土地活用ラボ for Biz

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コラム No.27-35

サプライチェーン

秋葉淳一のトークセッション 第3回 プラットフォーム化が進めば、すべてのプレイヤーとの協業が可能株式会社フレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一 × 株式会社アッカ・インターナショナル代表取締役社長 加藤大和

公開日:2019/03/29

株式会社アッカ・インターナショナルが大和ハウスグループの傘下となって約1年。大きな変革が起きている物流業界の中で、今何が起きていて、何が必要なのか。これからの物流の在り方を語っていただきました。

ロジスティクスのプラットフォームとは何か

秋葉:今、お客様という意味での情報もそうですし、新しいテクノロジー情報もそうです。最新の情報が次々と集まってくる環境になったと思います。様々な方々からご相談いただけるようになりました。具体的なことではなくても、とりあえず加藤に聞いてみよう、秋葉のところに相談してみよう、といらっしゃる方がものすごく増えています。そういった意味では、思った以上に私たちのフィールドは広がっており、異業種とのコラボレーションがどんどん増えているといえます。
もう一つ面白いのが、この間もどこかで話したのですが、当然、荷主同士でコンペティターが存在します。通常であれば、あるメーカーのロジスティクスを請け負ったとしたときに、同業のメーカーに対しては、様々な慣習や前例があるため必然的に請け負うことはできないと思います。しかし、ここできちんと情報管理を確実にできれば、両者ともにサービスを提供することができます。
これについては、Hacobu佐々木社長が、大手の流通2社を同じプラットフォームに乗せたことが、私にとってすごく大きい出来事でした。今までであればあり得ないことですから。私たちのサービスはHacobuのようにソフトウェアだけではありませんが、プラットフォームという捉え方をすれば同じだと思っています。私たちのプラットフォームに乗れば何とかしてもらえるという位置づけになるという意味では、コンペティター同士にサービスを提供することが、一気に進むのではないかと思います。

加藤:プラットフォームと一言でいっても捉え方は様々です。プラットフォーム化を考える際、私はまずネットワークを組んでいくべきだと思います。今、大手の物流関連企業は、大半が独立してビジネスを行っていますが、この先もこのまま続くとは誰も思っていないはずです。
人材は不足し、仕事は増え続けています。デジタル化、オートメーション化も進んでいきます。グローバルにおける競争も激しくなっていきます。
そうなってくると、プラットフォームをみんなで作って、それをみんなで共有して、無駄を排除していく。人も少なくなるわけですから、その方向に向かわざるを得ない状況が自然に作られていくはずです。もう自分たちだけでやっていくような次元ではなくなっていきます。
もう少し考え方を変えて、シェアするところはシェアするし、競争するところは競争する、そういう考え方の中で、付加価値を自分たちでどうつけていくか。そういったことをやっていかないとだめな時代が来ます。そういう中で、真ん中に、みんなで使うプラットフォームというものが自然にできていくのではないかと思います。
また、プラットフォームは、ソフトウェアだけではなく、業務オペレーションも含まれます。業務オペレーションは、今10社あったら10社とも少しずつ違うやり方でやっています。しかし、基本は、ものを入れて、管理して、出すことです。それを左手だけでやるという人たち、右手だけでやるという人たちという違いがあるわけです。それは必要なのでしょうか。
本質的なビジネスを加速させるというところでは、基本的な出し入れがきちんとできたうえで、高度なニーズに対応することが求められます。
たとえば「オーダーから2時間で届ける」といった難易度の高いニーズがあったときに、何とかそれをやる方法はないかを考える。まず費用を度外視してでも、できるのかできないのか。できるのであれば、次に市場が支払う、対応できる費用であるか。そうでないのであれば、段階を経て、実現可能なレベルまでサービスを持っていかなければなりません。そうしたフレキシビリティを持つことが求められています。もはや、オペレーションのやり方にこだわるというレベルではありません。

秋葉:プラットフォームは、定義することが難しいのだと思います。私の中では、イメージは土俵です。いろいろな土俵があるわけです。大きいものもあるし、小さいのもある。ただ、一人だったらそれは土俵にならないですよね。今加藤さんが言ったように、同じ土俵に乗るという意味でいくと、同じ土俵に乗るだけの価値を私たちは用意しなければなりません。あるお客様においてはそれがシステムだけでいいかもしれませんし、オペレーションまでかもしれない。あるいは、庫内だけではなく配送のところ、建物も入るかもしれません。その受け皿というか土俵を、私たちは常に用意しないといけません。本当の土俵であれば、毎回塩をまいたり掃いたりします。土俵を常に良い状態、最新の状態にする努力も継続してしなければいけないと思います。
加藤さんがおっしゃるように、物流の基本は、ものを入れて、保管して、出すだけです。しかし、今までのビジネスは相対ですべてやってきているので、標準がありません。標準がないため、「自分たちがやりたいことをいくらでできるか」というところからスタートします。何がコスト高になっているのかといった比較がありません。ほとんどの場合、差別化しているのは出荷のところです。仮に標準では100円で、やりたいことが150円かかるとすると、50円プラスです。今は、50円の効果が売上や利益に対してどうなのかが測れていません。150円だと言われたら150円なのです。そういうことも整理していかないと、土俵に乗るか乗らないかの判断もできないと思います。

加藤:相対的に対応し続けていると、ある企業で最適化できても、その企業だけにしかベストなサービスにならないことが大半です。ですから、私たちはプラットフォームとしての様々なリソースを活用したうえでのオペレーションシステムを提供したいと思っています。

リソースの活用と本流ビジネスへの貢献

秋葉:今、いろいろな意味で、リソースをどうするかが問題になっています。人も時間もそうですし、ロボットやマテハンのリソース、システムリソースもそうです。私からすると、倉庫スペースは一番制約が強いものです。欲しいといわれたときにスペースがなければ、お客様に借りていただけません。だからこそリソースをどうやって使ってもらって、価値を上げていくか。そのためのサービスをどうやって展開するかだと思っています。
お客様がしたいことに対して、建物を含めて最適なリソースのコントロールがどこにあるのかというところを私たちは見ています。建物がどこであろうとこのサービスを使うと価値が出るということを提供していかなければいけません。

加藤:そのためには、実際に私たちが様々なリソースを活用して、実証していく必要があります。外にいる私たちが、業界を変えていくような、イノベーティブなことをしないといけないと思っていますし、実際に取り組んでいます。

秋葉:私たちのビジネスのコアは、新たなことをやって、そこでうまくいったことを、本流側にどう取り入れていくかだと思っています。
そういうやり方をしている企業も少しずつ出てきました。その方法の一つとして、例えばCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を立ち上げたり、オープンイノベーションといって、ベンチャー企業に投資をしながら新しいビジネスを作ったりする動きも出ています。ロジスティクスの中で新しいことにチャレンジして、そのブランディングを作りながら実際に実行していく。そして、蓄積したノウハウを本体のビジネスに取り入れ、グループ全体を底上げしていく。それが私たちの役割だと思っています。私たちの存在意義はそこです。きちんとした本社と物流会社があるからこそできることであり、私たちの役割だと思っています。ある意味、ロジスティクス業界の未来へ向けた変革を担うプロジェクトチームが大和ハウスグループの中では私たちだと考えています。

海外も含めた次へのチャレンジ

加藤:流山では次の新しい物流施設が着工される予定です。そこをグローバルなスポーツメーカーなのか、日系のアパレルなのか、次のBTS、マルチテナント型のフルフィルメントセンターとして、どのように組み立て、提供していくかが来年の課題です。

秋葉:流山のあの広さを私たちがどのように活かすかは、次の宿題です。2019年度には、大手SPA企業のEC部分のロジスティクスを請け負う可能性があります。そうすると、同業他社からかなり注目が集まるのではないでしょうか。私たちのビジネスが加速していくのが2020年だと思います。加速してきたものを、今度は物理的にいくつかのゾーンに集めることによって、必然的に共配が起きるはずです。そうなると、より一層効果が出せる環境が、私たちのチームの中でできあがってくると思っています。

加藤:技術面においても、RFIDを入れるなどいろいろなことに取り組みたいと思いますし、あとは配送面ですね。配送面をいかにBtoCとBtoBの両方でうまくやっていくかということも課題です。

秋葉:配送面でもいくつか取り組もうと思っています。いろいろ実験もします。2018年は本当に濃い1年でした。私自身の至らないところも明確になったので、2019年度以降、あと3年間という時間の中でどこまでジャンプできるか、もう一回考えてやりたいと思います。

加藤:2019年度は、アッカがプロデュースする次世代の、先を見据えたフルフィルメントの姿が注目されると思います。お客様が私たちを選んでいただているわけですから、満足してもらわないといけません。やらないといけない、と気持ちを新たにしています。あとは海外展開です。これは絶対ですね。

秋葉:来年度、海外に少しずつ出ようと思っています。出方という意味でいくと、いくつかの選択肢があります。例えば、アッカ・インターナショナルとフレームワークスが同じ目的で同じ出方をしてもしょうがない。それぞれがどういう目的、どういうチャレンジをしに海外に出るか。そこは分けたいと思っています。
ダイワロジテックのホールディングスで考えると、ASEANをターゲットにするとやはり食品は外せません。コールドチェーンも含めてある程度のかたちを来期にはつくりたいと思っています。

先日、ある方から「秋葉さん、なんで大和ハウスが物流なの?」と聞かれました。大和ハウス工業が創業時から大切にしていることの中で、私がすごく大事だと思っていることがあります。それは「人の暮らしを豊かにする」ということです。ここが大和ハウスグループの根底だと思っています。その豊かにするという発想の中で、家をはじめとして様々なサービスを提供し、人の暮らしを豊かにするということが脈々と流れてきています。その中で、人手不足の問題が起きて非常にわかりやすくなったのですが、物流はやっぱりとても重要だということが世の中からも認知されてきています。その中で、大和ハウスグループとして豊かにするためにそれをやらないという手はありません。そこがすごく大事だと思っています。

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式会社フレームワークス代表取締役社長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構築に携わる。
その後、多くの企業のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構築とそれに伴うビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式会社フレームワークスに入社、SCM・ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業に応じたオムニチャネルを実現するために奔走中。

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