大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

大和ハウス工業株式会社

■物流施設の床の夏型結露を抑制

「結露予測制御システム」を当社物流施設にて運用開始

 大和ハウス工業株式会社は、物流施設の床における夏型結露を抑制する「結露予測制御システム」を開発しました。

【「結露予測制御システム」概要】

 近年、地球温暖化の影響を受けて、夏期に外気露点温度(※1)が高くなる時間が増加しています。これにより、空調設備を備えていない物流施設では外気よりも温度が低い傾向にある床表面で夏型結露が発生する可能性が高まり、保管物への悪影響や作業上の支障が懸念されています。
 そこで当社は、物流施設の床表面で結露が発生する可能性の予測と機器の事前制御を行う「結露予測制御システム」を開発しました。本システムは、施設に設置した各種センサー(温度・湿度)と気象予報のデータをもとに、翌日に床表面で結露が発生する可能性を予測し、可能性が高い場合はシステム利用者への通知やアラーム表示器の点灯、換気機器の自動停止を行います。
 2024年6月に本システムを初搭載した物流施設「DPL小田原」が稼働しており、今後も当社が開発する常温物流施設で順次採用予定です。
 ※1 空気中に含まれる水蒸気の量を示す値。露点温度を下回る部位がある場合に、部位表面で結露が発生。

【7~9月にかけて露点温度24℃以上となる時間数の年別積算値(東京)】

■ポイント
1.建物ごとに結露の可能性を判定
2.機器の事前制御により結露被害を抑制

1.建物ごとに結露の可能性を判定
 本システムでは、建物ごとに結露の可能性を判定するため、建物に設置した各種センサーと気象予報データから当該建物における翌日の床温度を予測し、外気露点温度予報値との比較を行います。
 建物に設置したセンサーの過去1週間の実測値から、気象情報と床温度の相関を表す予測式を自動作成し(※2)、気象庁が公表する気象予報値を予測式に入力することで、翌日24時までの床温度の推移を予測します。予測した床温度よりも外気露点温度予報値が高くなる場合、当該時間帯において結露の可能性が高いと判定します(※3)。
 ※2.予測式は1日ごとに自動更新。
 ※3.システム上で任意の基準値を設けて判定。基準値は2段階で設定可能。

2.機器の事前制御により結露被害を抑制
 本システムでは、結露被害を抑えるため、施設利用者へのアラートメールの発信やアラーム表示器の点灯、換気扇の自動制御を行います。
 アラートメールは、結露の可能性が高くなる日の前日に、システムに登録されたメールアドレスに送信されます。これにより、システム利用者は現場作業員への注意喚起や荷物の養生、可搬式除湿器の手配などの対策を事前にとることができます。あわせて、アラーム表示器の点灯と換気扇の自動停止を事前に行い(※4)、高湿な外気の侵入を抑制します。また、結露の可能性が低いと予測した時間帯でも、建物に設置されたセンサーによって床温度と外気露点温度を常時比較し、実測値で結露の可能性が高いと判断した際には、強制的にアラーム表示器の点灯と換気扇停止を行います。
 ※4.結露の可能性が高い時刻を含む午前または午後の12時間の間、アラーム点灯と換気扇停止状態を継続。



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