大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

土地活用ラボ for Biz

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コラム No.27-23

サプライチェーン

秋葉淳一のロジスティックコラム(1) ロジスティクスは戦略であり、手段ではない

公開日:2018/03/31

ダイワロジテックの誕生

2017年11月、大和ハウス工業の新たな一員として、株式会社ダイワロジテックが生まれました。
これまで、大和ハウス工業は多くの物流センターを提供してきましたが、施設だけではなく、物流オペレーションまで含めたトータルソリューションとして提供するために生まれた会社です。
フレームワークス、アッカ・インターナショナルなどの5社に加え、資本提携しているGroundとHacobuを加えた7社が、現在のメンバーです。
ダイワロジテックの主な設立目的として、大きく3つあると考えています。
まず、現在の物流業界には、慢性的な人財不足、労働集約型ゆえのコスト高などをはじめとする、実に多くの慢性的な問題を抱えていますが、それらの問題をこれまでのアプローチとはまったく異なるやり方で解決しようとするのがダイワロジテックです。
アルバート・アインシュタインが、「我々が直面する重要な問題は、それが起きた時と同じ考えのレベルで解決することはできない」と語るように、現在起きている問題は、現在ある視点やソリューションで解決することは不可能です。

次に、大和ハウス工業は多くの物流不動産や施設を持っています。お客様も同様に、多くの物流不動産や施設をお持ちです。
そうした資産の価値を上げるために、私たちが提供するプラットフォームソリューションを活用いただこうと思っています。つまり、私たちのサービスを活用いただくことで、付加価値、生産性を上げ、資産価値を高めていただきたいのです。

そして、何よりも、これからのロジスティクス業界で働く人たちが、いきいきとカッコよく、誰もが憧れるような働き方をしていただきたいと思っています。物流業界は仕事がきつく、条件もあまりよくないと言われていますが、そうしたイメージを払拭し、仕事の価値を高め、優秀な人材が集まるような状態を目指しています。
そのために、ダイワロジテックは挑戦を続けていきます。

Eコマースへの移行がもたらす課題

現在、小売りが店舗からEコマースでの販売に大きく移行しています。小売店での販売においては、物流センターから商品を店舗にまとめて送るだけですが、Eコマースでは物流がまったく変わります。
まず、単位が非常に細かくなります。私たちはタッチ回数と呼びますが、人が触れる回数が増えれば増えるほどコストが上がります。たとえば、お店であれば箱単位で送ればよかったものが、1個単位になります。箱に1ダース入っていたとすると、今まではその12個が1回のタッチでよかったのに、12回のタッチになるということです。12回触ろうが1回触ろうが、売れている数は12個でしかないので、売り上げからすると同じ金額なのに、コストは変わってきている。それだけ物流サイドが大変になるということです。
物流をコストとして捉えると、対売上構成比何パーセントが物流費という発想になります。つまり、12個バラバラになるとコストが上がるという発想にはなりにくいし、考えたくもないでしょう。これは非常に大きな問題です。

次に、荷物を届ける時間の問題があります。お店の場合は売場があり、当然、その日売れる以上の数がそこに並んでいます。なおかつバックヤードにもあります。スーパーの飲み物売り場の冷蔵庫には飲み物がたくさん並んでいます。
ですから1個2個売れても、売れた瞬間に商品をそこに届ける必要はありません。しかし、Eコマースの場合は、売れた瞬間に、すぐに届ける必要があります。それが今日中なのか、明日なのか、あさってなのかは別として、その人が欲しいと言う時間に届けなければなりません。これはとても大きな差です。
機械工具などをプロ向けに販売するトラスコ中山という会社があります。プロが使う商品をスピーディに届けることを重視している企業です。掘削工具などのMRO(機械工具などの工場用副資材)の商材は、工具が壊れてしまうと、その瞬間にその人たちの商売に直結します。ということは、当たり前ですが、どれだけ確実にデリバリーできるかが重要です。売れ筋の商品はホームセンターでも買えるかもしれませんが、プロ仕様のどこでも売っているものではない商材だからこそ、デリバリーのタイミングが重要だと認識されています。
Eコマースでも、同じようなことが起きています。ロングテールの商品をどれだけ持ち、適切なタイミングでデリバリーすることができるかどうかが非常に重要になっています。

ロジスティクスとは戦略であり、手段ではない

ロジスティクスは戦略であり、手段ではありません。これは、もっとも重要なことなのですが、まだまだロジスティクスは物流と同じ考え方をされています。ロジスティクスを手段だととらえてしまうことに、大きな間違いがあるのではないでしょうか。

Eコマースやオムニチャネルが発達する前、商材をまとめて店舗に送る時代に、それほど物理的、時間的な制約がない場合は、「オーダーがあったら動く」ことでも大丈夫でした。
「届ける」という「手段」をその時点で考えればよかったわけです。しかし、「手段」という認識のままだと、スマートフォンによって、いつでもどこでも物が買えるようになった世界では、どうやって対応していくのかが非常に難しくなります。そしてこの流れは将来にむけてさらに拡大していくのは間違いないでしょう。

経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より

さらに、ロジスティクスを戦略として考えないと、経営の問題であるキャッシュフローへのインパクトが見えなくなってしまいます。
商品が、店舗でもEコマースでも売れる、オムニチャネルの時代になると、改めて、在庫が経営に対して大きなインパクトを与えるようになります。在庫をどうやってコントロールするかで、キャッシュフローがまったく変わるからです。しかし、在庫がキャッシュフローと密接に関連し、経営にどれだけインパクトを与えるかをわかっていない人たちが、まだまだいます。
コストという観点から見たとき、配送費用や物流センターの中のコストもたしかに経営にインパクトを与えるのですが、もっとも経営の改善に効果があるのは在庫のコントロールです。

B2C、B2B双方において、Eコマースが発展し、流通のかたちが大きく変ろうしている現在、鍵を握るのは間違いなくロジスティクスです。ロジスティクスを戦略としてとらえ、経営課題として取り組むことが今求められています。

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式会社フレームワークス会長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構築に携わる。
その後、多くの企業のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構築とそれに伴うビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式会社フレームワークスに入社、SCM・ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業に応じたオムニチャネルを実現するために奔走中。

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