大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

ダイワログ

対談 【第3回】長寿社会における生きがいのあるまちづくり

いつまでも安心して暮らせるまちづくりを

司会 大和ハウスもこれだけ大きな会社になられたので、たくさんの技術や、多彩な発想があると思います。

井上 当社の社員憲章にありますが、創業50周年CI(※)の改変においてエンドレスハートのロゴをつくったときに、「人・街・暮らしの価値共創グループ」を掲げました。ここ豊四季台の取り組みも、憲章にあるような取り組み事例の一つだと思います。
例えば住宅を例に取れば、私たちは家を建て、お客様にお引渡しして、そこで終わりではありません。そこから新たに、お客様と生涯に渡るお付き合いが始まります。お客様には、建てていただいた家で長きにわたり、安全安心で快適に暮らしていただかなければなりません。そのためには、お客様の大切なお住まいの価値の維持・向上を図り、まち全体としての価値を高めていく必要があります。当社はそれらのお手伝いをさせていただくことも重要な使命であると考えています。

※CIとは… コーポレート・アイデンティティの略。社名のロゴタイプやシンボルマークなど、会社を表すもの。

佐藤 大和ハウスは、これまで賃貸住宅とか分譲住宅、商業分野など、様々な分野で総合力がある企業だと思います。これからもまちづくりにおいて、新しい発想・技術力で展開されていくことを期待しています。

木村 私は、楽しい高齢社会のまちづくりの核には、やはり行政がならなければと思っています。しかし自治体の人や財源は限られていますから、今後は大胆に企業に協力を求める時代になってきていると思います。秋山先生がいつも言うように「パラダイムの転換」が必要です。そうなると企業と行政がどう手を結ぶか、コラボレートするかというのはものすごく大事になる。それはお互いのWin―Winの関係でできると思うんです。中でも企業には高齢者の雇用について、事業者としてしっかりと根づいていってもらいたいと思います。

秋山 これから後期高齢者が一層増えます。そうすると認知症の方や虚弱な方も確実に増えていきます。その方たちが施設に行くのではなく、亡くなるまで生活の場で日常生活をすることをご本人も望まれているし、そうした環境づくりは国の政策でもあります。
これから住宅や施設、コミュニティをつくるときに、認知症になっても虚弱になっても安心して安全に生活できることが望ましい。
もう一つ、高齢者は災害弱者でもあります。これから災害多発時期に入ると言われていますが、高齢者にとって災害が起きても安全な環境づくりに、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思います。
また、認知症になっても虚弱になっても快適で楽しく生活したいですね。自治体と企業にはそういうまちづくりを目指していただきたい。そのためには高齢者の生活をよく理解することがとても大切です。

廣瀬 今、秋山先生が仰ったように、私は高齢者の生活を現場でじかに触れるということを、出向することで体験させていただいています。やはりそういう市民目線で大和ハウスを外から見ると、特養とかグループホームを建てているのですが、内情を知っていると事業部ごとにちょっと雰囲気の違う建物が建つこともあります。
また、大和ハウスが目指す長寿社会のコンセプトとは何かぼやけているという声もよく聞きます。素晴らしい事例はいくつもあるので、これらを統括するものが今、必要な気がします。
今後のまちの価値とは、やはり「住み続けられる」ことだと思います。それは「エイジング・イン・プレイス」といって、弱っても多少なりともサポートを受けながら住み続けられるまちです。大和ハウスが目指すまちも、豊四季台が目指す長寿社会のまちづくりのコンセプトも参考にしながら、そういう打ち出し方をしていくべきだと思います。

井上 私たちがアグリキューブを開発した最初のコンセプト段階では、まさかセカンドライフの就労のために使っていただけるとは考えもしませんでした。開発メンバーの1人として、非常に有り難く思っています。皆さんのいろいろなご意見や課題解決にも応えていけるような、商品づくり、モノづくり・技術開発をしていきたいと思います。
私が所属している研究開発部門は、世の中にない新しい価値を創造し、そこから生まれた商品やサービスが最終的にはユーザーに認めていただけるようなものでないといけません。それが最大のミッションであると私は考えています。そのためには時代をきちんと見据えて、世の中がどのように変化し、現場が何を求めているのかを知る。それらが非常に重要です。私たち研究員は、机上の論理で検討することが多く、なかなか外に出て、様々な人と会話を交わし、「市場が本当に必要としているものか」「消費者が本当に求めているものか」といった客観的視野を持つ事が不得手なところもあります。もっと現場に足繁く通って生の声を聞いた商品づくりにも注力していきたいと考えています。

司会 どうもありがとうございます。今日は本当に活発な議論でした。高齢化社会の最前線を知ることができ、大変いい機会になりました。きょう何度もお話に出ましたが、企業だけ、行政だけ、地域だけではなく、皆の力を合わせていくことが、どの場所でも、どういう場面でも求められていると感じました。有難うございました。

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