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連載:みんなの未来マップ 支援する側・される側をつくらない。「こども食堂の生みの親」が願う、“お互い様”の未来

連載:みんなの未来マップ

支援する側・される側をつくらない。「こども食堂の生みの親」が願う、“お互い様”の未来

2026.7.31

    近藤さんのロングインタビューはこちら

    「こども食堂を応援」に抱いた違和感。元祖こども食堂が描く“見えない暖簾”のある地域づくり

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    食事に困る子どもたちが、一人で気軽に入ることのできる「こども食堂」を立ち上げた、一般社団法人ともしびatだんだん代表理事の近藤博子さん。約13年にわたる取り組みの輪は徐々に日本各地に広がり、今では約1万2000カ所にまで広がっています。

    ですが、「こども食堂」の取り組みを“支援”という言葉で切り取られることに、近藤さんは違和感を抱いています。その言葉の真意はどこにあるのでしょうか。また、「貧困を自己責任で終わらせない」未来の実現に向けて、近藤さんが考える必要な取り組みとは?

    「支援される自分」になりたいですか?

    夏休みは、こども食堂への負担も大きくなる時期だと伺いました。

    そうですね。「給食がないと子どもがやせてしまうので、こども食堂さん頑張ってください」と自治体から丸投げされるケースもあります。ですが、それは違うでしょうと。それに食事を与えればいいというのは、根本的な解決にはなりません。

    子どもの貧困問題は本当にいろんな問題が入り組んでいます。ひとり親の就労支援や、企業側の働き方の待遇改善など、あれもこれもつながっているとみんな気づかないといけないんです。

    でも、そもそもあまり「支援」って言葉が好きではないんですよね。

    どういうことでしょうか。

    例えば、今私はいろいろ活動ができていますが、いずれ高齢になれば、足が悪くなって助けてもらうこともあるかもしれない。でも、それを「支援してもらっている」となると、自己肯定感が下がっていくと思うんです。子どもだってそうです。

    たくさん持っている人が、自然と足りない人におすそ分けするような価値観が育てば、"支援する側とされる側"の構図や垣根がなくなって、“お互い様”が当たり前の社会になります。「支援」という言葉がなくなるような社会になってほしいですね。

    「支援」という言葉自体が、ある種の線引きを生んでしまっていると。

    なので、「子どもってみんなで育てていくものだ」と思うことが大事だと思います。今の日本は「自己責任」で収めてしまおうとする傾向があります。自己責任で終わらせれば簡単なんですよ。でも、社会の責任っていうことになると、社会の仕組みや構造を変えなきゃいけなかったり、いろんな課題が出てくるから、あまりそこを議論にしたくないのだろうな、と。全部自己責任で終わらせてしまえば、「対岸の火事」で関わりを持たなくて済むわけだから。

    本当に何事もない、穏やかな1日を過ごせる社会に

    一方で、最近は大手コンビニエンスストアをはじめ、企業がこども食堂を運営する事例も生まれてきました。

    大企業は利益の中から活動ができる余裕があるじゃないですか。それなら、やるべきだと思うんです。私たちみたいな地べたの人間が取り組んでも、大したところまで影響は及ばないですが、大きな力を持つ人たちが取り組むことでたくさんの人に影響を与えられます。CSRとかSDGsとか言っている前に、どんどん動いてほしいですね。

    企業がこども食堂を支援する以上に、本質的にやってほしいことがあるとも伺いました。

    こども食堂の支援というより、まずは「社員の子どもたちや子育ては大丈夫かな」という視点を持ってほしいです。彼らが大人になった時、どういう企業でいるべきかもしっかり考えてほしい。やっぱり子どもにはたくさんの大人が関わった方がいいんですよ。

    近藤さんは、教育現場にも入って、いろんな大人と関わる機会をつくっています。

    そうですね。学校の教育に少しずつ関わらせていただいて、地域で働く多様な大人を「図鑑」のページに見立てて、子どもたちがさまざまな職業や生き方について学ぶ「おとな図鑑」という活動や、子どもがグループごとに分かれて、世界課題を解決する教育シミュレーション「ワールドピースゲーム」などに取り組んでいます。

    もちろん私が一人でできるわけじゃなくて、いろんな方が入れ替わり子どもたちと関わっています。子どもがたくさんの大人と関わり、さまざまな価値観を取り込んで、子どもたち自身で考えてできることを学んでいく。今後もそうしたきっかけづくりをしていきたいです。

    「できないことは誰かにお願いする」という考え方は、自己責任論とは真逆の発想ですね。

    何でもかんでもできる人なんていないので、できないことは誰かにお願いできる人になればいいんです。そういう社会になっていけばいいし、子どもたちには、自分でできることは自分でやったうえで、「人に頼れる」大人になってほしい。それが本当の自立だと思います。

    近藤さんが最終的につくりたいのは、どのような社会でしょうか。

    本当に何事もない、穏やかな1日をみんなが過ごせるような、そういう社会がいいですね。ごはんや住むところや生活の心配をせず、普通に生きていられるような。今、すごくみんな頑張りすぎているところもあると思うので、もうちょっと穏やかに生きていける社会になってほしいです。

    PROFILE

    近藤博子

    近藤博子Hiroko Kondo

    「気まぐれ八百屋だんだん」店主、一般社団法人ともしびatだんだん代表理事。1959年、島根県生まれ。2008年、歯科衛生士のかたわら、「食と歯と健康をつなげたい」と、無農薬野菜を扱う「気まぐれ八百屋だんだん」を開店。その後、八百屋の一角を活用し子どもの学習支援「みちくさ寺子屋」や勉強会などを開き、2012年に子どもが一人でも安心して入れる食堂「だんだん こども食堂」を始める。2023年、吉川英治文化賞を受賞。だんだんは島根県の方言で「ありがとう」の意味。

    未来の景色を、ともに

    大和ハウスグループも「生きる歓びを、分かち合える世界」の実現に向け、様々な取り組みを進めていきます。

    大和ハウスグループは、生きる歓びを分かち合える世界の実現に向け、環境教育プログラム「こどもエコ・ワークショップ」を開催しています。

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