2026/03/09
報道関係各位
大和ハウス工業株式会社
株式会社フジタ
バルチップ株式会社
関西化学工業株式会社
再生材料を50%以上配合したコンクリート補強用PP短繊維と散布工法を開発 |
大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大友浩嗣、以下「大和ハウス工業」)と株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:奥村洋治、以下「フジタ」)、バルチップ株式会社(本社:岡山県倉敷市、社長:萩原佳明、以下「バルチップ」)、関西化学工業株式会社(本社:奈良県大和高田市、社長:志野一弥、以下「関西化学工業」)は、廃プラスチックなどの再生材料を50%以上配合したコンクリート補強用再生ポリプロピレン短繊維「アミチップ」(※1)を開発しました。
また、大和ハウス工業とフジタは、本製品の施工性を高めることを目的に、コンクリート補強用PP短繊維の散布工法「マクチップ工法」(※2)を開発しました。
※1.名前の由来:「網(アミ)」戸端材を再利用した「チップ」形状のPP短繊維であること。 ※2.名前の由来:「チップ」形状のPP短繊維をコンクリートの表面に「撒く(マク)」工法であること。
【「アミチップ」】 |
近年、環境負荷を低減するため持続可能な資源活用が重要視されています。その中でもプラスチックについては、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、再利用の促進が求められています。しかし、プラスチック製品においては、製品ごとに適切な性能を確保するための配合や、再生材料の選定が難しく、廃棄物を新たな製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルが進んでいない状況です。結果として、企業の事業活動の過程で排出される廃プラスチックは、廃棄物を焼却した際に発生する熱エネルギーを利用するサーマルリサイクルが中心となっており、エネルギー再利用時のCO2排出による環境への影響が懸念されています。2021年には、廃プラスチックのサーマルリサイクルと単純焼却を合わせたCO2排出量は1,590万トンと推計(※3)されており、マテリアルリサイクルを推進する新技術の開発が期待されています。 ※3.プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識2023」より、一般廃プラスチック1kgあたりのCO2排出量を2.77kgとして算出。 ※4.繊維の原糸を作成する際の作りやすさのこと。 ※5.天然資源をもとにつくられ、一度も成型処理をされていない原料のこと。 |
1.再生材料を50%以上配合し、従来製品と同程度の強度を実現した「アミチップ」 「アミチップ」は、大和ハウス工業の工場で発生する引張強度に優れた網戸端材と製糸性に優れた再生材料を用いて独自の配合でリサイクルペレットを製造し、バージン材料と組み合わせることで再生材料比率50%以上を実現しています。 プラスチック製品のマテリアルリサイクルを実現するには、安定した品質を確保するため、同一種類の廃プラスチックの継続的な調達が必要です。これまで大和ハウス工業では、工場で発生する網戸端材を他の廃プラスチック材とは分別して回収していながらも、サーマルリサイクルでの活用に留まっていました。そこで4社は、大和ハウス工業の工場から排出される網戸端材と市場に流通している再生材料を用いてバージン材料と組み合わせることで、再生材料の配合比率50%以上を達成した「アミチップ」を開発しました。「アミチップ」は、従来のコンクリート補強用PP短繊維と同程度の引張強度と製糸性を確保しており、JIS基準を満たす性能を実現しています。 大和ハウス工業は、全国8カ所に戸建住宅・賃貸住宅向けの部材を生産する工場を保有しており、年間で約2トンの網戸端材が発生しています。今回、「アミチップ」を開発したことにより、網戸端材をマテリアルリサイクルとして有効活用することができるようになり、2トンの網戸端材を利用した場合、約2,500㎥(※6)の繊維補強コンクリートを製造することが可能となります。 ※6.一般的な繊維体積混入率とした条件で算出。 |
2.CO2排出量削減に貢献する「アミチップ」 「アミチップ」は、部材製造時のCO2排出量削減にも貢献します。網戸端材は化石燃料由来のプラスチックで構成されており、これまでサーマルリサイクルによりエネルギーの再利用をしてきました。しかし、プラスチックを燃焼するとCO2が排出されるため、環境負荷を低減する手段として、新たな製品の原料に作り変えるマテリアルリサイクルの普及が期待されています。 今回開発した「アミチップ」は、製造時にCO2を排出するバージン材料の配合比率を大幅に減らすことが可能で、従来のコンクリート補強用PP短繊維と比較して、製品1トン当たり約740kgのCO2を削減することができます。また、2トンの網戸端材をサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルに移行すると、約8,100kg(※7)のCO2を削減することができます。これは樹齢50年のスギ約580本分の年間CO2吸収量に相当します。 ※7.一般社団法人プラスチック循環利用協会(PWMI)『LCAを考える』から算出。
【製品化イメージ】 |
3.ミキサー車の洗浄が不要で、施工負担を軽減するコンクリート床への「マクチップ工法」 「マクチップ工法」は、打設されたコンクリ―ト床にPP短繊維などを散布することでひび割れを抑制し、現場作業の省力化やコストダウンを期待できる施工方法です。 今回開発した「マクチップ工法」は、コンクリートを打設し硬化する前に、散布機を用いてPP短繊維を表面に散布し、コンクリート表面を締め固めるタンピングによって繊維を内部に埋め込み、仕上げを行う施工方法です。ミキサー車に繊維を投入しないため、従来の混練工法で必要だった洗浄作業が不要となり、省力化に貢献します。 さらに、「マクチップ工法」は表層のみに繊維を使用するため、混練工法に比べて繊維使用量を減らすことができます。コンクリートのひび割れは、湿度や温度変化の影響を受けやすい表層部に主に発生することから、表層のみをPP短繊維で補強することで、従来工法と同程度のひび割れ抑制効果を確保しながら、材料費削減にもつなげることができます。 なお、本工法は、2025年9月30日に竣工したフジタの自社施設である技術センター付属棟「続(つづく)」で初適用されました。
【「マクチップ工法」の流れ】 |
【フジタ技術センター付属棟「続」での施工例】 |
以上












