土地活用ラボ for Owner

土地活用ラボ for Owner

コラム vol.238-6
  • 賃貸住宅経営のポイント

特集:賃貸住宅経営 6大リスクの回避法 金利上昇リスクにどう対処するか?

公開日:2018/09/19

6回シリーズ「賃貸住宅経営の6大リスク」の最終回です。
賃貸住宅経営の6つのリスクとは、これまでに述べた

1)空室リスク
2)賃料下落リスク
3)修繕リスク
4)管理リスク
5)災害リスク
1)~5)に加えて6)金利上昇リスク

です。今回はこの「金利上昇リスク」に対してどう対処するかについて考えてみます。

賃貸住宅経営における金利リスクとは

土地を所有する方が、その土地を有効活用して賃貸住宅を建てて経営を始める時に銀行から借りる融資を一般的にアパートローンと呼びます。(賃貸住宅のリフォームの際に借りる融資も、同様にアパートローンということもあります。)
アパートローンは基本的には、賃貸住宅の賃料で返済しますので、借り主の属性(年収など)だけでなく、賃料見込みがどれくらいなのかが、融資審査の大きなポイントとなります。
アパートローンはたいていの銀行が商品として持っており多少条件が異なりますが、期間は35年が上限、そして固定金利と変動金利の2パターンから選ぶことが多いようです。(固定金利は期間付き、全期間の場合あり)

固定金利は、期間内(あるいは全期間)金利が固定されているローンです。
固定金利の場合は、金利が上昇するリスクはありません。賃貸住宅経営を始める時(借入時)には、想定賃料、想定経費、ローン支払いなどを含めた収益シミュレーションを建てますが、このシミュレーション上において、支払額が増えることはありません。

一方、変動金利の場合は、市況等によって金利が変化するタイプの金利です。 以下、変動金利(連動金利)みずほ銀行のHPからの引用です

「新規お借入時の金利は短期プライムレート連動長期貸出金利の当行最優遇金利(期間3年超)の変更日から2週間後に見直しさせていただきます。 お借入後の金利の見直しは短期プライムレート連動長期貸出金利を基準として変更日の2週間後以降の最初に到来する約定返済日の翌日より行います。その場合、短期プライムレート連動長期貸出金利の変更幅と同じだけ引き上げ、または引き下げます。 金利に変動があった場合は、新お借入金利、残存元本、残存期間に基づき新しいご返済金額に見直しさせていただきます。」

このように、金利上昇の可能性も金利下落の可能性もあり、シミュレーションがぶれる可能性があります。
一般的に固定金利より変動金利の方が低いことが多いので、変動金利を選ぶ方が多いようですが、こうした上下リスクが伴うので注意が必要です。変動金利→固定金利には変更もできる(有償、無償の場合あり)ので、大きな金利上昇基調になれば変更すればいいと考える方も多いようですが、いずれにせよ、「シミュレーションがブレる」リスクはあります。

ブレない賃貸住宅経営を希望するなら固定金利、多少のリスクがあっても収益性重視ならば変動金利、というのが定石でしょう。 ちなみに、実際の金利については、借入日の金利が適用されるので、実際に申込をしてみないと明確な数字は分かりませんので、注意が必要です。

2007年以降の金利の推移

ここで、2007年以降の各金利の推移を見ておきましょう。

(図1)各種金利の推移

一番下のオレンジ線は長期国債(10年モノ)の推移です。マイナス金利政策を始めた当時マイナスだったことがわかります。金融緩和政策が施行された2013年以降、金利がかなり低水準で推移していることが分かります。
また、銀行金利は店頭金利ですので、実際はハウスメーカーなどで賃貸住宅を建てると、メーカーと銀行間で結ばれた優遇金利が適用されますのから、この数字より低い金利となっているようです。

(図2)賃貸住宅融資(35年)の推移

住宅金融支援機構HPより作成

図2は住宅金融支援機構の賃貸住宅融資(35年固定)の金利推移です。 こちらも2013年以降低下を続け、2016年のマイナス金利政策導入時まで下がり続けましたが、それ以降は1.5%前後で横ばいとなっています。概ね、1.5%前後というのが現在の賃貸住宅融資(アパートローン)の固定金利です。

最後に、今後の金利のゆくえ

では、これから金利はどうなっていくのでしょうか?
民間シンクタンクの予想などを見ていると、今年(2018年)年始には秋ごろから金利は上がるとの予想が多かったですが、あまりその兆候は見られません。
最近の動向を総合的に判断すると、しばらくは大きな金利上昇はなさそうです。
今後の中期的な展望としては、「僅かづつ、かつ、ゆっくりと少しだけ金利上昇する」というのが大方の見方だと思います。

  • 前の記事へ前の記事へ

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

メールマガジン会員に登録して、土地の活用に役立つ情報をゲットしよう!

土地活用ラボ for Owner メールマガジン会員 無料会員登録

土地活用に役立つコラムや動画の最新情報はメールマガジンで配信しております。他にもセミナーや現場見学会の案内など役立つ情報が満載です。


  • TOP

このページの先頭へ