バリューチェーンのデジタル化
BIMによる事業DXの実現に向けてBIMに対応した住宅設計業務では、CADへ入力する情報量の増加に伴い操作が複雑化しており、関連マニュアルは1万ページを超えています。そのため、利用者が必要な情報を見つけるまでに時間を要し、ヘルプデスクへの問い合わせが常態化していました。しかし、ヘルプデスクの対応要員には限りがあり、回答を待つ間に設計業務が停滞することが課題となっていました。
そこで大和ハウス工業では、自然言語で質問するだけで必要な情報へアクセスできる環境を整備するために、業務マニュアルやFAQ、過去の問い合わせ履歴などの社内ナレッジを生成AIで横断的に活用するチャットボット「DiMAS-J NaVi」を構築しました。24時間いつでも必要な情報を取得できる環境を実現することで、設計業務を止めることなく、自ら課題を解決できる業務環境の構築を目指しています。
DiMAS-J NaViは、住宅設計担当者が必要な情報へ迅速にアクセスし、自ら課題を解決できる環境を実現するための生成AI活用基盤です。
利用者は自然言語で質問するだけで、業務マニュアル、FAQ、過去の問い合わせ履歴、業務ルールなどの社内ナレッジを横断的に検索した回答を受け取ることができます。また、経験の浅い社員やコミュニケーション環境の違いにより情報取得に課題を感じる社員にとっても、必要な情報へアクセスしやすい環境を提供しています。
システム基盤にはAzure OpenAIと独自RAG(検索拡張生成)技術を採用しています。参照ナレッジを住宅設計業務向けに意味補完・整形・検証したうえで検索用データへ変換し、高精度なナレッジ検索と回答生成を実現しています。また、Private Endpointや利用者認証によるアクセス制御を導入し、安全性と利便性を両立した企業向けAIナレッジ基盤として運用しています。
今後は国内利用で得られたノウハウをもとに、大連・ベトナム拠点への展開を予定しており、グローバルなナレッジ共有基盤として発展させていきます。
2026年6月、住宅設計業務の効率化およびCAD操作に関する問い合わせ対応の迅速化を目的として、株式会社メディアテック、AICE株式会社と共同で、生成AIを活用した「DiMAS-J NaVi」を開発・リリースしました。
本システムは、DiMAS-Jの操作方法、仕様、運用ルール、過去の問い合わせ履歴などを学習データとして活用し、利用者の質問に対してAIが即時回答する仕組みです。
導入にあたって、新入社員、中堅社員、ヘルプデスク担当者による検証を実施し、回答品質や運用方法の改善を重ねました。各利用者層において回答率が約90%に達したことから、本格展開を開始しました。
検証段階では、
といった評価を得ており、利用者の自己解決支援やスキル向上につながっています。
2026年6月のリリース以降、AIチャットは1か月で921件利用され、1日平均29.7件の利用実績となりました。また、AIチャット利用件数はヘルプデスクへの問い合わせ件数を継続的に上回っており、自己解決の促進や問い合わせ対応負荷の軽減につながっています。さらに、DiMAS-Jに関する問い合わせ件数は減少傾向となっており、利用者自身による課題解決が進み始めています。
今後は未解決案件や利用ログを分析し、FAQや学習データの継続的な拡充を行うことで回答精度の向上を図ります。また、本社で得られた運用ノウハウを活用し、2026年10月には大連・ベトナム拠点への展開を予定しています。
将来的には住宅設計領域にとどまらず、グループ全体で活用できるナレッジ活用基盤へ発展させることで、誰もが必要な情報へアクセスできる環境づくりを推進していきます。