CASE28
医療施設
森孝病院介護医療院
- 所在地:
- 名古屋市守山区四軒屋1丁目1013番地
- 構造:
- S造
- 延床面積:
- 3,088.96m2
- 竣工:
- 2024年6月(1期)、2025年9月(2期)
- 用途:
- 介護医療院(96床)
- 院長:
- 山本隆一
名古屋市守山区四軒家に位置する森孝病院介護医療院は、建物老朽化による建て替えを検討。2021年に介護療養型医療施設から介護医療院へと転換されました。この転換を見据え、建物としてどのような機能や動線が求められるのかを一つひとつ整理して設計計画へ反映。患者様と職員の双方にとって快適な環境づくりを進められました。

新しく生まれ変わった施設では、病院医療と介護施設の間を埋める機能を持つ介護医療院として。家族のありかたをお互いに共有しながら建物のなかで家族を再現すること。そして、地域との連携。医療・介護・ご家庭、そして地域の方々がつながり合いながら、人生を最期まで楽しく過ごしていただくための環境をつくること。これらを理念として、地元に愛される介護医療院の運営を行なわれています。
計画のポイント
ワンフロアで完結する動線設計
建て替え前の施設では、日常業務の中で階段移動が頻繁に発生していました。特に夜間帯は移動に時間と体力を要し、業務効率に影響が出ていました。

新施設では、業務の中心となる機能をワンフロアで完結させることで、上下移動を極力排除。さらに、施設内を横断する抜け道を設け、回遊性を高めました。設計段階で業務の流れを可視化し、現場が無理なく回るゾーニングを実現。日々の業務の中で生じる移動ロスを減らすことで、現場に余裕を生み出します。
職員が誇りを持って働ける環境づくり
快適に誇りを持って働ける職場づくりにおいて、建物環境は重要な要素となります。
仕事の合間にしっかりと休めるよう、新施設では休憩スペースを確保。また、女性スタッフが多いことを踏まえて、更衣室やトイレなどのレイアウト・デザインにも配慮し、随所に工夫を取り入れています。「デザインが良い」という声も寄せられており、職員の満足度向上につながっています。


運営を止めない工程・引越し計画
介護・医療施設は、閉めて建て替えることができません。本計画では、運営を継続したまま建て替えと引越しを行うことを前提に、工程計画と引越し計画を一体的に進めました。
早い段階で工程表を提示し、計画全体の見通しを共有。人員不足の状況下においても、稼働率を下げることなく引越しまで完了。運営への影響を最小限に抑えたスムーズな移行を実現しています。

お客様の声
看取りまで支える介護医療院として、病院医療と介護施設の間を埋める機能を持って、重要な役割を担っていく
院長:山本 隆一 様
事務長:佐藤 美智代様
病院から介護施設へ移る際、大きな課題となるのは医療対応です。24時間の点滴など、医療的なケアが必要な方の受け入れが可能な施設は限られており、病院と施設の間にはどうしても段差が生じてしまいます。この段差を埋める存在として、介護医療院が必要だと考えていました。
介護医療院へと転換するにあたり、建物については改修という選択肢も含めて検討を進めていましたが、老朽化が進んでいたこともあり、必要な工事範囲や費用を整理していく中で、これだけかかるなら建て替えた方がいいのではないかという思いが強くなっていました。
そうしたタイミングで、大和ハウス工業さんのご提案をお聞きする機会があり、なかなか最初の一歩が踏み出せずにいたのですが、スピード感のある提案をしていただいたことで建て替えを決断しました。設計計画を進める中でも、大和ハウス工業の皆さんはとても紳士的で、こちらの話を柔らかく受け止めながら丁寧に聞いてくださいました。
介護医療院は家庭の延長としての役割も持っています。患者様を家庭として受け止めるということは、最終的なお看取りもするということです。看取りの形に一つの正解があるわけではありません。ご家族と一緒に手探りで考え、話し合いながら形をつくっていく。ご家族のあり方をサポートし、こうあるべきだと押し付けるのではなく、施設でできることを提案していくことが、私たちの務めだと思っています。
当施設を訪れた方が、「なるほど、こうすればいいんだな」と何か一つでも持ち帰っていただけたら、それはとてもありがたいことです。介護や看取りに向き合うご家族にとって、考えるきっかけを与えられる場所になれば幸いです。
気持ちよく、誇りを持てる職場にするためには、建物、環境もとても大切な要素です。大和ハウス工業さんからは、働く女性に向けた更衣室のレイアウトや使用方法、トイレや休憩室まで、女性心をくすぐるような提案をたくさんいただき、職員もとても喜んでいます。患者様も新しい環境となり、快適に過ごしていただいています。建物のデザインを見られて飛び込みで入所の依頼をされる方がいるほどです。
介護医療院は、家庭の延長として、レスパイト※目的で利用される方にとっても大切な存在です。急性期病院から一般病院まで、地域の医療機関とつねに連携を取りながら、状態が落ち着けば一時的にご自宅に帰る、次の施設へ移動されるといったように、その方の状態に合った場所で元気に過ごせるような、流れのあるフォローができるように、皆がんばっています。
※レスパイト:在宅介護を行うご家族の休息や負担軽減を目的とした、一時的な施設利用のこと。

































