特集
大阪・関西万博2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)(以下:「万博」)のコンセプトは『未来社会の実験場』ですが、当社においても未来の建築技術と働き方を実証するチャレンジの場となりました。また、球体構造という高度な施工に挑み、DX技術を駆使して品質・安全・効率を追求しました。
この経験を通じて、建築現場の革新と持続可能な働き方の実現に貢献し、未来の建設現場へと繋げていきます。
ブルーオーシャン・ドーム新築工事は、球体構造(写真1)を持つパビリオンであり、従来の建物とは一線を画す建築物であるため、技術的挑戦が求められました。
高精度な施工が求められる中、生産設計から施工までの全工程においてBIM(図1)を中心としたDX技術を導入しました。特に、自動追尾型測量機「レイアウトナビゲーター(協業先:(株)トプコン。以下、「LN-150」という」」を活用することで、XYZの三次元座標による精密な建方管理を少人数で実現し、外注作業人工の削減と安全性の向上を図りました。
これらの技術を連携させることで、品質・工程・安全管理を効率化し、働き方改革にも対応した未来志向の建築プロセスを構築しています。
図1:BIM施工モデル
写真1:ドーム建方状況
施工現場では、球体構造という極めて複雑な形状に対応するため、精度の高い品質管理が求められました。
BIM施工モデルによる建方のシミュレーション(図2)により、施工前に詳細な納まりや工程の検討が可能となり、施工精度の向上に寄与しています。また、LN-150(図3)を導入したことで、XYZの三次元測量による座標管理を実現。自動追尾機能により、少人数での効率的な測量作業が可能となり、外注作業人工の削減と安全性・生産性の向上を両立しました。
さらに、LN-150で取得した座標データは、eYACHO(電子施工管理ツール)(図4)を通じてリアルタイムで共有され、施工精度の確認や現場全体の情報連携を強化。建方完了後のジャッキダウンにも活用されました。
D-Cameraによるタイムラプス記録(動画1)では、施工手順を映像として可視化し、技術継承や社内教育にも活用されています。
図2:建方のシミュレーション
図3:LN-150の活用シーン
図4: eYACHOの活用
今回の施工では、LN-150を中心としたDX技術の導入により、複雑な球体構造に対しても高精度な建方管理を実現しました。XYZの三次元測量による座標管理は、従来の方法では困難だった施工精度の確保を可能にし、少人数での測量作業によって外注作業人工の削減にもつながりました。これにより、施工コストの最適化と現場の安全性向上を両立する成果を上げています。
今後は、Revitとの連携による瞬時座標変換の実現を目指し、BIMとの統合精度をさらに高めることで、建築DXのさらなる進化を推進していきます。これらの取り組みは、万博という特殊な施工環境における実証を通じて、今後の建築現場における標準化や社内展開へとつながる重要なステップとなっています。
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BLUE OCEAN DOME ブルーオーシャン・ドーム | 2025年大阪・関西万博パビリオン (zeri.jp)
ブルーオーシャン・ドームのコンセプト動画はこちら
ブルーオーシャン・ドーム コンセプト動画(NPO法人 ゼリ・ジャパン YouTubeチャンネル)