大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

協働事例のご紹介
東北工場

東北工場
 アクションプラン(行動計画)
渡り鳥が越冬する
「化女沼の環境整備」

ラムサール条約湿地

宮城県大崎市の「化女沼(けじょぬま)」は、もとは自然の沼だったダム湖です。冬になるとハクチョウやマガンなど多くの水鳥が飛来し、なかでもガンの亜種ヒシクイの日本最大の越冬地として知られています。
東北工場は1974年から稼働。化女沼は車で5分ほどの距離にあり、昔から社員にとって身近な存在でした。その化女沼が2008年、「ラムサール条約湿地」に登録されたのを受け、工場ではNPO法人エコパル化女沼様と共に、10年以上にわたり保全活動を続けてきました。
今では大和ハウスだけでなく、グループ会社の大和リースや大和物流、工場内で作業する協力会社も加わり、事業所全体で取り組む活動へと拡大しています。

汗を流して生まれる一体感

今回の活動では、沼の遊歩道周辺で、環境省の生態系被害防止外来種リストに指定されているセイタカアワダチソウの駆除を行いました。セイタカアワダチソウは在来の植物とは比べ物にならない旺盛な繁殖力を持ち、他の植物の発芽や成長を妨げる物質を放出します。そのまま放置すると在来植物がいなくなる恐れがあり、定期的な駆除が欠かせません。
しっかりと根を張るセイタカアワダチソウを、みんなで腰をかがめて引き抜き、軽トラックへ積み込んでいきます。作業を終えると、あたりはすっきりと明るくなりました。参加者の一人は「体を動かすと気持ちいいですよね。活動に参加すると、工場のみんなとの一体感や団結力を感じられます」と話します。
環境保全の取り組みは、一夜にして変化が出るものではありません。前回は、特定外来生物アメリカザリガニの駆除を行いました。
長年活動している参加者は、「昔はもっとザリガニが獲れたけれども、今年は数が減ったように感じる」と変化を体感。こうした地道な活動の積み重ねが、地域の自然を守る力になっています。

活動を支える企業の力

エコパル化女沼様の代表者は「大和ハウスの皆さんはエネルギッシュで作業が速いので、本当に助かります」と話します。人手不足や高齢化が活動の課題となるなか、工場の人たちの参加によって、木の剪定や池の掘り直し、希少植物の移植といった重労働も楽になりました。さらに、木を切って終わりではなく、運搬や片付けまで手際よくこなし、残った作業も率先して動く姿勢にも感心しているそうです。
東北工場では、観光資源を守り、外から人が来たくなる、住んでいる人は住み続けたくなるマチを目指し、「人にキタイを持たせるマチ」をミライマチ宣言として掲げています。地域の宝である化女沼を未来へ受け継ぐ活動を、エコパル化女沼様との対話を通じて、企業として支えていく必要性を、いま改めて実感しています。

立場を超えて広がるつながり

東北工場が長年、労を惜しまず活動を続け、歩んできた道の先に、新しい景色が広がり始めています。2025年、東北工場は大崎市の「おおさきGIAHS・SDGsパートナー」に登録されました。「具体的な行動」が要件とされ、登録までのハードルが高いだけに、地域共生推進委員の佐藤は「私たちのやってきたことが認められ、誇らしかった」と喜びます。
佐藤は市主催の「おおさきネイチャーポジティブシンポジウム」で、工場の「ミライマチ宣言」について取り組みを発表し、ワークショップにも参加。交流の場が広がり、行政やNPO、企業との新たなつながりが生まれ、「ぜひ一緒に活動したい」との声も多く寄せられています。地元のスーパーサイエンスハイスクールからも「学校の研究活動で連携したい」と打診があり、学校発表会の見学や他企業との対話を行いながら、実現に向けて検討を重ねています。地域との関係性が深まるにつれて、活動がますます広がっています。

工場長の強い想い

大崎地域は、肥沃な農地が広がる「大崎耕土」と呼ばれ、世界農業遺産(GIAHS)にも認定されています。工場長の和田は「この地で仕事をしている以上、事業だけでなく地域と一緒に歩むことが大切だと思います」と語ります。
地域の人々やNPO、行政と力を合わせ、化女沼の環境保全やさまざまな活動を続けてきた背景には、「地域に必要とされる工場でありたい」という工場長の強い想いがあります。その姿勢があるからこそ、活動は工場全体へと広がり、社員たちも自信を持って地域に飛び出していけるのです。

未来へのまなざし

佐藤は「活動を通じて自然への意識が変わった」と振り返ります。外来種や生態系について学び、日常生活でも自然を意識するように。さらに、工場の敷地内に池があることが分かり、そこをビオトープとして活用したいという構想も生まれました。ビオトープとは、生き物が自然に暮らせる環境を再現した空間のこと。市の専門家も調査に訪れており、整備が実現すれば環境学習の場としても期待できます。
化女沼での活動は、地域や会社の変化にとどまらず、参加した一人ひとりの成長にもつながっています。また、気候変動対策としても意義があり、一人の小さな行動は、やがて地球環境を守る大きな力になります。そして企業と地域、行政が協力することで新たな価値を生み出す場にもなっています。そうした視点を大切に、東北工場はこれからも地域に真摯に向き合っていきます。

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