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コラム No.27-1

サプライチェーン

秋葉淳一の「物流は経営だ」 Vol.1 IoT/CPS環境が支えるオムニチャネルリテイリング時代のロジスティクス

公開日:2016/04/27

重要性を増すロジスティクス

2016年4月に大手SPA企業が都内で最新鋭の物流センターが稼動することを代表に、様々な企業が効率的なロジスティクス網の構築を急いでいる。特に、これからEコマースやオムニチャネル化に取組む企業においては、最新鋭の物流センターを稼働させることで顧客に商品を迅速に届ける体制を築き、ネット通販の商品の即日配送や複合的なチャネル展開を始めようとしている。

こうした取組みは、現在の消費者が求める利便性にはロジスティクスが重要だということを示した一例である。 現在、改めてロジスティクスの重要性が再認識されているが、これには、IoT(Internet of Things)/CPS(Cyber physical Systems)の発展がロジスティクスに大きく関連している。

IoT/CPSという環境が与える影響

IoTやCPSという言葉が巷で多く聞かれるようになった。
IoT、CPSとは、簡単に言うと全てのものがインターネットに繋がるということだが、これは、ロジスティクスにおいて、どのような意味を持つのか。経済産業省が非常にわかりやすく説明している。
現実世界に配置された多数のデバイスから、リアルタイムでクラウド環境に多くの情報(ビッグデータ)が集まり、集まった情報が人工知能(AI)で処理され、再び現実世界の業務プロセスに還元されて行く。

CPSによるデータ駆動社会

>実世界とサイバー空間との相互連関(Cyber Physical System)が、社会のあらゆる領域に実装され、大きな社会的価値を生み出していく社会

(出典:経済産業省(産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 配布資料)から抜粋)

CPSを活用した場合の生活は、例えば、
一人暮らしの私は、出勤途中の電車の中でスマートフォンを使い、明日のパーティ用のシャツを探してオーダーし、受取り場所を自宅に指定する。
しかし帰宅時間が予想より早くなったので、試着してから購入したいと思い、帰宅途中の電車の中から受取り場所を自宅近くのショップに変更する。ショップで支払を済ませ、ショップを出たところで、帰宅途中に食品スーパーで牛乳とキウイとヨーグルトを購入するようにメールが送られてきた。そういえば、もう冷蔵庫に残っていない。
買い物を済ませて帰宅すると部屋では空調が入っており、湯船にはお湯がはられている。
このようなことが、当たり前に起こる。そう、私は帰宅すると先ずはお風呂に入ることができる。

オムニチャネルリテイリングにおけるロジスティクスの重要性

こうした生活シーンの実現は、まさに現在、各企業がこぞって導入しようとしているオムニチャネル戦略そのものだ。
そして、大げさな言い方をすれば、オムニチャネルリテイリングという環境は、将来のビジネスモデルを考える上で大きなチャンスである。
オムニチャネルリテイリングでは、ロジスティクスにおけるサービス向上が競合他社との差別化を促し、競争力強化につながるだけではなく、ロジスティクスで得られたデータがマーケティング部門で活用され、新たなサービスや商品の開発に繋がり、さらにはロジスティクスを核とした、新たなビジネスモデルが生まれてくるかもしれない。

オムニチャネルリテイリングとは、変化する消費者の購買行動に対応するために、乗り越えるべき壁なのではなく、むしろ、ここから様々なサービスや商品、ビジネスモデルが生まれてくるかもしれない好機に溢れた環境なのだ。
それを活かすためには、ロジスティクスを経営戦略の一環として考える必要がある。
その上で、目指すところは何なのかをはっきりと固めておく。もちろん、会社ごとに異なるはずだが、共通していえるのは、消費者の多様な購買スタイルの中で、自社のエンドユーザー、顧客はどんなところに価値観をもっているのか、どこに満足度を求めているのかを明確に把握することである。

ロジスティクスは高度な情報戦略

IoTがロジスティクスにもたらす変化・効果を見ていくと、未来のロジスティクスが高度な情報戦略であることは自明だ。モノの流れから得られる様々な情報をどのように活用するか、それこそが、競争優位性を確保するための重要な戦略となってくる。

現代の企業競争はロジスティクスによって決するといっても過言ではない。リアルタイム性が企業の競争力と直結するIoT時代においては、ロジスティクスを顧客に付加価値を与えるための基盤として捉えていく必要がある。物流システムを変革することは、企業が生き残るための必須条件とも言える。
クラウドなどの環境が整い、IoT時代に入ったことで、誰もがそれを実現し易くなってきている。すなわち、やる気になればどの企業でも実践できるようになったのだ。
あらゆる企業に平等にチャンスがある。資本力に頼らずとも、アイデアひとつ、システムひとつで、未来を変えることができる。ロジスティクス戦略と、それを支えるIT技術は、そうした未来をつくるための強力な武器なのである。

トークセッション ゲスト:株式会社ローランド・ベルガー プリンシパル 小野塚 征志

トークセッション ゲスト:株式会社アッカ・インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和

スペシャルトーク ゲスト:株式会社ママスクエア代表取締役 藤代 聡

スペシャルトーク ゲスト:株式会社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰

秋葉淳一のロジスティックコラム

トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式会社アッカ・インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和

トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式会社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏

「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ

「物流は経営だ」シリーズ

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式会社フレームワークス代表取締役社長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構築に携わる。
その後、多くの企業のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構築とそれに伴うビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式会社フレームワークスに入社、SCM・ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業に応じたオムニチャネルを実現するために奔走中。

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http://www.daiwa-logitech.com/column/index.html

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