを考える際のポイント

一般的に、広いリビングを希望する人が多いかもしれません。しかし広いリビングにはメリットがたくさんある一方で、デメリットが生じてしまうこともあります。生活しやすい間取りをプランニングするための注意点をご紹介します。
ライフスタイルを考える
小さな子どもや高齢者がいる世帯では、将来的に家族構成が変化しても快適に過ごせる間取りにしておくことが大切です。子ども部屋が必要な期間は意外と短いため、子ども部屋のスペースを広く確保するよりも、リビングを広くする方を優先した方が良いかもしれません。
犬などペットを室内で飼う場合も、ケージを設置することや、犬が走り回ることも考えてリビングを広めに確保するのがおすすめです。
冷暖房効率を考える
視界が広がるゆとりのあるリビングは開放感があるのが魅力です。しかし、広い空間に冷暖房を効かせるため、出力が大きなエアコンが必要になり、設置費用が多くかかるかもしれません。また、空調効率が低下すると、光熱費が割高になってしまう可能性もあります。家の断熱性能を高めるなど、光熱費を抑えるよう工夫しましょう。
大和ハウスでは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準を上回る「断熱等級6」を標準化(注文戸建住宅)。「断熱等級3」の住宅と比較して、年間光熱費を約7.1万円削減でき、さらに太陽光発電システムの活用で年間光熱費を約14.1万円削減することも可能です※1。
※1大和ハウス調べ
試算条件:当社光熱費算出ツール「ecoナビゲーター」にて試算。試算条件および時期により異なる。
【共通】建設地域:東京/延床面積97.88m2/空調エアコン/調理機器ガスコンロ
【断熱等級3の家】UA値1.54 ηAc 3.8/太陽光発電搭載なし/給湯ガス給湯器/1・2階 天井高2400mm
【断熱等級6の家】外皮平均熱貫流率UA値0.44 ηAc 1.2/太陽光発電搭載4.104kW/給湯高効率ガス給湯器/
1階天井高2720mm・2階天井高2400mm/売電価格1~4年24円、5~30年8.3円と仮定して試算。
※シミュレーションしたものであり、一定の数値を保証するものではありません。
家具の配置・動線を考える
人が通るための動線幅は、2人ですれ違うなら最低限90cm以上あると良いといわれていますが、家具と壁の間など、1人が通るだけのスペースであれば最低60cm程度確保できていれば良いでしょう。自分が住むときにどのような家具や家電を、どのようなレイアウトで配置したいのかなどを考えながら、機能的な動線をしっかり確保できるような広さを選択すると良いでしょう。
他の部屋との兼ね合いを考える
住まいにはリビング以外にも、寝室や浴室、洗面室など生活に欠かせないスペースが必要です。限られた延床面積の中でそれらを確保しなければならないため、リビングだけを極端に広くすることは難しいかもしれません。
家族のコミュニケーションの場となるリビングを重視するあまり、他のスペースを減らし過ぎると住まい全体のバランスが悪くなり暮らしにくくなってしまう可能性があります。トイレなどの水回り、子ども部屋や寝室などの個室はどれくらいのスペースが必要か、想定しながら間取りを決める必要があります。
リビングをできるだけ広くしたい場合は、洗面室や浴室といった水回りを2階に配置して1階のリビングを広げたり、日当たりや眺望の良い2階にリビングを配置したりすることも検討すると良いでしょう。
Part3リビング以外の部屋の広さは?
快適な住まいを実現するには、リビングだけでなく家全体のバランスを見ることが重要です。ここでは、玄関、主寝室、子ども部屋など、リビング以外の主要なスペースの広さについてご紹介します。
玄関の広さ
玄関は、土間と玄関ホール、収納スペースを含めて2~3帖程度とするのが一般的だといわれています。ただし、土間収納やウォークインタイプのシューズクロークを設ける場合は、その分さらに広さを確保する必要があるでしょう。ベビーカーなど土間に置くものや、手持ちの靴やアウトドア用品など収納にしまうものを具体的に想定できると良いでしょう。
その他にも、家族の人数や来客頻度が多い場合はみんなが出入りしやすいよう玄関を広くしておくのがおすすめです。
主寝室の広さ
夫婦2人で使用するなら、主寝室の広さは6~8帖程度の場合が多いようです。クローゼットなど造作収納の有無にもよりますが、6帖あればダブルベッド1台、もしくはシングルベッド2台を置いても通路を確保できます。8帖ならダブルベッド1台、もしくはシングルベッド2台を置いてもゆとりがまだあるので、テレビやチェアなどの家具を置くことも可能になります。
ただし、クローゼットがなく収納家具を別途配置しなければならないときは、その分のスペースを考慮して広さを決めると良いでしょう。
子ども部屋の広さ
子どもの成長段階によって異なりますが、子ども部屋の広さは4.5~6帖程度が目安になるようです。学用品や衣類、おもちゃなどの収納スペースを確保でき、静かな環境で集中して勉強ができるなどのメリットが子ども部屋にはあります。
しかし、子どもが成長して家を離れると使われない部屋になるため、将来的に書斎や趣味部屋などに転用できるよう計画しておいた方が良いでしょう。
リビング内にスタディーコーナーを設けて勉強できるようにすれば、子ども部屋の主な役割を“寝る場所”と限定できるので、面積をコンパクトに抑えることも可能になります。
Part4リビングを広く見せるコツ
他の部屋との兼ね合いなどで、リビングの面積が狭くなってしまっても、間取りや家具や家電のレイアウトを工夫して、人間の目の錯覚や心理的な効果を利用することで、開放感のある空間を演出することが可能です。新築時にこだわりたい窓や天井の設計から、手軽に試せる収納やインテリアのコツまで、リビングを広く見せるためのアイデアをご紹介します。
家づくりのときにできる間取りの工夫
リビングの広さを体感するときに、印象を大きく左右するポイントになるのが、「窓の大きさ」と「天井の高さ」です。面積だけに注目しがちですが、空間として立体的な奥行きを感じられることが実はとても大切です。
大きな窓を設置する
屋外へと視線が抜ける窓があると、視覚的により広さを感じられるようになります。天井高いっぱいの大開口窓を設ければ、内と外の空間に連続性が生まれ、外の景色を眺めてリラックスできる開放的なリビングになります。
また、たっぷりと取り込まれた日光がリビング全体に広がることで、空間の広さが一層強調される効果も生みます。季節により変化する太陽高度を考慮して軒の長さを設計すれば、冬は暖かな日だまりを、夏は程よい明るさを感じられるリビングにできます。
天井を高くする
リビングの天井を高くすることで、床面積以上の空間の広がりを感じられるようになります。空間に縦のゆとりが生まれ、上方向に視界が広がるため、より開放感を出したいときはぴったりの工夫です。さらに、視点が低くなるロータイプのソファに座れば、天井との距離がさらに長くなるので、豊かな空間の広がりを満喫できるでしょう。
実際に、臥位での実験ではありますが、同じ容積の空間であっても、床面積が狭く天井が高い部屋と、床面積が広く天井が低い部屋では、天井が高い部屋の方が「知覚される容積」が広くなることもあるそう※2。
※2参考:須田 眞史、長澤 泰、西出 和彦「室空間における容積の知覚に関する実験的研究 臥位での 空間の知覚特性に関する研究 その2」(1998)
ダイワハウスで一般的な2m40cmよりも高い「2m72cm」の天井高を採用されたオーナー様からも、「毎日部屋に入るたびに心地よさと開放感を味わっています」「家に招いたお客様が第一声に『広い!』と感動します」といった、空間の広がりを実感する声が多く寄せられています。
また、天井の高さが人の思考や心理に影響を与える「カテドラル効果」と呼ばれる現象も知られており、高い天井は開放的な気分や創造的な発想を促すとする研究があります。開放的な気分になって、家族の会話が自然と弾むような、そんなリビングを目指すなら「天井高」は非常に有効な手段かもしれません。
ダイワハウスの「グランリビング」なら、1階または1・2階とも2m72cmの天井高※3が実現でき、天井の高い広々とした開放的なリビングや、壁や柱が少ない大空間が可能です。また、天井高いっぱいの大開口「グランフルサッシ」から外に広がる中庭の景色を眺め、部屋の奥まで自然光をたっぷりと取り入れられます。「天井の高さ」と「窓の大きさ」の二つの特長を兼ね備えたリビングにすることができます。
※3xevoΣおよびxevoΣ PREMIUMの天井高は2m40cm、2m72cm、さらに2m80cm、3m8cmと3m16cm(1階のみ)の仕様を選ぶことができます。
天井高については間取りや建設地、建築基準法(法令)等により、対応できない場合があります。
今住んでいる家ですぐできる工夫
家を新しく建てたり、引っ越しをしたりしなくても、今暮らしている家のリビングのインテリアを工夫することで、体感の広さや快適さを向上させることができます。以下を参考に模様替えに挑戦してはいかがでしょうか。
収納スペースを整える
リビングにあるものが多いことが、狭さを感じる理由になっていることがあります。収納の使い方を見直して、床やテーブルなどに置かれているものを減らすようにしましょう。例えば壁面収納を設置して収納場所を集約できれば、床面積が多少減っても空間がすっきりします。
殺風景になり過ぎないよう「インテリアを楽しむ見せる収納」と「表に出したくないものを隠す収納」で役割を分けられると良いかもしれません。家族が一時的にリビングに持ってきたものをしまう場所も決めておきましょう。
明るい色のインテリア空間にする
壁紙やカーテン、ソファなど面積の大きな家具は、白に近い明るい系統の色にそろえることで、視覚的に広く感じられます。床に置くテーブルや収納などの家具については、フローリングに合わせて落ち着いた系統の色に統一できると良いでしょう。
その他のインテリアのアイテムも、色がバラバラでは散らかった印象になるため、色の種類を抑えるのがポイントです。広さだけでなく、おしゃれな雰囲気も演出できるでしょう。なお、壁紙などは原状回復に対応した、はがせるタイプのものを使えば気軽にDIYすることができます。
家具の高さを整える
リビングの家具は高さが低いものを選びましょう。ソファに座ったときの目線よりも低くなるようにそろえると、圧迫感がなくなるので空間を広く感じられます。同じ容量の収納でも、背が高く幅が狭いタイプより、背が低く幅が広いタイプの方がおすすめです。
また、家具類はなるべく一直線になるよう高さをそろえると、インテリアとして美しい印象を与えます。収納スペースがどうしても不足する場合は、天井までの壁面収納を設置して壁のようにすることで、空間がすっきりと広く感じられるでしょう。
その他にも、家具や家電はそれぞれバラバラに置くのではなく、なるべく近い位置にまとめて配置すると良いでしょう。また、L型のソファを部屋のコーナーに置いてリビングの床面が多く見えるようにするのも効果的です。
Part5リビングは家族の人数・ライフスタイルに合った広さを

リビングは広ければ良いわけではなく、家族構成はもちろん敷地や予算の条件、各家庭で異なるリビングでの過ごし方などを考慮することが大切です。間取り全体のバランスを意識して検討するようにしましょう。
リビングの広さがどれだけ必要か、帖数から実際の暮らしを想像するのは意外と難しいものです。SNSやブログなどに掲載されている事例をたくさん見て、写真と間取り図を照らし合わせ、イメージを膨らませると良いかもしれません。
一生に何度もない家づくりだからこそ、思わぬ落とし穴に後悔しないよう、複数の間取りを検討しておけると良いでしょう。
間取りを検討する際に活用をおすすめしたいのが、2,000以上の間取りプランが見られる、大和ハウスの「My間取りサーチ』です。公式サイトの専用ページから簡単な登録をするだけで、都合の良いときに何度でも、希望する条件で間取りの検索ができます。理想的な間取りプランが見つかれば、そのまま規格住宅として建てることも、自分好みのカスタマイズを行いセミオーダー住宅としても建てられます。暮らしやすい間取りプランがそろっていますので、ぜひチェックしてみてください。
また、具体的なプランニングや広さで迷ったら、ぜひ大和ハウスにご相談ください。全国の各エリアにある住宅展示場のモデルハウスに足を運べば、実際の間取りで広さや明るさなどをじかに確かめられます。スタッフに対面で質問や相談をしたり、プラン提案も依頼したりすることも可能です。ぜひ、家族みんながくつろいで過ごせる、理想のリビングを実現しましょう。
お話を伺った方
井上 恵子さん
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 所長。日本女子大学家政学部住居学科卒業。京都芸術大学大学院芸術研究科修了(MFA/芸術修士)。総合建設会社勤務を経て独立。集合住宅や保育施設などの設計・工事監理に携わる。現在は実務に加え、住まいや暮らしに関するセミナー講師、建築・防災関連の記事執筆・監修など、「伝える建築士」としての活動にも力を入れている。


















