大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2026

DX推進を支える組織体制

南国アールスタジオ

目的、ビジョン

当社は2020年の設立以来、「日本のものづくりやくらしを支える人々を、空間コンピューティング技術で支える」を目的に事業を進めてきました。多くの企業では、設計データ、測量データ、業務データなど、ものづくりを支えるデータは今もなお各所に分散しており、関係者が同じものを見て判断できないことが、意思決定の遅れと手戻りを生んでいます。
私たちは空間コンピューティング技術を用いて、これら散在するDX資産をサイバー空間へシームレスに統合し、計画・開発・運用のそれぞれのフェーズで、距離や時間を意識せずに関係者全員が同じものを見て判断できる状態を創ります。
現在は「散在するDX資産を接続し、意思決定を迅速かつ的確に。」を新たなミッションとして掲げ、企業のDXにおいて、検証で終わらせず本番運用までを伴走することで、企業の意思決定を加速させ、新しい未来の創造に貢献していきます。

取り組みの全体像

当社は、企業向け空間コンピューティング基盤「WHITEROOM(ホワイトルーム)」をベースに、お客さまのDX資産をサイバー空間へ接続・統合する事業を進めています。WHITEROOMは仮想現実(VR)と複合現実(MR)の双方に対応し、デバイスや所在地を問わず関係者が同じ空間に集まり、3Dモデルから図面、点群、業務データまでを同じ目線で確認しながら判断できる3D意思決定プラットフォームです。この開発を通じて、設立当初のXRコンテンツ制作から、製造・建設分野に向けたXR/デジタルツイン基盤へ、そして空間データを生成AIで価値化する段階へと、事業の軸を進化させてきました。

私たちの強みは、空間コンピューティング技術を核に、構想から本番運用までを一気通貫で支援できることにあります。可視化やPoCで終わらせず、標準機能では埋まらないラストワンマイルをカスタム開発で確実に埋め、業務に定着する形へ仕上げます。さらに、生成AIやフィジカルAI、ロボティクスといった先端技術を継続的に取り込み、その時々の最適解を提供します。この積み重ねにより、製造・建設・医療・教育の各領域で、実証にとどまらない本番運用の成果が生まれています。

昨今の主な取り組み

昨今の代表的な取り組みが、大和ハウス工業、当社、トラスの3社で共同開発したBIM×メタバースサービス「D's BIM ROOM(ディーズビムルーム)」です。2023年8月に発表し、大和ハウス工業が建設する商業施設や事業施設などで順次導入してきました。

本サービスは、Autodeskの共通データ環境(CDE)やトラスの建材データベースとシームレスに連携し、設計・施工・引渡し後のライフサイクル全体でBIMデータを有効活用するための基盤です。建物のBIMデータを仮想空間や現実空間上で可視化し、実寸大の外観や色味、周辺環境との距離感を確認することで、図面だけでは判断が難しかった要素をその場で合意し、イメージの相違による手戻りの削減を実現しています。運用開始以降、設計者へのアンケート調査や利用ログから得られたフィードバックを継続的に分析し、サービスの改善を図っています。
例えば、BIMデータの可視化に対する高い需要と、実務への浸透を加速させるための利便性の課題を把握したうえで、施主様や関係者が専用アプリを使用することなく、Webブラウザから手軽に高品質な3D空間を確認・対話できるようにしたWebブラウザ版の展開を進めています。さらに、これまでの運用で蓄積したデータをもとに機能改善を行い、設計者の業務負担を軽減するとともに、より高精度な意思決定を支援しています。

効果、今後の展開

WHITEROOMを基盤とした取り組みを通じて、私たちは「関係者が同じものを見て判断できる」状態を各社の業務プロセスに定着させてきました。これにより、3Dスキャンとサイバー空間での再現による現地移動の不要化(コスト削減)、最大50名が同時に参加できる遠隔打ち合わせによる移動時間の削減、そしてBIMデータと各種システム(CDE・建材DB等)の連携による設計・施工情報の一元管理と手戻りの削減という大きな効果を実現しています。
今後の展開として、私たちは空間コンピューティング技術やフィジカルAI技術をさらに深化させ、D’s BIM ROOMにとどまらず、空間コンピューティング基盤そのもののDX展開をさらに進めます。
当社は、昨今のAIの進化を背景に、合意形成や意思決定の相手は「人間同士」から「人間とAI」へとシフトしつつあると捉えています。
これまでに蓄積してきたBIMデータや空間データをAIに学習・推論させ、空間そのものをインタラクティブなパートナーとして機能させる技術の開発を進めます。これにより、人間が空間と対話するだけで設計意図が最適化され、あるいはAIが規制確認やコスト最適化を先行提案し、人間はそれを「承認・調整」するだけで済む形へ移行することで、企業の意思決定のさらなる迅速化と、BIMデータのライフサイクル全体での価値最大化を支援していきます。

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