大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

大和ハウス工業

コロナ禍を経て、変わっていくホテル事業

 大和ハウスグループでは、ビジネス客やファミリー、外国人のお客さまなど、ターゲットを明確にして全国でホテル事業を展開しています。
 統計調査などで回復傾向にあると報じられているホテル事業について、現状を担当者にヒアリングしたところ、インバウンド需要の効果で活気が戻ってきた一方、コロナ禍を経て、変わってきたホテルへのニーズの実態が見えてきました。

1.回復するホテル事業
 国土交通省観光庁が2023年9月29日に発表した「宿泊旅行統計調査」によれば、2023年8月のホテル・旅館の稼働率(速報値)は、62.7%でした。延べ宿泊者数は、6,227万人泊(2019年同月比-1.5%、前年同月比+32.9%)。そのうち外国人延べ宿泊者数は1,034万人泊(2019年同月比+9.0%、前年同月比+1,330.5%)となり、コロナ禍の影響で大きく落ち込んだ2020年2月から約3年半ぶりにプラスへと転じました。コロナ禍で国内ホテルの稼働率は、インバウンド需要の蒸発により2020年5月には12.9%まで落ち込みましたが、観光需要回復のための政策をはじめ、2022年10月の入国制限緩和により大幅に上昇。2023年8月10日には、中国政府が日本への団体旅行を解禁したことなどで、訪日外国人(インバウンド)の需要が新型コロナウイルス流行前の水準に回復しました。

2.コロナ前の水準を上回るホテルも
 大和ハウスグループが運営するホテルは全体的に回復傾向にあります。お客さまが戻った現場からも「多くの方にご利用頂き、お客さまとのコミュニケーション機会が増え、モチベーションも高まっている。(コスモスホテルマネジメント)」「各種旅行支援があり、事務的な業務負担も大きかったが、大勢のお客さまに来ていただき、『ありがとう』のお言葉をいただく機会も増えて、忙しいながらもやりがいを感じている。(大和ハウスリアルティマネジメント)」など、明るい声が届いています。

 「ダイワロイネットホテル銀座PREMIER」や「ラ・ジェント・ホテル新宿歌舞伎町」など、東京エリアのホテルでは、2023年7月・8月の稼働率は90%を超えており、「ラ・ジェント・ホテル新宿歌舞伎町」についてはインバウンドのお客様が全体の9割を占めています。また、インバウンドをメインターゲットとしている「MIMARU」は、コロナ禍の2022年3月期は稼働率約15%と厳しい時期もありましたが、東京・大阪エリアにおいては、想定を上回る水準で回復が進んでおり、現在は9割がインバウンド、約8割が家族連れと想定ターゲット通りの状態に戻っています。

 インバウンドのお客さまだけでなく、国内客の利用についても、旅行支援が終了したにもかかわらず高い稼働率を継続しています。その中でも、テーマパークの利用者をターゲットとした「ラ・ジェント・ホテル東京ベイ」「ラ・ジェント・ホテル大阪ベイ」については、一時期は一桁台まで落ち込んだ稼働率が2021年12月には90%前後にまで回復。「ダイワロイネットホテル」においても「ビジネスパーソンの出張宿泊が戻りつつあるのに加え、帰省や観光などの需要が活性化しており、全体的にADR、RevPARは上がっている。」と、活気が戻ってきています。

3.人手不足をはじめとしたホテルの問題
 一方、ホテル業界における従業員不足は恒久問題となっており、「福利厚生制度の見直し等、続けやすい環境を作って離職率を下げる。また、採用後の研修や面談を充実させ、育成と定着に力を入れていく。(大和ハウスリアルティマネジメント)」「清掃会社等の協力会社の人手不足については、当社のスタッフによるサポート等も行っている。(コスモスホテルマネジメント)」「無駄な作業を省いたほか、一部ホテルでは自動チェックイン機の導入も進めている(大和ハウス工業)」など、各社試行錯誤で問題と向き合っています。

4.ホテル事業は「量」から「質」を重視する傾向に
 コロナ禍前と比較して、稼働率と異なる変化を見せているのがADRです。大和ハウスグループではADRがコロナ前の約1.3倍に上昇したホテルがあるほか、インバウンド比率が高いホテルにおいては、ADRが高くても選んでいただけるお客様が多い傾向にあります。また、国の補助金や季節波動などの要因もあるため一概には言えませんが、最近は、国内客の単価も上昇傾向にあります。今後は、お客様へのサービスを一層充実させ、顧客満足度を挙げていくことが課題となってきます。

 政府は、2023年3月に年間の訪日旅行消費額を2025年までに1人当たり20万円に引き上げ、観光政策の重点を「量」から「質」に転換する目標を新たに掲げました。これは、海外のお客さまが旅行に使う費用が増加してきたことに起因します。ホテル業界では都心を中心に高級ホテルの進出が相次ぎ、また既存ホテルも各社が独自のプランをだし、他社との差別化を図っています。

 大和ハウスグループが運営するホテルも世の中の状況に合わせて変化するべく、各社が新しい挑戦を始めています。大和ハウスリアルティマネジメントでは、現在10か所のホテルで取得しているエコマークを、2024年度までに全ホテルの取得を目指しています。また、ビジネスに限らずファミリーやカップルでも宿泊できるツインやダブルの部屋を増やし、新規の顧客層を開拓します。コスモスイニシアでは、事業拡大に向け、主に東京・大阪を中心に新規用地の検討を進めているほか、新たなエリア限定商品の開発も検討しています。大和ハウス工業では、ホテルの独自色を出すため、「ラ・ジェント・ホテル沖縄北谷」と「ラ・ジェント・ホテル新宿歌舞伎町」は全室(ハンディキャップルームなど除く)で株式会社MTGによる美容ブランド『ReFa(リファ)』のシャワーヘッドを2023年1月に導入しました。今後はリピーターにもご満足いただけるよう、設備やサービスを追求するとともに、客単価の上昇も目指します。

 大和ハウスグループの強みを活かし、各社で異なるターゲットのホテルを展開するとともに、より良いサービスを提供することで、ホテル業界の活性化に貢献していきます。



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