土地活用ラボ for Biz

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コラム No.27-24

サプライチェーン

秋葉淳一のロジスティックコラム(2) サービスレベルアグリーメントに挑む

公開日:2018/04/20

2017年11月に誕生したダイワロジテックの事業コンセプトのひとつに、「シェアリングモデル」があります。
極端な表現かもしれませんが、物流センター関連ビジネスにおける「シェアリングモデル」とは、「どこどこの物流センターを何坪借りたい」というオーダーではないということです。
スペースを借りる、マテハン機器を入れる、システムを導入する、これらはすべて手段であり、物流の目的は「適切に在庫管理をして、必要な場所に必要なものを届ける」ことです。私たちが提供したいのは、あくまでこの目的であり、最終的なサービスなのです。
つまり、ダイワロジテックは、お客様とサービスレベルでアグリーメントしたいということです。 現在、DPL市川を研究開発センターとして、様々な実験を行っていますが、ここで実験しているのは、この「サービスレベル」での提供についての実験です。ロボットや人工知能の活用に関する実験も行っていますが、私たちが行っているのは、ロボットが本当に有効かどうか、新しいロボットが現場で本当に使えるかという意味での実験です。
ロボット自体の販売や導入サポートなら、私たち以外でもできるところはたくさんあるでしょう。しかし、ロジスティクスの事業モデルとして、全てをサービスレベルアグリーメントで提供できているところは、まだないでしょう。

サービスレベルでの提供が可能になれば、物流センターの立地条件やスペックなどは、ほとんど関係なくなります。
前述したように、そもそも、荷主にとって、適切に在庫を管理して、希望する時間に希望する商品を届けることが目的であって、その目的を達成するための手段として、「どこどこの物流センターを借りる」ことを行っているだけのことです。私たちは、それをロジスティクスとは呼びません。
この発想をもとにすれば、物流施設に対する考え方は、まったく異なったものになるはずです。

シェアリングモデルで物流不動産の概念が変わる

現在物流に携わっている荷主を含めた多くの人たち、デベロッパー、物流会社、3PL企業など、こうした考え方は、ほとんど持っていません。これまでの慣習のなかで大きな勘違いをしているといってもいいでしょう。
たとえば、物流センターを選ぶときに、「働く人が集まりますか?」という質問を荷主企業はよくします。
私たちはサービスレベルでアグリーメントしますから、人が集まるかどうかなどは関係ありません。サービスを実現するために、ロボットも人も配置しますし、デリバリーの仕組みも用意します。「商品をどこのセンターに置くか」「ロボットやマテハン機器がいくらかかる」といった話になること自体おかしいと考えています。

サービスレベルで提供するということは、物流の最大課題である、「何が、いつ、いくつ、どこに届く」だけです。問題はそれをどれだけのコストで実現できるかということです。
サービスレベルを守るということが、私たちの約束であり、非常に簡単にいえば、その約束を守るから、1出荷あたりいくらくださいという話となるわけです。
ただし、それが入ってくれた荷主さんにとって今までよりもプラスのコストになってはいけないし、私たちが赤字になったとしても、サービスを続けることができないので、シェアリングモデルをつくるということを理解いただき、賛同して、合意していただけるお客様だけに入っていただきたいと考えています。
今までのやり方を大きく変えて、少しずつかもしれませんが、全員が思い描く物流の未来へ向かって一緒に目指していきたいと思っています。

「機能」というカテゴリーで物流施設を提供する

シェアリングといっても、すべての機能をすべての荷主様でシェアリングするということではありません。荷主様によって取り組むべく課題は違います。
ですから、荷主様全員が使えるシェアリングの領域、10社のうち3社が使うシェアリングの領域、それぞれ個社しか使わない領域、大きく3つのブロックに分けるつもりです。
個社への対応というところは、これまでと同じサービスの提供となりますが、それ以外のところでは、シェアリングモデルをメニュー化して、共有して使えるようにします。

また、これまでの物流センターでは、アパレル専用、食品専用など、業種や扱い商材によってカテゴライズされた物流センターは存在していました。
私たちは、物流業務のプロセスの中で、荷扱や業務プロセスによるカテゴライズを行おうと思っています。
たとえば、カスタマーサービスセンターや返品センターといった機能は、それぞれの物流センターの中にあると、当然非効率になります。
機能を集約した物流センターがあり、物を保管しているのは別の物流センターがあるというかたちでサービスを提供していくことも考えています。

さらに、業務を細分化していくと、当然、私たちだけではできないことも増えてきます。
たとえば、Eコマースの業務に「撮影・採寸・原稿」というフルフィルメント業務がありますが、撮影も、モデルを使った撮影、自動化した撮影というようにどんどん細分化していったときに、これらの機能を私たちが自ら開発して、自らやることはないと思っています。それが得意な会社と私たちが組み、その会社が開発したものを取り入れる。あるいは、得意な会社にそこを再委託して、シェアリング率を上げていく、ということをやっていきます。そのための会社連携もどんどん進めていきます。

お客様と共に成長する

サービスレベルでアグリーメントするということは、私たちもお客様に対して、明確に求めないといけないことがあります。それは、計画値の精度を上げることです。計画精度とは、入ってくる時間・数字、出て行く時間・数字、そして、その入りと出を考えたときにトータルの在庫量がどれだけあるかです。
計画精度が高いほど、必要なリソースを適切に準備することができますから、シェアリングが効果を発揮します。計画精度を上げるためのデータは私たちも協力します。
ということは、計画値がぶれたときのペナルティも設定する必要があります。この点を共有いただかなければ、契約することはできません。
計画精度を上げるということは、お互いのためです。計画精度が高いからコストを下げることができますし、在庫も適切に管理することができます。在庫は経営に直結するキャッシュです。
つまり、計画精度を上げて、サービスレベルでアグリーメントすることで、お客様も私たちも成長することができるわけです。
この点が、私たちのサービスの肝です。

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式会社フレームワークス代表取締役社長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構築に携わる。
その後、多くの企業のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構築とそれに伴うビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式会社フレームワークスに入社、SCM・ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業に応じたオムニチャネルを実現するために奔走中。

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http://www.daiwa-logitech.com/column/index.html

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