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コラム vol.359-9
  • 賃貸住宅経営のポイント

2021年から動き出す新しい住宅政策とは?(9)総括

公開日:2022/02/10

POINT!

・一般的に経営に必要な資源は、「ヒト(人)、モノ(物)、カネ(金)、情報」の4つ

・「ヒトの高齢化」が進むことで、適正な判断ができず、住宅という「モノの老朽化」が進んでしまう

・賃貸住宅オーナーとして、上手に新しい変革の風をつかみ、どのように変化 をチャンスに変えていけばいいのかを理解する

本シリーズでは、2021年に改定された住宅政策の指針「住生活基本計画」により、今後の住宅政策や賃貸マーケットがどのように変化していくのか?賃貸住宅オーナーとして、どのように行動していけば良いか?を「一歩先読みする」というコンセプトの下、お伝えしてきました。
執筆を開始した2021年3月時点では、この掲載が終了する頃にはコロナ禍が終了もしくは出口 が見えているだろうと予測していましたが、実際はいまだに出口も見えていない状況です。
経済も「K字回復」と言われるように玉虫色で、良い業種と悪い業種が入り乱れ、その結果、様々な分野で格差も生じ始めています。
そのような状況下でも、ビジネスは結果が全てです。定説化しているロジックや過去の成功体験に基づく発想も世の中が変化していく中で変えていかないと陳腐化してしまい、セオリー通りにもかかわらず、間違えてしまいます。
賃貸住宅経営も一緒です。結果を出し続けるためにも長期的な視点で考え、想定される事柄にしっかりと対処していく必要があります。
先行きが見えない状況下ですが、今回のような政策改定は、未来への一種の灯です。
上手に活かしていきましょう。

4つの経営資源、ヒト(人)とモノ(物)の視点から見ると

一般的に経営に必要だと言われる資源は「ヒト(人)、モノ(物)、カネ(金)、情報」の4つです。
これらの経営資源のうち、「ヒト(人)が高齢化」「モノ(物)が老朽化」することで、機能不全を起こしかけていることが問題点として挙げられているわけです。

初回「①住生活基本計画と変化する理由(現状と課題)」では、大前提として、既に住宅の量ではなく、質を重視した政策に大きく転換していること、そして、特に今回の政策では、都市部の賃貸住宅やマンションなど集合住宅の「モノ(物)の老朽化」がクローズアップされていることをお伝えしました。

前回の住生活基本計画(2016年)では、空き家=郊外の木造一戸建てを主な対象として施策が打たれているような印象を持ちましたが、5年を経て、規模が拡大。今回は集合住宅や賃貸住宅にも対象が広がっています。空き家対策については「⑥空き家の適切な管理の促進と除却、利活用の推進」で触れました。
また、「⑤子育て世帯・高齢者世帯への対応」や「⑧人生100年時代への対応~長寿化について」で、「ヒト(人)の高齢化」が進んでおり、今後もその勢いは落ちない、むしろ進んでいくことも確認しました。
「ヒトの高齢化」が進むことで、適正なタイミングで適正な判断や行動(≒管理)ができず、住宅という「モノの老朽化」が進んでしまうという悪循環も想定されます。

カネ(金)と情報の視点から見ると、違った見方が・・・

個人的に面白いと思うのは、他の2つの資源~カネ(金)と情報という要素は、逆の動きをしているとことです。第4次産業革命といわれている中、現在進行形で、キャッシュレス、情報通信 の高速&大容量化など日々、技術の進歩による社会の変化が進んでいます。
すると、「③新技術~デジタル化を活用した変化が求められる!?」で紹介したIT技術を活用す ることで、私たちの生活の利便性や快適性を高め、より良いものへと変革させようという「新たな日常」に対応することや「⑦環境問題~カーボンニュートラルへの対応」で説明したように、今までの基準に固執することで間違った判断をしてしまい、適切な対応ができなくなってしまいます。
そうならないように、現在の最低基準に合わせるのではなく、高度化する基準を事前に想定し、適宜対応していくことが大切だとお伝えしました。
ただ、IT技術においては向上した機能を上手に使えない(=対応できない)という方がたくさんいらっしゃる状況も垣間見えます。最初から新技術に対応できる人は一握りのはずです。その道のプロからしっかりとした情報&ノウハウを学び、時代に乗り遅れないようにしましょう。
「④頻発・激甚化する災害新ステージにおける安全な住宅」では、いつ何時起きるかわからない、賃貸住宅経営最大のリスクである災害に関する基本的なお話をしました。
右肩上がりの時代には、安心のバロメーターは国や企業から得られたと思います。ただ、ほとんど成長のない時代に安心を得るためには、ご自身でモノサシを作り、行動していく必要があります。 賃貸住宅経営であれば、「いつ、どのような管理をしていくのか?」「そのためにどのような収支になるか?」など基本的な発想や対処する方法を知り、コツコツと物事を進めることが肝要だと感じます。
そういう意味で、この「土地活用ラボ」から優良な情報を定期的に得ていきましょう。

「変化」を「チャンス」に変える方法!

このようにコロナ禍や激甚化する災害が多い現在は変化が多い時ともいえ、逆にチャンスも多いといわれています。それは、状況がコロコロ変わり、原理原則も変わりやすいからです。そのため適切に変化していかないと、判断を間違ってしまいます。
では、「変化」を「チャンス」にするにはどうしたら良いでしょうか?
それは、変化(CHANGE)をチャンス(CHANCE)にすることです。
つまり、「G」と「C」を入れ換えられるかどうか?です。

「G」と「C」の違いは、書き順でわかると思いますが、最後の「T」を書かない=トルことです。
この「T」にはどのような意味があるでしょうか?例えば、臆病さ(Timidity=ティミディティ)が あると、前に踏み出し、行動=変化できません。伝統(Tradition=トラディション)や自分自身の領 域(Territory=テリトリー)に固執してしまっても同じです。
知識や経験を積み、才能(Talent=タレント)を向上させないと、緊張(Tension=テンション)して、せっかく行動しても、結果を残しづらくなります。
今後も先行きが見通せない厳しい局面が予想されています。対処法としては、まず、上手に時間(Time)を活用して「こうしよう」というライフプラン=人生上の戦術(Tactics=タクティクス)を考えないといけません。
時間(Time)に余裕があれば、適正なタイミング・時流(Tide=タイド)で引き金(Trigger=トリガー)を引き、行動を起こせるので、変化(CHANGE)をチャンス(CHANCE)にできるでしょう。
賃貸住宅オーナーとして、上手に新しい変革の風をつかみ、どのように変化をチャンスに変えていけばいいのかを理解する必要があります。
そのためにも近くにみなさんのことをよく知っている参謀や軍師を置き情報収集に努めましょう。

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