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CREトレンド

2025.3.28

CRE戦略としての拠点(オフィス)施策を考える

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多くの企業は本社オフィスや支店、営業所などの営業拠点、製品を保管・配送するための配送センターなどの不動産を賃貸または購入して事業を行っています。事業に関する不動産の内容は多岐にわたり、オフィスや店舗、工場に加え、駐車場、ほかには福利厚生施設として購入した社員寮や宿泊施設なども含まれます。
こうした不動産について、どのように適切な形態、立地、広さ、数、環境などを判断し、選択していけばよいのか、また、すべて賃貸なのか保有するのかなどの判断も必要です。こうした社員が働く拠点や環境について戦略的に考えるのが、「CRE戦略としての拠点(オフィス)施策」ということになります。
CRE戦略というと、「企業が保有または貸借している不動産を有効活用することで、企業の価値を最適化させる」ということになりますが、本来はもっと幅広い不動産に関する戦略のことであり、実際に保有している不動産のみを考慮するものではなく、企業が不動産を最大限に活用する経営戦略のことをいいます。

日本の企業が保有する不動産(CRE)の多くは、企業において事務所や作業所など、いわゆるオフィスとして活用されています。しかし、CRE戦略の観点から見た場合、オフィスは依然として社員に無料で提供できる場所という認識の経営者は少なくありません。
企業が持つ不動産を、企業価値向上の一環を担うCRE戦略としての資産として考えるのであれば、不動産を活用するオフィスにおいても、企業価値をいかに向上させるかの視点で取り組む必要があります。つまり、オフィスのあり方をCRE戦略の一環として捉え直すということです。
オフィスや作業所は、企業活動を行うにあたって非常に重要なものです。オフィスの立地条件によって採用条件や人材も変わりますし、福利厚生施設として活用することで、社員の満足度やモチベーションにも変化が生まれるはずです。

活況を示すオフィス市場

2024年後半は、東京をはじめ、大阪、名古屋、札幌、仙台など都市部で、オフィスの空室率が低下しているようです。特に東京都心のオフィスビル(大規模ビル)の空室率は2025年1月が3.5%と、5カ月連続で前の月を下回っているという調査データもあります。つまり、空室率が3.5%しかないほど、オフィスへの入居ニーズが高まっていることになります。(三幸エステート株式会社「オフィスマーケット2025年2月号」より) 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、一時はリモートワークなどが広がりましたが、ここへきて、出社する動きが広がっているようです。働く人々がオフィスに回帰するということに対して、昨今の労働力不足を補うためには、魅力あるオフィスを社員に提供することで、人材確保につなげたいという意識があると思われます。

働き方改革の流れも、オフィスに対する考え方を変えることにつながっています。引き続き、リモートワークやテレワークを推奨する企業は、シェアオフィスを第二のオフィスや外出時での活用などのために提供したり、中には保養所などの福利厚生施設をサテライトオフィスとして開放したりすることで、多様な働き方を提供し、働く人の労働生産性を向上するような取り組みを行っています。
また、社員同士のコミュニケーションの活性化や地方から都心へ移る新卒人材のために社員寮を新たに用意する企業も出てきています。

経済産業省が推進する「クリエイティブ・オフィス」

経済産業省は以前から、メンバーが連携・協働し、知識創造を活性化するオフィスを「クリエイティブ・オフィス」と呼び、ビジネスパーソンの創造性を高めるオフィスづくりを推進してきました。
経済産業省が監修し、一般社団法人ニューオフィス推進協議会が発行した『感性が育ち、創造が始まる クリエイティブ・オフィス 創造する組織を構築する環境づくりのための4つの物語』では、企業の創造性を活性化し、企業価値向上の一翼を担うことができるように、クリエイティブ・オフィスがもたらす目的として、「価値」「対話」「意欲」「加速」の4つを提唱しています。

【価値】新たな知識の創造

知識創造を促す行動を誘発することによって、さまざまな役割・専門分野の知識と経験を持ったメンバーの連携と協働を活性化させる「場」であり、多様な知識の融合から生まれるシナジーが、開発力の強化やビジネスモデルの変革を後押しする。

【対話】コミュニケーションの活性化

人々の出会いと交流を促す。部門を超えた対話と共有体験を通じて、個人が持つ情報や暗黙知が交換・共有される。それらは考える材料であり、発想のヒントであり、創造活動の重要な基盤となる。

【意欲】モチベーションの向上

同僚やライバルの行動や仕事の成果が見える環境の中では、人々は知的好奇心や競争心を刺激され、新たな取り組みと達成意欲が高まる。社員に働きやすさを実感させ、モチベーションを高める。

【加速】スピードアップ

オフィス空間と情報技術の効果的な活用は、プロジェクトの課題や進捗状況などを「見える化」し、臨機応変なコミュニケーションと迅速な対応を促す。そして、問題点の先出しや意思決定の迅速化が可能になり、プロジェクトのスピードアップを図る。

参照:一般社団法人ニューオフィス推進協議会『感性が育ち、創造が始まる クリエイティブ・オフィス 創造する組織を構築する環境づくりのための4つの物語』

大半の企業が事業のために使用するオフィスや工場が、そこで働く人たちの生産性を向上させたり、ES(従業員満足度)を向上させたりすることは間違いのないことでしょう。オフィス(拠点)づくりに戦略的に取り組んでいくことは、企業の経営にとっても非常に重要なことです。

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