大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2026

バックオフィスのデジタル化

IT基盤の維持管理・改善に対する取り組み

フルクラウド化

フルクラウド化の背景

当社では、自社運営でのインフラ構築に関して、次のような課題がありました。

  1. 保守サポートの終了や老朽化によりシステムをリプレースする際の費用負担
  2. リース満了となる5年先のキャパシティに合わせた不確実なリソース計画
  3. 自社運営による運用保守(障害対応など)に関わる担当者の肉体的・精神的な負担

上記内容を解決するため、2006年よりプライベートクラウドにシステムの移行を開始し、2014年にフルクラウド化を実現しました。

ハイブリッドクラウド・パブリッククラウド採用

当初はプライベートクラウドが主流でしたが、各種クラウドサービスの提供が始まり、プライベートクラウドに比べるとコストも安くリソースの追加が柔軟にできることから、ハイブリッドクラウドの利用を2014年に開始しました。またハイブリッドクラウドよりコストが安くさまざまな標準サービスを兼ね備えたパブリッククラウドの利用も、2016年から開始しました。

2025年度の取り組み

パブリッククラウドであるMicrosoft Azureを活用し、大規模システムの構築(DX系の取り組み)や社内システムの構築を行いました。

今後の展開

プライベートクラウドから順次脱却を目指します。パブリッククラウドであるMicrosoft Azureの利用を進め、システムによってはあらかじめ用意されたサービスを利用するSaaS(*1)、PaaS(*2)へ移行していきます。(図1)

図1:クラウド活用事例(軌跡と将来像)

(*1)SaaS(Software as a Service):クラウドサーバにあるソフトウェアをインターネットを経由して利用できるサービス
(*2)PaaS(Platform as a Service):クラウドサーバにあるプラットフォームが利用できるサービス

クラウドの価値

クラウドを活用することにより、下記3つの価値を得ることができます。

クラウドを活用することにより、メーカーおよびベンダーによるシステムの安定稼働を実現し、社員の運用負荷を軽減しました。サーバスペックに関しても、スケールアップ・スケールアウトに柔軟に対応できるため、費用対効果の高い運用が可能になりました。(図2)

図2:クラウドの価値

モバイルインフラ環境およびネットワーク環境の改善に関する取り組み

取り組みの全体像

従来のモバイルアクセス環境は閉域LTEを使用した方式でしたが、「Zscaler」を導入し、自宅のインターネットや安全なWi-Fi環境から安心して社内インフラを利用できる環境を構築しました。(図3)(図4)
また、「Zscaler」のオプション機能による機密情報や個人情報などの重要データの持ち出しを防ぐことが可能な、セキュリティ強化のPoC(コンセプト検証)を実施しています。

図3:従来のモバイル環境

図4:見直し後のモバイル環境

また、インターネット上に存在するSaaSシステムの利用増加にともなう社内ネットワークの通信量増加に耐えられるように、事業所のネットワークインフラ(ローカルブレイクアウト)の構築を行いました。(図5)(図6)

図5:従来の事業所のネットワーク環境

図6:見直し後の事業所のネットワーク環境

事業所のWi-Fi環境改善の取り組み

「Zscaler」を利用した、ローカルブレイクアウト環境を導入しましたが、現場からはTeamsの通信が途切れる等、想定していたレスポンスの改善には至りませんでした。
現場を調査した結果、下記の原因が判明しました。

  1. 無線のアクセスポイントが古くて、Wi-Fi6に対応していないのでレスポンスが出ない
  2. 各事業所のスイッチが100Mbpsなので、レスポンスが出ない

上記問題を解決するため、無線のアクセスポイントのWi-Fi6化と、事業所のスイッチのギガ化を全国の事業所で実施しました。(図7)(図8)

図7:従来の事業所のネットワーク環境

図8:見直し後の事業所のネットワーク環境

ユーザへのヒアリングにより、Wi-Fi6化やスイッチのギガ化だけではWeb会議の遅延・音切れを解決できない場合があると判明したため、2025年度からは「無線のアクセスポイント1基あたりに接続するデバイス台数」を考慮したアクセスポイントの配置計画を行っています。

2025年度の取り組み

現場業務における無線ネットワークの活用が拡大し、業務遂行において安定した無線通信環境の重要性が高まっています。一方で、事務所内の人員配置や利用状況によっては、無線ネットワークのレスポンスに課題が生じるケースがありました。
2025年度の取り組みとして、新設事務所でのネットワーク構築にあたり、レスポンスの確保を最優先事項とし、利用環境に応じた無線ネットワーク設計を推進しました。具体的には、利用人数や業務特性を考慮したうえで十分な台数の無線アクセスポイントを配置。その結果、無線ネットワークのレスポンスが向上し、快適で安定した無線通信環境が実現することで、利用者の業務効率向上に寄与することができました。今後は既存事務所についても現場へのヒアリングを実施し、利用実態に即した改善を進めることで、さらなるネットワーク品質の向上に取り組んでまいります。

今後の展開

昨今の業務変革のスピードや建設DXを支えていくには、クラウドサービスをはじめ、その環境の利用を前提としたシステムとサービスを積極的に導入することが必須と考えられます。今後は、クラウドサービスやクラウド環境のメリットを最大限に享受できるよう、当社グループのクラウドネイティブ環境の構築を進めていきます。近年、事務所内での対面による打ち合わせに加え、Web会議の活用も定着しており、場所を問わず安定したネットワーク環境が求められています。 こうしたニーズに対応するため、現場へのヒアリングを通じて利用状況や課題を把握するとともに、AIを活用した通信環境の分析を実施し、迅速かつ効果的な改善を進めます。
これにより、利用者の要望に応えながら、快適で安定したネットワーク環境を実現するとともに、今後の利用形態や業務環境の変化にも柔軟に対応できるインフラ基盤の整備を推進します。

経営戦略本部デジタル戦略部 基盤系管理室インフラグループ グループ長 櫻井 直樹

働き方の変革を支えるインフラ環境

インフラ環境全体の施策として、インターネットを通じて仕事ができるように、PoC(コンセプト検証)の実施に取り組んできました。さらに、コロナ禍において社員が安全・安心に業務を遂行でき、企業活動を存続するために必要な環境として前倒しで実施しました。これらの取り組みにより、インフラが従業員の「安全」、「安心」、「生命」を守る武器になったことを実感しています。また昨今の業務変革のスピードに耐えられるクラウドサービスを中心とした、当社グループのクラウドネイティブ環境の実現と、今後も従業員から信頼されるインフラ基盤を構築していきたいと思います。

※ Azureは、Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Zscalerは、米国および他の国々で登録された、Zscaler Inc.の商標です。
※ Googleは、Google LLC の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※ Microsoft Teamsは、Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Office 365は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標または登録商標です。

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