大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2026

DX推進を支える組織体制

大和リース

目的、ビジョン

私たちの目的は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とデータベースを活用し、建築プロジェクトの全過程において生み出される付加価値を最大化することです。これにより、社会課題の解決とお客さまへの提供価値の向上を図り、持続的な成長につなげていきます。
私たちは「デジタル技術の普及と技術部門の生産性向上」および「既存の価値観や枠組みを覆す革新的イノベーションの創出」の二つのビジョンを掲げています。今年度は、2030年のAI自動設計実現に向けたロードマップの本格始動に加え、多様なカメラを活用した現場情報の収集・可視化や、能登半島地震の教訓を活かした熊本地震での防災DX(迅速な応急仮設住宅の供給)など、デジタル技術によって現場とデータをつなぎ、その情報を新たな価値へと変える先進的な取り組みを実施しています。

取り組みの全体像

当社では、「建物をつくる」から「情報を活用した価値創造」へのシフトを目指しています。BIM・データベースを中核としたAI自動設計への取り組みに加え、カメラや測量機器などを活用して現場の情報をデジタルデータとして収集・可視化することで、設計から施工、維持管理まで、建築プロセス全体のDXを推進しています。

図1:2030年 AI自動設計実現ロードマップ

最近の主な取り組み

カメラの多様化で現場の「見える」を拡大

全国の建設現場に設置しているネットワークカメラに加え、2026年度は、現場内の必要な場所へ柔軟に持ち運べる移動式カメラや、夜間・休日の防犯にも活用できるIoTカメラなど、用途に応じたカメラの導入を進めています。
カメラの特性に応じて使い分けることで、現場全体の状況だけでなく、個々の作業場所や施工状況についてもきめ細かい確認が可能です。現場と事業所が映像を共有しながら、安全管理・工程管理・品質管理における助言や支援を行うことで、現場への移動時間の削減と業務効率化を図るとともに、事故やトラブル発生時の状況確認、防犯・盗難対策などにも活用の幅を広げています。

図2:リアルタイム映像の様子

図3:現場導入の多様なカメラ

能登の経験を結集:
進化版自動配置プログラムと「LRTK Phone」による応急仮設住宅の迅速供給

災害時における応急仮設住宅の早期建設は、当社の重要な社会的責任です。令和8年熊本地震の支援にあたっては、能登半島地震での経験と教訓を活かし、支援業務の大幅な迅速化を実現しました。
配置計画においては、大和ハウス工業・熊本大学と共同開発し、能登でも活用した「自動配置設計プログラム」を強化。従来より処理速度が10倍に向上した新プログラムを投入し、自治体との協議や意思決定のスピードを劇的に高めました。
現場調査においては、能登での経験を踏まえ、より機動的な測量を可能とする「LRTK Phone」を導入。平時から全国の拠点で活用していたため、災害発生時には自社で所有する機材を即座に熊本現場へ集約・運用することができました。これにより、現場調査の迅速化と着工までの時間短縮を図り、避難されている方々へ一日も早く安全な住まいを届けるための取り組みを、デジタル技術で支援しました。

今後の展望

私たちは、BIMやデータベースに加え、カメラ・測量機器などから得られる現場情報のデジタル化をさらに進め、それらのデータにAI分析や自動設計テクノロジーを融合させることで、建築の企画・設計から施工に至る全プロセスの変革(BIM-DX)を加速させます。
2030年のAI自動設計の実現を見据えた基盤整備を進めると同時に、平時の生産性向上にとどまらず、災害時の迅速な社会インフラ復旧など、社会課題の解決に直結するデジタル技術を活用した仕組みの構築を目指します。蓄積された様々なデータから得られる「現場の気づきや具体的な改善ポイント」を活かし、ビジネスプロセスと価値提供を革新し続けることで、持続可能な社会の構築と業界全体のデジタル変革(DX)に貢献します。

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