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TKC会員・職員の皆様方へ 土地活用情報サイト

インタビュー

TKC静岡会 清水支部 齋藤 賢二 会員

精力的な活動で関与先の有意義な資産活用を支えるTKC会員にお話を伺いました。
※本コンテンツは、情報誌TKC&D CREARE vol.82掲載記事のロングバージョンです。

資産活用サポートで関与先の完全防衛を目指す

なぜ、資産税に取り組むべきなのか

インタビュアー(以下:I):齋藤会員は、資産税にとても熱心だと伺っています。

齋藤会員(以下:齋藤):私は長年、資産活用委員会大和部会に所属していることもあり、さまざまな地域会から依頼を受け、資産税をテーマにした講演を行うことがあります。その際に感じることは、TKC会員の皆さんの“資産税に対する意識”について。通常業務である税務会計と比べると、どうしても優先順位が低くなりがちだと感じます。理事会や支部例会、各種委員会に参加した場合も同様で、大和ハウスさんなどの協定企業が各懇親会に参加され、説明や情報提供を熱心にされるものの、その持ち時間は限られており、多くの関心を集めるまでに至っていないという状況が、私から見れば非常に残念に思えるのです。

I:資産税に取り組む“意義”とは何でしょう?

齋藤:それは結局、TKCの理念にも通じる「関与先の『完全防衛』を目指す」ことに尽きます。
関与先が私たちに求めているのは、財務、月次経理、数字報告、経営助言、税務といった本来業務にとどまりません。たとえば、経営助言の中で資産活用や設備投資などに関するアドバイスを行うことも、実は望まれているのだと思います。こうした活動は、多角的なアプローチから関与先を守る完全防衛への第一歩。私は、企業防衛に加えて資産税業務もフォローすることで、関与先の完全防衛を実現したいと考えています。

あなたの関与先は満足していますか?

I:しかし、本来業務に追われる会員も多いのでは?

齋藤:あなたの事務所に関与先は満足されていますか?関与先の経営者や担当者から『ありがとう』と言われていますか?いまや税務会計に関する業務は当たり前です。さらなる付加価値業務として、企業防衛や資金調達、そして不動産活用など、「そこまでやってくれる税理士はTKC会員だけ」と、もっとアピールしてはいかがでしょう。きっと喜ばれると思いますよ。
関与先に、「不動産のことまで相談に乗ってくれる」という安心感を与え、結果的に「ありがとう」と言われたときこそ、私たちは真のやりがいを感じるのではないでしょうか。

I:関与先の満足が一番のやりがいになるのですね。

齋藤:そもそも私たちは、モノを売る仕事ではありません。当事務所のベテラン職員も、「一番うれしいのは、お客さまから『ありがとう』と言われること」とい言いますよ。
でも、正直、私たちの業界はやるべきことが多すぎます。協定企業との付き合い方は、案件の紹介というより「専門家につなぐ仕事」だと考えます。企業防衛と同じで、保険という商品と不動産という商品を、それぞれ長年の協定関係で信頼できる企業から提供されていると考えましょう。せっかくこんな良いアイテムがあるのに、それを活用しないのはもったいないですよ。

まず事例に触れ、横の交流を持つ

I:では、どう取り組んでいけば良いのでしょうか?

齋藤:「建設関係や不動産の情報には疎い」「何から取り組めば良いのか分からない」という方もいらっしゃるでしょう。ゼロからイチ、まさに最初の一歩が肝心で、一つの成功体験が、その後のスムーズな循環につながっていくと思います。
そのためにまず、取り組んでいただきたいのが「事例を知る」こと。まずは、事務所を訪問される担当者とコミュニケーションを取って、「どういう事例があるのか」「大和ハウスのサポートで、どんなことが可能なのか」を知ることが大切です。このウェブサイトや3カ月に一度届く情報誌のTKC&D CREAREも参考になる事例が充実しており、私も毎号必ず目を通すよう習慣づけています。また、地域の支部例会や会合、懇親会で“横の情報交換”を積極的に行ったり、協定企業の担当者と交流を持ったりすることはとても重要だと思います。

I:「情報がない」という声も多く聞かれます。

齋藤:「紹介する案件がない」という会員もおられます。視点を変えてみましょう。資産税や相続対策の関連だけが紹介案件ではありません。たとえば、多くの関与先は、工場や事務所の土地や建物を所有か賃貸されています。事業成長に向けて、その不動産を建て替えたり修繕したり移転や設備投資の可能性はどの企業もあるはずで、 言い換えると、“不動産に全く関係のない関与先は存在しない”といえます。
巡回監査担当者は、関与先の元に毎月伺い、各種数字や経営成績の話をし、会計税務の専門家として、売上や利益率をどうやって伸ばしていこうかという会話をしています。「じゃあ、売上を上げるために工場を増やそうか」や「投資を検討しよう」といった話題が出たときに、「いいですね」という返事で話題が終わっていませんか。「ウチの事務所なら、大和ハウスをご紹介できます」という一言が出るか否かが大きなポイントとなるのです。

安心できる企業を紹介できるかがポイント

I:ご自身はどんな点に注意して活動されていますか?

齋藤:主観ですが、東京や大阪などの大都市圏と比べて地方都市の静岡では、経営者のほとんどが一定の資産を保有しているという特徴があります。言い換えれば、地方では経営者イコール資産家となり、事業承継だけでなく相続税にも不安を抱く方が多いということ。「資産税は対応できない」「相続は専門外」「ハウスメーカーは知らない」などと、私たちはもう言えない環境・時代なのです。経営相談を受けると相続の話へとつながる場合が多く、そこにはほぼ必ずハウスメーカーが関係してきます。重要なポイントが、そこで“いかに安心できる企業を紹介できるか”。「完全防衛」の観点では、関与先に安心感を与えることが、必要かつ求められる点なのです。
一つの例でいえば先日、「廃業して工場を売却したい」との話を聞きました。事業承継を大きく捉えたとき、M&Aや株式の譲渡の他、廃業という選択肢もあります。売却先として大和ハウスさんをご紹介し、おかげさまで関与先のソフトランディングな最後を見届けることができました。

職員への“紹介の意識づけ”

I:事務所全体の意識づけも大切ですね。

齋藤:はい、当然ながら関与先と直接顔を合わせる職員の力も重要です。当事務所でも父の代から大和ハウスさんをはじめ協定企業の担当者が頻繁に訪問され、父と話をされていました。職員は、その様子をしっかり見ています。
また先日には、静岡の大和部会で推し進めているランチミーティングを当事務所でも実施しました。和やかな雰囲気の中、研修会・勉強会的な要素もあり、「ウチの事務所と大和ハウスはつながっている」という空気感が、職員全体により浸透したと思います。こんなところから、職員たちが関与先を自然と「紹介してあげたい」と思うことにつながるのではないでしょうか。
実は、過去に当事務所内で資産活用の推進会議を毎月行いました。「巡回監査先や確定申告のみの関与先、親戚や友人知人、何でもいいから不動産活用の情報を出そう」と。結果、1人当たり年3~4件の情報が出たものの、やはり続きませんでした。職員には一時的な負担になりましたが、その後の意識づけには着実につながりました。
今後も、関与先の完全防衛を永遠のテーマに、あらゆる角度からのサポートを続けていきます。

齋藤 賢二
2004年 税理士登録・TKC全国会入会 2009年 税理士法人SSS設立・代表就任。
相続税申告における豊富な実績はもとより、個人の相続や資産活用事例の相談に数多く対応されています。現在、TKC静岡会 資産活用委員長、中部ブロック担当副会長、TKC相続税・贈与税システム小委員会 委員、TKC資産対策研究会 業務開発部会 委員。