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サステナビリティレポート制作担当者が知っておくべき“5つのポイント”

2020.12.11改訂(2018.09.26記事公開)

2017年度よりサステナビリティレポートを発⾏している大和ハウスグループ。制作にあたっては、想定読者が求めるサステナビリティレポートを作るための周到な事前準備と、社内の協力を得るための様々な工夫がありました。実際の制作に携わったサステナビリティ企画部の内田雄司、小川泰史、環境部の置田晃子、佐久間聡子に制作時のポイントを伺いました。

Point 1 ターゲット:誰に向けて作るのか

内田 : CSRレポートからサステナビリティレポートに移行する際に、“メインとなる読者は誰なのか”を議論しました。CSRレポートの際は、対象読者を広く捉え「マルチステークホルダー」にしていましたが、サステナビリティレポートでは、より明確にする必要があると感じていたのです。まずは、機関投資家やESGの専門家の方が求めている情報を届けたいと考えました。そのために、機関投資家の方も注目しているESG評価機関が求めていることを分析し、それを開示していくことにフォーカスすることにしました。

小川 : サステナブルな社会の実現を目指した経営を行うため、サステナビリティレポートを「説明責任の遂行」「適切な社外評価の獲得」「経営の改善への活用」の3つの目的で発行しています。ESGが広く認知されるようになった世相を受け、自社の現状と将来性を投資家に向け詳しく報告しています。

「ターゲットをESG評価機関と投資家に絞った」

Point 2 内容:どんな情報を盛り込んでいくのか

小川 : ESGにはいろいろな評価項目がありますが、ESG評価機関は国際社会におけるNGOや労働組合などにも意見を聞いて、それぞれの評価機関ごとにその項目を決定しており、国際社会やステークホルダーの期待・要請を集約したものと捉えています。また、それらの評価項目は毎年少しずつ変わるので、最新の項目を把握することが必須ですね。

置田 : ESGの評価項目で要求されるレベルは、年々上がっている印象を受けています。長期視点の機関投資家の方たちを中心に、ESG評価機関の評価を投資判断のプロセスに組み込む方が増えています。そのため、当社グループでは独自の「ESGデータベース※」を作成するとともに、機関投資家の⽅々との対話を通じて得たご意⾒やご要望をふまえてレポートの構成案を作り、各担当部門と意見交換を行った上でレポートに掲載する情報を決めています。

小川 : 今の課題は社会性報告などにおいて、グループ会社等の情報開示が不十分なことです。先進的なサステナビリティレポートを制作している他の企業と切磋琢磨しながら、より良いものを作っていきたいです。

※大和ハウスグループ独自のESGデータベースとは
GRIスタンダード等に示されているESG情報開示の手引きとESG評価機関の評価項目から、大和ハウスグループに求められている開示項目を整理した、独自のデータベースのこと。

「評価機関の評価項目や機関投資家からのご意⾒・ご要望を反映させていく」

Point 3 手法:評価項目に沿った情報をどのように収集するのか

小川 : サステナビリティレポートを制作するためには、社内で行われている取り組みを詳しく把握する必要があります。各部門から情報を提供してもらうのですが、適切な情報を提供してもらうためには、各部門の担当者にレポート発行の意義を深く理解してもらうことが大切です。

私たちは原稿制作の依頼時に「サステナビリティ担当者説明会」を実施しました。そこでは"大和ハウスグループとしてESGに取り組むこと"と"サステナビリティレポートを通じて、情報を開示すること"の2つの必要性を説明しました。

レポートを基にしたESG評価結果を本社部門長と共有

置田 : 各担当者にESGの評価項目と各部門の業務を結びつけて理解してもらうことに力を注ぎました。レポート制作の際、各部門の担当者に「原稿制作依頼シート」を渡しても、「何を書いていいのかわからない」という反応が少なからずありました。そのため、ESG評価項⽬や機関投資家からのご意⾒など、社会から何を求められているのかを丁寧に説明しました。同時に「原稿制作依頼シート」には、記入例を書いておくなど必要な情報をまとめてもらいやすくするよう⼯夫もしました。

内田 : 担当役員へインタビュー形式で話を聞くプロセスを経たことで、役員自身の経験を踏まえた環境・社会性に関するオリジナリティのある言葉を引き出せました。年々、各部⾨のESG評価への理解が深まるにつれ、各部門の主体性が伴い深化されたものになりました。

「事前の社内説明と情報収集するための原稿制作依頼シートを作った」

Point 4 スケジュール:どのようなスケジュールで準備するのか

小川 : 例年の発⾏は、評価機関の評価実施時期にも左右されますが、おおよそ7⽉中旬で、制作⾃体は前年の10⽉ごろからスタートします。編集業務は年間を通して切れ目なく続いています。

置田 : スケジュール通りに制作するには、社内の協力体制がとても大切です。この仕事を円滑に進めるためには、普段から社内の風通しをよくし、人間関係を構築しておくことはとても大切ですね。

制作の流れ

※2018年度の制作スケジュール

「必要な工程に応じスケジュールを逆算する」

Point 5 振り返り:発行後のヒアリングで反響を確認する

小川 : 2017年度に初めて発行した『サステナビリティレポート 2017』は、「第21回環境コミュニケーション大賞」の環境報告大賞(環境大臣賞)を受賞し、最も優れた報告書としてご評価をいただき、2019年度には殿堂⼊りとなりました。また、大和ハウスグループがGPIFのESGインデックスなどに選定されるという結果にもなり、このような実績も、社内でレポート制作の意義を理解してもらうことや、モチベーションアップにつながっています。

佐久間 : サステナビリティレポートは専門性が高いため、社内で読んでいる人は少ないだろう思っていましたが、いざ自分が制作に携わると、想像以上に社内からの問い合わせが多く驚きました。内容について詳しい質問を受けることで、社内のみなさんに読まれていることを実感しました。

内田 : レポート作りを通じてサステナビリティに関する取り組みを可視化することで、グループ内においても将来の方向性に対する取り組みイメージの共有がしやすくなり、副次的な影響力を感じています。

「発行後社内外の声を聞き、次回の制作に生かす」

このページではレポート制作方法を紹介しました。次のページでは、大和ハウスグループの「サステナビリティレポート2018」の注目ポイントと専門家からのコメントをお届けします。

※ 記事内容および社員の所属は取材当時のものです。

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