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コラム vol.222-7
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特集:中小企業の為の不動産戦略~基礎編 第7回目~ 中小企業と社宅

公開日:2018/01/31

中小企業の為の不動産戦略シリーズ。第7回目は、中小企業が所有する社宅について考えてみたいと思います。

企業が行う不動産投資については、バブル崩壊以降ネガティブなイメージがありました。本業以外の事に投資を行い、大きな損失が出たらどうする、ということです。バブル期には多くの企業が、本業とかけ離れた不動産投資を行う事例が多く見られましたが、バブル崩壊により多くの損失を被ることになり、中にはそのことが原因となり、残念ながら倒産した企業も見られました。
本業と全くかけ離れた不動産投資とまでは言わないものの、一定の金額の不動産投資となる社宅については、「持つメリット、デメリット」についてこれまで、見解の分かれるところでした。

かつては大企業だけでなく、中堅企業が社宅を保有する事例は、多く見られました。
しかし、バブルが崩壊し、不況が続き、2000年初めごろからは「持たざる経営」がもてはやされている状況下で、社宅を売却する企業が多く見られました。こうした用地が2000年代前半のマンションブーム(多くのマンションが建てられた)に繋がりました。

社宅保有のメリット

社宅を保有することは、いくつかのメリットがあります。
まず、社員の就業満足度、ロイヤリティ向上につながります。福利厚生として若手独身社員に社宅を安価で貸すことは、相対的に給与の低い若手社員には、メリットとして感じてもらえるだけでなく、そこでの共同生活は一体感をもたらし、関係性(きずな)がつよまることで、仕事においてもプラスに作用するものと思われます。
また、社宅保有してることは、新卒採用においても、プラスに作用することが多いようです。寮のイメージは体育会的な規律性や上下関係を連想させて、ネガティブなイメージを持つ若者もいるのは事実ですが、近年こうした一体感を求める方々が、再び増えているとの指摘もあり、プラスに作用するものと思われます。

社宅の保有は不動産投資といえます。土地を購入してそこに賃貸住宅を建てるわけですから、借り上げ社宅の場合は、家賃補助はそのまま出費となりますが、賃貸住宅ですので、空いている使っていない部屋を貸すことができます。そこから得られる賃料は企業においての収入となります。もしも、経営状況が良くない場合には、売却して資金を得ることもできます。

以前見た事例ですが、敷地内に1棟の社宅が建っており老朽化していました。その老朽化した社宅の建て替えを契機(同時に)に、敷地内にもう1棟の賃貸住宅を建てて、そこは一般賃貸住宅として貸し出しておられました。ここからの賃料収入は、建て替え資金に充てるという算段もあったようです。

もちろん、持つことでコストがかかることは否めない。新たに土地を取得するならば、その購入費用、建築費用が掛かります。日々のランニングコストの他、固定資産税がかかる上に、管理する本部社員も必要となります。また、年数が経てば、リフォーム、大規模な修繕もかかりますので、あらかじめその費用を織り込んでおくことも必要です。

こうした費用はどうしても必要となるので、先に例をあげたような、一部を一般賃貸として貸し出すことは、こうした費用の一部を捻出する策としていいのではないでしょうか?

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土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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